9・20 INNOVATION新宿FACE興行「Resistance-3」宮元啓介、馬渡亮太インタビュー


 JAPAN KICKBOXING INNOVATION主催新宿FACE興行「Resistance-3」開催近づき、試合を目前に控えたメインイベント出場の宮本啓介、馬渡亮太両選手のインタビューが届いた。

<第8試合 メインイベント スーパーファイト団体対抗戦 57kg契約 3分5回戦>
宮元 啓介(橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION)
 vs.
馬渡 亮太(治政館/ジャパンキックボクシング協会)

 宮元啓介インタビュー
——前試合、今年2月24日、NO KICK NO LIFE興行で、強者揃いの「岡山ZAIMAX MUAYTHAI 55kg賞金トーナメント(2021年1月17日)」で優勝し波に乗る超新星、加藤有吾を撃破してしばらくぶりの試合となります。
 久々の試合で気持ちがアガっています! 7か月も試合間隔が空いたのは初めてなので。
——プロ生活10年を超える宮元選手でもその程度のブランクは気になりますか?
 いや、むしろ楽しみです。相手が強敵なのもありますが。
——ジャパンキックボクシング協会の看板を背負って乗り込んでくるエース格、馬渡亮太選手は、当然、只者ではないと。
 がっつりムエタイができながらオールラウンダーで当て感が凄い。攻防バランスが良く全方面でレベルが高い若手のトップランクだと思っています。
——55kgやスーパーバンタム級(55.34kg)で活躍してきたイメージが強い宮元選手ですが、今回は57kg契約。ほぼフェザー級(57.15kg)といっていいクラスです。
 僕は、INNOVATIONのフェザー級チャンピオンですから。今も55kgやスーパーバンタム級には落ちますが、57kgは自分の適性内です。
——馬渡選手の178cmという57kgにしてはかなりの高身長とロングリーチに関しては?
 これまでもそういった相手との対戦経験もありますし、体格を踏まえてあらゆる角度から対策は練れています。
——ムエタイが得意な馬渡選手は、その体躯を活かした首相撲とヒジ打ち、ヒザ蹴りも脅威です。
 昔は苦手だった組技も、今ではすっかりモノにしてそこにウィークポイントはないと思っています。ただ、向こうが盛んに組みにきたからといって同じ土俵に上がってペースを合わせる気はありません。
——確かに2016年10月9日、WPMF世界スーパーバンタム級タイトルマッチで驚異的なヒジ打ちの破壊力を誇る王者、チューチャイ・ゲ   オサムリットに、1ラウンド、首相撲ヒジ地獄に苦しめられながら空手の秘技“三日月蹴り”で逆転2ラウンドKOして世界のベルトを奪取した一戦は見事でした。
 あれはもう5年も前で、そこから僕は更に大きく成長していますから。
——プロデビューから9連勝し約2年で初戴冠した宮元選手は、少年時代からのフルコンタクト空手の下地も相まって早期に国内有数の実力者となり、その高いレベルが弛むことなくずっとここまで伸び続けている感がありますが、ご自身でもまだ成長の自覚がある?
 ありますね。今、28歳で今年29歳。アラサーもいいところですけど、心も身体も技も力もスピードも衰えはまったく感じません。
——10年近くその状態をキープされているのは驚異的なことです。
 僕は人からどんなに言われようとずっと上を見ています。トップクラスと評価していただくのは嬉しいですが、もっともっと上があると思っています。
——世界王座を含む6冠を制しながらもその心持ちですか?
 色々なベルトは巻かせていただきましたが、ずっと挑戦者だと自分を奮い立たせています。
——成長が止まない実感はどこでどのように感じられるのでしょう?。
 練習でしたことが試合で出た時、特に。
——多彩華麗な回転技を得意とすることから“THE CYCLONE”との異名を持たれていますが、今回の馬渡戦でも飛び出そうですか?
 蹴りが中心ではありますが、全般の動きに注目していただきたいです。特に技を限定はしません。パンチも含めて倒せる技がありますし、相手が馬渡選手だからこその「倒すならコレ」という秘策があります。
——秘策、興味深いです。明かす訳にいかないことは承知ですがヒントは?
 それが複数あるので定められません(笑)。首相撲ならコレ。後半戦にもつれ込んで微妙な判定になりそうな場合はコレなど、全パターンで準備しているので。
——お話を伺えば伺うほど、“ベテランの余裕”とそれでいながら“飽くなき向上心”が浮き彫りになって隙なしの雰囲気があります。
 そんな余裕ではないですよ。馬渡選手は素晴らしいホープ。挑戦者の気持ちと油断なく自分を磨くことでようやくといった感じです。特にうちには、安本晴翔や花岡竜といった恐ろしいまでに強くて巧い若手がいて彼らに引っ張られていますから。それが橋本道場の強味ですし。
——名門の秘訣ですね。
 橋本師範(橋本敏彦会長)のコンセプトが「皆で強くなる」ですから。それはプロのみならずアマチュアや子供たちも含めて。晴翔と竜の名前を挙げましたが、うちにはまだまだ強い子供が沢山います。彼らに先輩として恥ずかしくない背中を見せなくちゃいけませんし、その意地を若手に引っ張られることで強く保っていられる気がします。
——理想の練習環境とお見受けします。
 それと並んで家族の応援が僕の力です。嫁が「ここまで来たんだから最後までやりきって」とバックアップしてくれて、家に帰れば、3歳5か月になった長男が一緒に待っていてくれる。最高のパワーがもらえます。
——そんな宮元選手がこの大一番の先に見据えるものは?
 まずこの一戦に勝つ! それのみです。
——ご謙遜が過ぎるような。
 目の前の強敵を見越して先を意識する余裕なんて僕にはありません。ずっとそうやってきました。全身全霊を懸けて、9月20日、リングに上がります。
——“THE CYCLONE”に一分の隙なしですね。
 あまり深く考えすぎないようにして、良い意味で気負わないようにしていますけど、どんなに馬渡選手が凄かろうと世代交代はまだまださせません!

リングネーム:宮元 啓介
フリガナ:ミヤモト ケイスケ
キャッチコピー:THE CYCLONE
所属:橋本道場/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1992年12月16日(28歳)
出身地:埼玉県入間市
身長:168cm
戦型:オーソドックス
デビュー年月日:2010年1月31日
戦績:56戦35勝(11KO)14敗7分
ステータス:INNOVATIONフェザー級王者、元WPMF世界スーパーバンタム級王者、元WBCムエタイインターナショナルスーパーバンタム級王者、元WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者、元INNOVATIONスーパーバンタム級王者、元MA日本スーパーバンタム級王者、2010年MA日本バンタム級新人王、2009年K-1甲子園関東地区Bブロック優勝
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100008418196661
Twitter:https://twitter.com/kick_keikumn
Instagram:https://www.instagram.com/k.m.1216/

 馬渡亮太インタビュー
——今回、9月20日興行のメインイベントは、JAPAN KICKBOXING INNOVATION(以降、INNOVATION)のエース格、“THE CYCLONE”宮元啓介選手を相手にジャパンキックボクシング協会の看板ファイター、馬渡亮太選手が乗り込んで正面衝突する団体対抗戦となりました。
 ワクワクします!
——団体の看板を背負ったプレッシャーなどありつつ?
 自分がジャパンキックのエースだと言っていただくこともあり、それだけに余計頑張ろうと奮起の力にはなりますが、それ以上に子供の頃から強いチャンピオンとして試合を見ていたあの宮元選手と戦えることがワクワクの源です。
——28歳にしてプロ生活10年以上、56戦ものキャリアを持つ6冠王、宮元選手は、かなり早い段階で日本キックボクシング界のトップ グループに昇り、フルコンタクト空手のバックボーンを活かした派手な回転系の技も華やかなスターファイターですが、それを子供時代からご覧になられていた?
 中学生くらいから「凄い選手だな」と見させていただいていました。
——そんなビッグマッチではありますが、今度の試合約1ヵ月前(8月22日)、これもNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)の代表格、一航選手との団体対抗戦(※1)で大接戦のマジョリティデシジョン(判定0-2)で負けてしまい、そこから短期間でのまた大一番、そうとうハードな連戦です。
 宮元戦のお話は一航戦の前にいただきましたが、即断で「やらせてください!」とお願いしました。勝敗に関わらず試合で怪我をしてしまって欠場したら大変な迷惑をかけてしまうことになるので、その点、不安はありましたが、それよりも試合への熱が上回って、結果、身体に問題はないので、全力で宮元選手に挑みます。
——そんな若々しい熱意に満ちた馬渡選手のここまでの来歴を聞かせてください。キックボクシングとの出会いは?
 小1になって、自宅から1分の近所にあった治政館越谷道場(現在閉館)です。
——それ以前に空手やボクシングなど類似競技の経験は?
 それが初めての習い事でした。
——きっかけは?
 親父がPRIDEとか好きで一緒になってテレビを見ていたので、「近くにジムがあるからやってみようか」といった軽い気持ちです。イジメられて強くなりたいとか、暴れん坊で手が付けられなかったからみたいなこともない友達と遊ぶのが好きな普通の子でしたので。
——そうやって始めたキックボクシング、当時、いかがでしたか?
 ジュニアクラスが週二回あってそこへの参加からでしたが、キックもパンチも楽しくてずっとワクワクしていました。
——アマ戦績が56戦50勝4敗2分と試合数も勝率もかなりのもので、国際ジュニアタイトル(※2)の4階級制覇をはじめ輝かしい履歴が輝いておりますが、試合はいつから出られたのでしょう?
 小2の時、国際ジュニアの第1回大会が開催されて、そこからです。
——参戦当初から良い戦績でしたか?
 いえ、勝ったり負けたりで。それがもっと本格的な練習を求めて小4で三郷市の治政館本部道場に移籍して、今も教えていただいているセンデット・サシプラパー先生などに熱心にコーチされるようになってからほとんど負けなくなりました。
