これが新時代のストロングスタイルプロレス! 間下が、クイーンが、S・タイガーが、ストロング小林さんへ献げる激闘!!

 3月17日、ストロングスタイルプロレスが『“怒涛の怪力”ストロング小林追悼興行―』を後楽園ホールで開催した。
 第3試合終了後、『昭和の巌流島』アントニオ猪木vs.ストロング小林蔵前血戦や、現役時代を振り返るメモリアル映像が流され、リング上に小林さんの妹のさち子さんや縁の関係者が登壇。追悼のゴングが鳴らされ、故人を偲んだ。

ゴングを鳴らすさち子さん


 
 さち子さんへ感謝状と御仏前を贈った、『昭和の巌流島』の仕掛け人・新間寿氏は、猪木vs.小林戦がプロレス人生生涯最高の試合と振り返り、初代タイガーマスク/佐山サトルも「優しい方でした」と、怒涛の怪力の異名を持つ小林さんのリング外における人間性を称えた。

■ 初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.15-“怒涛の怪力”ストロング小林追悼興行―
日時:3月17日(木) 開始18:30
観衆:596人(満員札止め=主催者発表)
会場:東京水道橋・後楽園ホール

『ニコニコプロレス』アーカイブ配信・第2試合まで無料試聴可能
【PPV生中継】初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.15 -“怒涛の怪力”ストロング小林追悼興行― 3.17後楽園ホール大会 生中継!
https://live.nicovideo.jp/watch/lv336069893

<メインイベント タッグマッチ 30分1本勝負>
△スーパー・タイガー(第15代レジェンド王者/ストロングスタイルプロレス) 船木誠勝(フリー)
 30分00秒 時間切れ引き分け
△関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア) 佐藤光留(パンクラスMISSION)



 30分フルタイムの激闘後スーパー・タイガーは、
「我々で、新時代のストロングスタイルプロレスを創っていきます」
と、誓った。

<セミファイナル シングルマッチ30分1本勝負>
○タイガ-・クイーン(一般社団法人 初代タイガーマスク後援会)
 9分21秒 フライングクロスアタック⇒片エビ固め
●高瀬みゆき(フリー)


 奇襲からの場外戦でペースを握った高瀬みゆきが、タイガー・クイーンを追い詰めた。終盤、クイーン渾身のジャーマンスープレックスが炸裂したが、『昭和の巌流島』の再現を拒否した高瀬みゆきが意地で跳ね返した。

<第4試合 シングルマッチ30分1本勝負>
○関本大介(大日本プロレス)
 11分17秒 ジャーマンスープレックスホールド
●間下隼人(ストロングスタイルプロレス)





 間下隼人はガウンとコスチュームを一新し、元祖・虎ハンターを思わせるマーシャルアーツスタイルに。前戦同様、エプロンのサッカーボールキックで関本大介の顔色を変えさせた。最後は重量感あるべた足のジャーマンを受けきってみせた。

<第3試合 タッグマッチ30分1本勝負>
○ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ) 井上京子(ワールド女子プロレス ディアナ)
 8分18秒 垂直落下式パイルドライバー⇒体固め
雪妃真矢(フリー) ●梅咲遥(ワールド女子プロレス ディアナ)


 奇襲からペースを握ったヤングコンビだが、井上京子のパワー殺法と、ジャガー横田の切れ味鋭い浴びせ蹴りの前に失速、最後は梅咲が沈んだ。

<第2試合 タッグマッチ30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル) ○阿部史典(プロレスリングBASARA)
 9分08秒 お卍固め⇒レフェリーストップ
将軍岡本(第5代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/VOODOO-MURDERS) ●佐野直(フリー)


 カシンと将軍岡本は場外で揉み合い、通路から誰も居ない階段を登ってノーピープル乱闘を展開。カシンとのコンビを愉しんだ阿部史典が、その隙に佐野直を卍葬。

<第1試合 シングルマッチ30分1本勝負>
○佐藤綾子(ワールド女子プロレス・ディアナ)
 7分13秒 フィッシャーマンズスープレックスホールド
●尾﨑妹加(フリー)


