[ファイトクラブ]SWA王座戦を中心に全試合完全網羅と肝!スターダム7・10大阪大会

[週刊ファイト7月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼SWA王座戦を中心に全試合完全網羅と肝!スターダム7・10大阪大会
 photo & text by 西尾智幸
・3か月半ぶりに大阪にスターダムが帰ってきた
・消極的な鹿島沙希「明日も試合なんだよー」
・2試合目から、フル稼働の中野たむvs.小波
・暗闇の虎と化したスターライト・キッドが元相棒岩谷麻優と激突
・再び、心が揺れるキッド~7・17高田馬場で決着か?
・コマ不足のDDMにレディ・Cが一時参加~ジュリアにサングラス貰う
・レディ・Cは日本の女子選手歴代でもマッハ文朱らに続く高身長
・挑戦・受諾から最短6日で実現の朱里vs.ウナギ・サヤカのSWA戦
・ウナギは朱里の牙城は崩せずもカブキ7番勝負以降は確実”うなぎ登り”
・壮絶KO負け絵図もレフェリー動作:観客にそれがイマイチ届かず残念!
・最近、欠場者が多すぎ!対策も必要!
・リング上の選手-カメラマン-観客の三角関係とは?
・ガンバレ!ウナギ・サヤカ貴重写真満載


 さて、もうすぐ東京五輪が始まろうという2021年夏、東京は4度目の緊急事態宣言が出され、大阪も引き続き、まん延防止等重点措置がとられている。ここのところ、スターダムの大阪興行は、毎月のように行われていたが、3月28日の昼夜興行以降、4月から6月までの間の4大会、全てコロナで中止となっており、今回は5度目の正直で約3か月半ぶりの開催となった。
 また、コロナとは別に、この週は豪雨による被害も各地で出ており、週前半の天気予報で10日は大雨予報。道路の冠水や交通機関の乱れなど心配だったが、当日はなんとか曇りにとどまった。
 会場では新グッズが出た事もあり、売り場も列を成すほどの人気だった。
欠場選手が多い中、出場する選手はいつもより少な目となったが、目まぐるしい6人タッグだらけよりは、ファンも応援する選手の試合を、じっくりと楽しめるのではないか。そして12時30分、試合が開始された。

■ スターダム CINDERELLA SUMMER TOUR 2021 in OSAKA
日時:7月10日(土)12:30
会場:エディオンアリーナ大阪第2競技場 観衆331人
(満員/コロナ対策限定人数/主催者発表)

<第1試合/3WAYバトル>
○AZM
 7分20秒 あずみ寿司
●鹿島沙希
※もう1人は白川未奈


 オープニングは、3WAYマッチ。開始と同時に、白川、AZMに握手を求める鹿島。しかし、2が近づくと、さっとかわし場外へエスケープ。リング上から突っ込まれると、「明日も試合あるんだよー!」と理不尽な答え。仕方なく、白川とAZMで闘いを始める。
 鹿島は、試合には消極的で、オイシイところで割り込んできて、フォールを取ろうとするが、そう簡単にはいかず、最後はAZMに丸め込まれて終了した。
 

<第2試合>
△中野たむ
15分00秒 時間切れ引き分け
△小波


 結果として時間切れとなったわりには、序盤から飛ばし、お互い走り抜いた熱い闘いになった。
 小波がたむにサッカーボールキックを見舞うと、やり返してこいよ! とばかりに自ら座り込んで蹴りを誘う。お互い意地の張り合いで、座り込んでは蹴りを受ける。その後も、打撃、投げともにお互い強烈で、タイトルマッチ並みの応酬となり、鹿島の介入はあったものの、試合のトーンを下げるほどでもなく、あっという間の15分フルタイムとなった。
 メインでも通用するくらいの好勝負であったが、暫くお互いに動けない状態であり、その代償は大きなものであったが、プロ意識を感じた一戦でもあった。

黒くなったスターライト・キッドが元相棒岩谷麻優との激突に何思う

<第3試合>
岩谷麻優
○コグマ
 13分31秒 琉悪夏が鉄パイプ使用⇒反則
●琉悪夏
スターライト・キッド

 6・19大田区で大江戸隊強制加入を強いられ、その後の気持ちがもやもや続きだったスターライト・キッドだったが、7・4横浜で衣装も“暗闇の虎”と化し、完全大江戸隊宣言。そのあとの7・6後楽園で小波が、岩谷1人対大江戸隊5人の闘いに勝てばキッドを返してあげてもいいと、無茶ぶり発言。躊躇する岩谷に、コグマが背中を押し受諾。その試合を1週間後に控えたこの日。
 岩谷にすれば、少し前までは2人とも、“STARS”の筈だった大江戸隊との闘いとなった。

 試合前、キッドに握手を求める岩谷だが、キッドは視線をそらしコーナーに控える。岩谷の表情が序盤から厳しい。コグマの復帰により、キッドを失った岩谷には心強いパートナー。連携も素晴らしい。コグマがキッドへのジャイアントスイング中に、岩谷が顔面を蹴るという荒業や合体ボディプレスなど綺麗に決まる。キッドと岩谷はお互いの得意技、その場飛びムーンサルトを出し合ったり、キッドは感情剥き出しの打撃戦でエルボーに行く時、「マユ!」と呼び捨てにしたり、完全に吹っ切れたているように見えた。

 残り2分となり、時間切れかと思いきや、突然琉悪夏が暴走。青いボックスでコグマを殴打しようとするが、これは岩谷が阻止。すると今度は鉄パイプでコグマを殴打、そして首を締めつけ反則負けとなった。
 試合後も暴走が止まらない琉悪夏を制止したのは、なんとキッドであった。そして、岩谷と目が合い、岩谷はキッドの腕を引っ張ると少し振り返るが無言で去っていった。キッドはtwitterで、再び揺らいでいる気持ちを吐露している。

このストーリーは、7・17高田馬場で感動のフィナーレを迎えるのか! はたまたユニット抗争が更に長期化するのか? 当日が待ち遠しい。

<第4試合>
林下詩美
渡辺桃
○上谷沙弥
 15分39秒 スタークラッシャー⇒片エビ固め
●レディ・C
舞華
ジュリア


QQ vs. DDMの6人タッグ。ひめか、なつぽいが欠場中であり、DDMには新人で無所属のレディ・Cが加わった。
6人入り乱れての目まぐるしい技の攻防で、詩美と舞華のパワー対決、DDM3人がかりのヒップドロップ、桃の相変わらずの強烈な串刺しドロップキック、上谷とレディの長身対決は見栄えする。そんな中で、最後は上谷がスタークラッシャーでレディから3カウントを取った。

今回思ったのは、少しずつ上の試合にも出場するようになり、経験値も上がってきたレディ。まだデビュー8ヶ月とは言え、現役女子プロレスラーの中で、一番の高さ(177cm)を誇る。
過去の日本の選手を振り返っても180cmに、マッハ文朱、ジャンボ堀らがいたが、それに次ぐくらいの高さだと考えると、昭和より選手の平均身長が下がっている今、貴重な存在である。
今は新人扱いゆえ、得意技もビッグブーツ、河津落とし、チョークスラム程度に限られているし、表現力も個性もこれからという感じはするが、身長はいくら努力してもどうにもならない物。
スターダムでは、年功序列の環境でないと思うので、詩美や上谷のように、高速出世し、ぜひ恵まれた身体を生かし、名前を残して欲しいと思った。

ウナギが挑戦表明から6日で実現したSWA戦だが朱里の牙城崩せず

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