悪童バダ・ハリが逆転KO負け!Glory 78

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 9月4日(現地時間)にオランダ王国ロッテルダムで「Glory 78: Rotterdam」が開催された。
グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、入れ替わるように新たにキックボクシングの世界的メジャー団体として活動している。
 今大会のメインはあの悪童バダ・ハリの復帰戦だ。私生活のトラブルで選手としては長期活動出来なかったなどあったものの、近年はキックボクサーとして復活。現グローリーヘビー級王者であるリコ・ベホーベンからはダウンを奪い試合を有利に進めたものの足を負傷して敗れるなど不運なアクシデントもあったが、絶対王者からダウンを奪うなどまだまだ選手として衰えていない事を証明している。今回、バダ・ハリは二メートルという長身のアーカディウス・ウルソーセックと対戦。バダ・ハリは積極的に前に出てパンチ、キックを繰り出してウルソーセックをロープ際に追い込みパンチラッシュでダウンを奪った。続いてすぐにまたダウンを奪い、1Rはバダ・ハリが圧倒。更に2Rもバダ・ハリがラッシュでダウンを奪い圧勝と思われたところ、再びラッシュで押されたウルソーセックがカウンターで左ハイキックを放つとバダ・ハリの頭に命中。バダ・ハリは大の字にダウンしてそのまま立ち上がれず、ウルソーセックが逆転KO勝利となった。バダ・ハリは復帰後、圧倒的に試合を有利に進めながら逆転負けする内容が続いている。
 セミファイナルではライトヘビー級王座戦が組まれ、王者アレックス・ペレイラがアルテム・ヴァヒトフの挑戦を受けた。ペレイラは10連勝中の絶対王者だが、MMAにも挑戦しており、なんとUFCと契約。今後はUFCでMMAにしばらく専念する事となり、今回が一応、グローリーでのラストマッチとなっている。この両者は前戦でも試合をしており、その時は僅差で王者が勝利。そして今回の試合では、ヴァヒトフが前に出てペレイラを追い込む場面も見られた。もちろん、ペレイラも応戦するが、試合はそのまま判定までもつれ込み僅差で挑戦者ヴァヒトフが判定勝ちで王座移動となった。ペレイラは有終の美を飾れなかったが、長期間王者として君臨した実績もあり拍手で送り出された。

■ Glory 78: Rotterdam
日程:2021年9月4日(現地時間)
会場:オランダ王国ロッテルダム

<ヘビー級>
○アーカディウス・ウルソーセック(ポーランド)
 2R 1分30秒 KO
●バダ・ハリ(オランダ)

<ライトヘビー級王座タイトルマッチ>
○アルテム・ヴァヒトフ(ロシア/挑戦者)
 判定
●アレックス・ペレイラ(ブラジル/王者)

<ヘビー級>
○アントニオ・プラジバット(クロアチア)
 2R 2分14秒 KO
●タリク・クバベズ(モロッコ)

<ヘビー級>
○リーバイ・リグターズ(オランダ)
 3R 1分02秒 KO
●トーマス・モズニー(スロバキア)

<ライトヘビー級>
○ルイス・タバレス(オランダ)
 判定
●フェリペ・ミケレッティ(ブラジル)

<ヘビー級>
○ノルディン・マヒディン(フランス)
 判定
●ラウル・カティナス(ルーマニア)