 ストロング小林さんを彷彿とさせるバックブリーカーを見せた尾崎妹加のパワーに苦しみつつも、佐藤綾子が貫禄のフィッシャーマンズスープレックスで振り切った。

◎ストロングスタイルプロレス戦士の48年前の3・19血戦との闘い
 昭和の巌流島、猪木vs.小林戦は1974年3月19日に蔵前国技館で行われた。チケットは早々に売り切れ、ポスターの裏に手書きした立ち見入場券で客を招き入れた掛け値無しの超満員札止めの興行だったという意味でも、伝説の試合だった。

 ストロングスタイルプロレスの選手は、「リアルジャパン」だった頃から厳しく、難しい試合を闘ってきた。
 それは眼前の相手との試合を通して、会場に来るプロレス者の中の初代タイガーマスクの記憶、イメージとも競い合わなくてはならないという観客論であり、また、初代タイガーマスク/佐山サトルの理想である、「プロレスを通じて闘いを表現する」という難題への解を見つけ出す哲学と向き合うことでもあった。
 リアルジャパンから、初代タイガーマスクの名を敢えて冠したストロングスタイルプロレスに変わり、コロナ禍を通してようやく2人の選手は解決を見つけた。
 佐山サトルの「初代タイガーマスクの魂」を受け継いだタイガー・クイーンも加えた3戦士は、しかしこの日は48年前の蔵前血戦とも向き合わねばならなくなった。
 『昭和の巌流島』を生涯のベストバウトに挙げる新間氏の凄さは、自身が仕掛けた「猪木vs.アリ戦」「佐山サトルの初代タイガーマスクへの変身」という偉業でプロレス界の歴史を進め、その最高試合をセピア色の古典にしてしまったところにある。

「プロレスに異分子は厳禁とされた」「関節技などもってのほかだったが、柔道、ボクシングといった技もつかっってはならないとされた」日プロ一強時代、ボクシングスタイルで拳を突き出しおちょくってきたサニー・マイヤースに激昂した力道山が鬼の形相で蹴りまくったと言われる(I・Y編集長談)インタ戦。猪木が馬場さんに挑戦を表明した時の「世界に倒す相手がいなくなったら猪木、馬場戦を実現させる」との珍答。
 そうしたプロレス界の常識がある中で行われたという背景を知った上で評価すべき『昭和の巌流島』であり、「古典」たる所以でもある。藤波vs.長州の名勝負数え歌、初代タイガーマスクと虎ハンターの死闘を経た昭和の時代には、既にそうだった。
 48年前の猪木と小林さんを連れてきて両国国技館で試合をさせたとして、あの蔵前に押し寄せた観衆と同じ興奮を味わえるとは思われない。

 リング上の闘いを以て観客を納得させるという難問を解いた3戦士に、また難しい課題が出題された。それが選手達にとっての『“怒涛の怪力”ストロング小林追悼興行―』だった。
 しかしタイガー・クイーン、間下隼人、スーパー・タイガーは、既にその難問に、観客が求める以上の解答を出してみせた。
 
 この日の為に100kgにウエートアップした間下隼人は、あの辛口の新間氏が絶賛した関本大介の巨体から繰り出される技を真っ向から受け止め、48年前の小林さんとは別の原爆固め葬をみせた。

 タイガー・クイーンは、48年前の新日プロならなら考えられもしなかった女子によるセミファイナルに登場。48年前の小林さんが東京スポーツ所属という仕掛けでリングに上がったのに対し、堂々たるフリーとして思い切り向かってきた高瀬みゆきの10の力を受け止め、振り切った。



 そしてスーパー・タイガーは、タッグマッチでのメインに堂々登場。会見に登場した真霜拳號が新型コロナ陽性で欠場した上に、代わりに参戦した佐藤光留が「ぶっ殺すぞ! 」と激昂するほどの場内実況のアンバランスという状況も重なり、難しい試合となった。



 しかし4人共にリアルファイトである総合格闘技にも通じた猛者でもあり、緩みをものともしない「闘い」をしっかりみせ、30分を走り抜けた。空中戦やロープワークがほとんどない、観る者の緊張感を30分持続させる、プロレスでの闘いという表現は、I・Y編集長が絶賛した猪木vs.ゴッチ戦、猪木・坂口組vs.テーズ・ゴッチ組を源流にし、佐山サトルが追求したストロングスタイルのプロレスの正統な継承者が誰であるかを物語っていた。

 新時代のストロングスタイルのプロレスがどんな闘いをみせ、どう進化していくか、注目していきたい。