——治政館というと日本拳法出身の名王者、長江国政館長が創設されて、“超合筋”武田幸三をはじめ無数のチャンピオンを輩出し続けている名門ですが、ムエタイよりもキックボクシングのイメージがあります。そんな中、不思議と馬渡選手はムエタイ色が強いように見受けられるのは、小学生時代からタイ人トレーナーに師事されていることもあるのでしょうか?
 そうですね。小6で初渡タイして以来、タイにはよく練習と試合をしに行ったりもしていました。
——小学生でタイ修行とはかなりの本格派ですが、それは練習ツアーに?
 首都のバンコクではなく、センデット先生の田舎、東北部のローイエット県で試合をしました。
——小6で本場ムエタイデビュー?
 ヒジ打ちこそありませんでしたが、ワイクルーも踊りましたよ。
——結果は?
 1ラウンド、ヒザ蹴りでKO勝ちです。一緒に来てくれた親父や友達が喜んでくれて嬉しかったです。
——現在、ムエタイ系のタイトルも2冠獲得(WMO、チェンマイスタジアム)しましたし、治政館伝統のムエタイキラーの血が流れている具合でしょうか?
 けど、昨年3月にタイの3チャンネル(テレビ局主催興行)でやった相手には、ボコボコにされて負けました。僕はスーパーバンタム級やフェザー級の中では高身長(178cm)な方ですし、自分よりリーチの長い相手と試合をしたことがなかったのですが、その時は体格でも上回れて、蹴りはカット(脛によるガード)しても痛いし、キックなら誰にも負けない自信があったのにそこも上をいかれて、しまいにはヒジでダウンを奪われてしまって……。
——余程有名な強豪選手だったのでは?
 それが無名で調べてもわからないんです。センデット先生によるとコロナの影響か、もう試合をしていないようです。
——ムエタイ底なし沼を物語るエピソードです。それでありながらも指標はやはりムエタイ一本?
 はい、まずはラジャダムナンかルンピニーのスタジアム認定王者になります。その上で大きな舞台や派手なイベントにだってどんどん出ていきたいですし、有名な選手と戦いたい。
——するとRISEやRIZINの那須川天心選手やK-1の武尊選手が思い浮かびます。
 ですが、ヒジ打ちなしはやりません。それだけは絶対条件です。ムエタイやヒジありの正統派キックボクシングを極めた後のチャレンジであればいいかもしれませんが、まず決めた目標を目指す途中で横道にそれて遠回りすることはしません。RIZINで吉成名高選手がヒジありルールで出場していましたが、ああいう形なら是非です。
——そこまではっきりと言い切られると気持ちが良いほどです。馬渡選手に数年先駆けてアマで大活躍していた那須川選手は、中学卒業と同時にすぐにプロ入りしましたが、やはり同様に高校入学即プロデビューでしたか?
 いえ、自分はその頃、ヒョロヒョロで身体が弱く、政人さん(治政館会長代行、長江政人)の方針で1年様子を見てからのプロデビューでした。
——そこから前述の紆余曲折がありながらも“打倒ムエタイ”を含むキックボクシングの王道を邁進されているイメージです。
 キックを始めたばかりの子供の頃、アマの試合を重ねた少年時代、高校生でプロのリングに上がっていた時、ずっと変わらないドキドキが今も止まりません。プロ選手として最近取り組み始めたフィジカルトレーニングの強化も効果を実感しますし、つい先日の一航戦でも色々気づくところがあって、1か月足らずで大きくレベルアップできた自信もあります。
——宮元戦は、まさにメインに相応しい試合となりそうですね。
 ムエタイ×空手といったバックボーンも見えやすいし、噛み合わせも良いと思うので相当面白い試合になるでしょう。ズバリ秘策があります。今、心も身体もワクワクしています。お楽しみに!
※1 一航選手との団体対抗戦 2021年8月22日、ジャパンキックボクシング協会主催の後楽園ホール興行でWBCムエタイ日本バンタム級王座など2冠王、新興ムエタイジム所属の一航と馬渡の一戦は白熱の接戦となり、ポイントリードと思われた馬渡が3ラウンドに右フックでダウンを奪われ判定拮抗の好勝負となった。
※2 国際ジュニアタイトル NPO法人国際キックボクシング文化振興協会が運営する国際ジュニアキックボクシング大会内の公式戦で認定されるアマチュアチャンピオンシップ。2008年6月29日に「第1回国際ジュニアキックボクシングチャンピオン決定戦」が開催され、志朗、山浦俊一、竹内将生、伊藤紗弥といった現在も活躍する王者たちが初代チャンピオンとなっている。馬渡は、この王座を34kg級、37kg級、40kg級、50kg級の4階級を制覇した。

リングネーム:馬渡 亮太
フリガナ:マワタリ リョウタ
所属:治政館/ジャパンキックボクシング協会
生年月日:2000年1月19日(21歳)
出身地:埼玉県越谷市
身長:178cm
戦型:オーソドックス
戦績:29戦20勝(11KO)7敗2分
ステータス:WMOインターナショナルスーパーバンタム級王者、元ジャパンキックボクシング協会バンタム級王者、元泰国チェンマイスタジアム認定バンタム級王者
Twitter:https://twitter.com/mawakick
Instagram:https://www.instagram.com/mawakick/
Facebook:https://www.facebook.com/ryota.mawatari/

■ Resistance-3
日時:2021年9月20日(月祝) 16:00開場 16:30開始予定
会場:新宿FACE(東京都新宿区歌舞伎町1-20-1ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7F)
主催:JAPAN KICKBOXING INNOVATION
チケット前売り:RS席 12,000円 S席 8,000円 A席 6,000円 自由席 5,000円 ※当日券は500円UP
チケット販売所:チケットぴあ、参加各ジム、各選手
お問合せ(INNOVATION興行本部):TEL 043-247- 0112
公式サイト:http://kick-innovation.com/
注意:新型コロナウィルス感染防止の必要から入場者はマスク着用を絶対とし、マスクをされていない方は会場に入ることができませんのでご注意ください。