[週刊ファイト8月18日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼RAW女子開始DカイIyo組ゾーイ・スタークまで チャンパBラシュリー
(c) 2022 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編
■ WWE RAW
日時:8月8日(現地放送時間 日本YouTube水曜以降)
会場:米オハイオ州クリーブランド ロケット・モーゲージ・フィールドハウス
冒頭、比較的長く先週のリキャップとしてベイリー軍団の登場と乱闘が再紹介される。なにしろ『サマースラム』後のRAWだから、自動的に視聴者数が上がる分だけではない。明らかに「ビンス・マクマホン退任後のトリプルH政権がどうなるのか」、その関心も大きなウェイトを占めていると分析されている。そして今回も、その視聴者数データの強力な裏付けを得て、女子タッグ王座トーナメントにNXTからゾーイ・スターク&ニキータ・ライオンズ組をエントリーさせるなど、お客さんが新しい変化を求めているとかぎ取れば、即座に新顔投入という行動の実行に出たことになる。まして最後には解雇されていた”田舎の連続殺人鬼”デクスター・ルミスまで呼び戻したんだから、現場監督が変わればいきなり風景も変わると。
一日遅れてしまう日本からの視聴を前に、すでに数字も判明。平均視聴者196万人と、そりゃPPV後の恩恵を受ける先週の223万人より少し落ちたように思うのかもだが、これはとんでもない巨大な数なのであって、広告スポンサーが見ている18-49歳デモグラフィックの視聴率は0.54%と強力な数字を叩き出した。現地月曜夜の視聴者数ランキングにおいて、1位から10位までがニュース番組、11位がRAWなのである。はい、人気ドラマや他のバラエティ番組より、ニュースを除けばプロレス番組がトップなのだ。日本のお寒い状況からしたら、いかにこれが信じられないような米マット界”プロレス新黄金時代”の偉業であることか。
ベイリー&イヨ&ダコタがオープニングに登場するとベイリーはベッキー・リンチやビアンカを侮辱し、イヨ&ダコタは「トーナメントで優勝するところを見せてやる」と空位のWWE女子タッグ王座奪取を宣言した。するとそこへ現れたビアンカ&アスカ&アレクサと対峙するとアスカ&アレクサに「イヨ&ダコタは優勝できない。1回戦で勝利しても私たちと対戦するんだから」と否定される。
ビアンカには「今から3対3でやってもいいぞ」と対戦要求されたが、ベイリーが「WWEクラッシュ・アット・ザ・キャッスル」での対戦を提案するとこれを受諾したビアンカに襲われて6人入り乱れた乱闘に発展した。
番組の第1試合はセス・ロリンズとアンジェロ・ドーキンス w/モンデス・フォードのシングル戦であり、ペディグリーで勝利。なおもカーブストンプだったもののYouTube短縮版では丸ごとカットでした。
ゴングが鳴ってないので試合なのかどうかも不明のままながら、ケビン・オーエンズがエゼキエルを担架送りにしたセグメントも、短いのに短縮版ではカットされる。そもそも短縮版、違法で勝手に編集して流す輩があとを絶たないのみならず、マニアならご存知の通り全長版を見る方法もあるのだが、WWE公式がなにを削ってどれを残したかは、それなりに専門媒体的には興味深いことなのだ。
Judgement Dayのセグメントはダミアン・プリーストがトロントで(カナダ人の)エッジとやってやる・・・の続きで、レイ・ミステリオがフィン・ベイラーにクーデグラで取られるシングル戦に。現段階のストーリー進行は、ミステリオとベビーフェイスになったエッジは昔からの旧友だが、息子ドミニクはJudgement Dayに勧誘されているし、どうやら親から離脱かもという愛憎劇です。
◆イヨ&ダコタがトーナメント1回戦突破!CATCではアスカらとの6人タッグ戦が決定
WWE女子タッグ王座トーナメント1回戦ではイヨ&ダコタがタミーナ&デイナと対戦すると序盤に攻め込まれるも、イヨがダブルニー、ダコタがチンロックでデイナを攻撃。さらにイヨが打撃連打から掌底アッパーを放てば、タミーナにサモアンドロップで反撃されて白熱の攻防を展開したが、最後はダコタのフェイスウォッシュからイヨがムーンサルトをタミーナに叩き込んで1回戦を突破した。
また、通常のRAWなら1時間目、2時間目、3時間目とだんだん下がっていくパターンと違い、東部時間夜8時からが平均視聴者数195万人に対して、冒頭でも煽られた新顔投入の女子トーナメントのセグメントが投入された2時間目が205万人。普通はもっと大きく落ちるハズの3時間目も187万人と、よくわかってないサイトが先週より落ちたとか、肝がまるでわかってないのだが、これは大きな注目点なのである。
この結果、イヨ&ダコタは準決勝戦でアスカ&アレクサvs.ドゥドロップ&ニッキー・A.S.H.の勝者と対戦することとなるとイオは自身のツイッターで「私たちが次のWWE女子タッグ王者になる!!!!!!!」と宣言した。ウェールズ・カーディフで開催される30年ぶりの英国スタジアムイベント「WWEクラッシュ・アット・ザ・キャッスル」は日本時間9月4日にWWEネットワークで配信される。
そして専門媒体目線では目玉である(トマソ)チャンパのUS王座挑戦である。ちゃんとUS王座の歴史を振り返る紹介ビデオも流され、安易なものではないとの番組作りのお膳立ても組み込まれた。
まして前日にチャンパは、20歳の時にハーリー・レイスのミズリー州トロイにあるWLW(ワールド・リーグ・レスリング)の門下生になった「”ボス”との思い出」をインスタグラムに公表。ハーリー・レイスのガウンを着て入場するのだ。長年NXTもきっちり見てきた記者には涙なしには見れない。ようやく晴れ舞台が回ってきたのだ。いや、もうRAWには参戦しているのだが、ビンス・マクマホン政権だと中堅の扱い、ミズのサイドキック役である。それがチャンピオンシップのカードにレイスのガウンで花道入場なのだ。もはや涙が止まらなかった。
マイク・タイソン戦のオファーすら受けているボビー・ラシュリーのハートロックが決まり防衛になることは、大人のファンはわかっていることだ。本誌なんか先週からそう活字に残してもいる。ミズの加勢によるロープ越しのフェアリーテイル・エンディングが決まらないspotは余計なんだが、まぁケツはどうでもいいこと。お約束ベストマッチ賞のお仕事役をやり遂げたことが肝心なのだ。このところ軽んじられていたUS王座のベルト価値も上がったのではなかろうか。いよいよトリプルH政権の本格始動を目撃することになった。