[ファイトクラブ]変わるWWEトリプルH Creativeトップ就任RAWミステリオ20周年MSG

[週刊ファイト8月4日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼変わるWWEトリプルH Creativeトップ就任RAWミステリオ20周年MSG
 (c) 2022 WWE, Inc. All Rights Reserved. 編集部編


SmackDownパフォーマンスセンター無観客生中継WWEの挑戦より、トリプルH

 ビンス・マクマホンの勇退、証券取引所への提出資料では「辞任」による余波がWWEのみならず、グローバルなマット界で2022年最大のニュースなのだが、トリプルHの当初発表のタレント部門トップへの返り咲きだけでなく、最初に醜聞がウォール・ストリート・ジャーナル紙に出て以来、暫定という形でCEOのポストから降りていたとはいえ、最後まで死守していたCreativeトップの座も「引退」宣言で降りたわけだが、なんとこれもトリプルHという新体制になったことが発表された。
 述べるまでもなくNXTの創設者であり、専門媒体目線からなら正直、トリプルHのプロデュースする「旧NXT」がSmackDownやRAWよりもはるかに大幅に面白く、またPPV大会にせよ彼が監督する『NXT テイクオーバー』こそが、世間的に有名な『レッスルマニア』だの『ロイヤルランブル』よりも、圧倒的にレスリングの質のみならず充実の内容であった。本誌が自信を込めて「他と比べて欲しい」と問う年間総括の「鷹の爪大賞」でも、ベストマッチだのベスト大会は「旧NXT」の独壇場だった通りである。

 ビンスが死守していたCreativeとは、要するに誰をプッシュしていくかや大河ドラマのアングルを考える団体の頭脳部門にあたり、シナリオ班の総数は40人もいるという大きな部署になる。直近までは未だ現役のビンスは生中継番組開始のわずか数時間前に「こんなのダメ」と書き直させていた。またその右腕はブラザーLOVEのキャラをやっていたブルース・プリチャードであり、要するに考え方が古い。わかりやすい例がNXTのスターだったアダム・コールである。ビンスやプリチャード、そして今回の騒動で静かに消える運命にあるジョニー・エースことジョン・ロウリネイティスにとっては、「あんなちっこい奴がお茶の間大衆向きの番組では芽が出ない」と判断されていた。ところが、AEWに行った途端、アダム・コールはもう何度もメインイベンターを務めているだけでなく、列記としたスーパースターである。この例に限らず、今のファンが求めるスター像とはズレが生じていたことになろう。
 なにがどうWWEが変わっていくのはこれから先のことで、発表は15000人、実際は旧MSGから一回り小さい今のMSGでは12000人しか入らないのだが、それでも本物のSold out、超満員札止めになったことは実は凄いこと。もはやMSGは高い高い貸し料に見合わない、まったくチケットが売れない会場になっていたのが近年の実態だったからだ。つまりは、ビンスの退任ニュースが世間側メディアを駆け巡ったこともあり、どうなるのかと詰めかけた組も多かったことになろう。

■ WWE RAW
日時:7月25日(現地時間 日本YouTube水曜以降)
会場:米ニューヨーク州 マンハッタン マジソン・スクエア・ガーデン


 もっとも、本日分のシナリオ草案は木曜にはビンスに上げられて了承されていたものであり、特別なMSG大会、さらにミステリオ20周年というお題目も付けられたのだが、3時間番組としては良くも悪くもあまり変わった印象はなかった。まぁ変化が出てくるのはまだ先のことになろう。

◆王者ローマン・レインズ“Mr. MITB”セオリーに忠告「お前の親父はもういない」

 WWEユニバーサル王者ローマン・レインズが「サマースラム」でキャッシュインを狙う“Mr. MITB”セオリーを子供扱いして襲撃KOにした。王者レインズ率いるザ・ブラッドラインがリングに登場するとポール・ヘイマンは「サマースラムの後、ブロック・レスナーは立つことさえできなくなるだろう」とレインズの王座防衛を宣言。するとそこへ現れた“Mr. MITB”セオリーにキャッシュインによる王座奪取を宣言されるとレインズは「お前のDAD(親父)はもういない。ここは俺のリングだ。ふざけたことを続けるなら俺が親代わりになる」と、引退したビンス・マクマホンに言及してセオリーに忠告する。すかさず観衆からは”Who’s your DAD”の合唱である。さて、ビンスの考えた『サマースラム』の結末、新体制によって変えるのか否か。こりゃ楽しみなのだ。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン