[週刊ファイト7月28日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼拳王戴冠あっぱれ小島聡ノア武道館 清宮海斗26分強Final武藤敬司
GHC新章Tサッチャー鈴木秀樹タッグ奪取 後継者と最終作品作り武藤
photo & text by 山下達也 w/編集部編
・「ノアは新日本プロレスの天下り先じゃねーんだよ」小島聡position確立
・HAYATA防衛も体脂肪を10%以下まで落とした吉岡世起セミJrの意義
・テーマ見えなくなったタッグ王座戦に鈴木秀樹が稲村愛輝に火付けた
・留置所と刑務所は別!マイケル・エルガン予定のフライト帰国だが・・・
・闘魂継承者・清宮海斗卒業検定だった武藤敬司引退ロード第1章の肝
・後継者との最後の作品作りに満足か「プロレスラー冥利に尽きる」武藤
・満員会場声出し湧きっぱなしならともかく全10試合長過ぎではないか
・健忘症に苦しむRVDも田中将斗Sクレージーと元気にECW同窓会他
■ プロレスリング・ノア ABEMA presents DESTINATION 2022
日時:7月16日
会場:武道館 観衆3215人(=主催者発表)
「ノアは新日本プロレスの天下り先じゃねーんだよ」小島聡position確立
<第10試合 GHCヘビー級選手権試合>
●小島聡
28分17秒 ムーンサルト・ダブルニーアタック ⇒ エビ固め
○拳王
※第39代王者が初防衛に失敗。拳王が第40代王者となる
日本武道館大会に向けての拳王の明確なテーマとして「ノアは新日本プロレスの天下り先じゃねーんだよ」を掲げ、前哨戦試合後のバックステージで小島選手を煽り、それに呼応するように小島聡は90年代のイケイケな感じやヤンチャな面を出して、拳王に真っ向対抗する動画がSNSを駆け巡る。これはノアの選手同士では起こり得ない盛り上がりを見せたのではなかろうか。
この掛け合いは非常に相性がよく、拳王のプロデュース力を感じた。拳王は5月に開設したYouTubeを駆使、発信力を高め登録者を増やし、武道館までのストーリーを築いたのはさすがだ。
あくまで世間に通用するプロレスラー(現役で世間に通用するのは武藤敬司ただ一人。内藤哲也や棚橋弘至だって世間じゃ通用していないと語っている)を目指すと宣言している。
小島聡は両国国技館大会の史上最大のX騒動は批判も起こったが、試合内容でファンを納得させ、ノア会場でのファンサービス(サイン会は各会場で長蛇の列に。一人ひとりに話しかけ、御礼の言葉も欠かさないようだ)によりノア内でのポジションを確立させた感があった。実際、引き続きN-1 Victoryに継続参戦というのは、当初からの予定ではなかったのではなかろうか。
小島選手の日頃のトレーニング、自己管理から51歳とは思えないパフォーマンスを魅せ、若い世代と長時間のシングルマッチも「まだまだ出来るんだぞ」という意地を感じた試合であった。小島聡はツイッターの更新も頻度が高く、言葉遣いもレスラーらしくないくらい謙虚であり、フォローワー数は武藤敬司よりも多い20万人超え、こちらも人気の証であろう。
バチバチ攻防を37歳の拳王と28分17秒やったんですよ? こんなの普通じゃありません。米国のAEW、重要なPPV大会『All Out』だろうが敵地ノアだろうが、小島聡がイイ仕事をする。51歳、あっぱれなのだ。
PFSからのムーンサルト・ダブルニーアタックが舞った。ようやく拳王の時代が来たのだ。
拳王が新日本プロレスに流出していた至宝GHCヘビー級王座を奪回。自身にとっては4年4カ月ぶり2度目の戴冠となり、「俺もノアも発展途上。日本一の景色を俺が見せてやる。この俺についてこい!」と新章の開始を宣言している。
当日、会場入口付近にグッズ売り場が並び会場前は長蛇の列を作った。試合後は外国人選手のサイン会も開催され、6割以上?を占めると言われる会場組ノア女性ファンの財布の紐を緩ませようと、こちらも試合に負けず劣らず盛り上がりを見せていた。
相変わらずコロナ禍ということもあり集客に苦戦を強いられてはいるものの6月は神戸サンボーホール大会、Jrのみの大会であるN Innovation新宿フェイス大会と、2箇所続けての超満員札止めをマークしているところも見逃してはいけない。