[ファイトクラブ]一本が出ないQUINTETを救った森戸新士とは何者だ?

[週刊ファイト7月22日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼一本が出ないQUINTETを救った森戸新士とは何者だ?
 photo & text by 神宮寺しし丸
・森戸新士とは何者だ?
・中村大介に掟破りの‟逆”腕十字
・好カード連発も・・・
・今成正和‟ヒール禁止”で厳しい戦い
・ベストマッチとなった竿本樹生vs.中村大介
・‟一本祭り”のQUINTETで起きた‟引き分け祭り”
・救世主となった森戸新士
・エキシでガリットチュウvs.桜庭親子

■ 『QUINTET FIGHT NIGHT 7 in TOKYO』
日時:2021年7月13日(火)
会場:東京・後楽園ホール 観衆607人(満員札止め=主催者発表)

 毎大会ハズレなし興行でお馴染みの『QUINTET(クインテット)』。それはフィニッシュすることを求める超アグレッシブなルールとチーム勝ち抜き戦という対戦形式から体重差、実力差、疲労差のある試合が生まれ、一本が出まくるところから来ている。しかし今大会は・・・一本祭りから一転、引き分け祭りとなってしまう。そんな危機的状況を救ったのは、一回戦で2人抜き、決勝では腕十字を得意とする中村大介に掟破りの‟逆”腕十字で一本勝ちして魅せた森戸新士だ。

 森戸新士とは何者だ?

<QUINTET公式プロフィール>
森戸 新士
Shinji Morito
国籍 日本
生年月日 1991年12月15日
身長・体重 179cm/75kg
所属 藤田柔術
バックボーン 柔術
主なタイトル IBJJFアジア選手権黒帯ライト級2位(2018)
2019年JBJJFランキング1位(黒帯)

 森戸は広島の「藤田柔術」所属。今年29歳。高校2年からカナダに留学し、大学はバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学を卒業。留学中にテコンドー、キックボクシング、MMAを始める。MMAで試合にも出場。カナダで2試合、日本では2012年「GLADIATOR 38」でイジリー岩田と対戦し1ラウンドでTKO勝ちしている。格闘技を始めた当初はストライカーだったが、徐々に寝技の魅力に引き込まれ本格的に柔術を始め、2019年には「JBJJF全日本オープン」で黒帯ライト級&無差別級を制覇している。

 ZSTでは日本最強グラップラーで朝倉未来の寝技コーチを担当する岩本健汰とタッグマッチで対戦(結果は引き分け)している。

 カナダ留学後には広島で新聞記者として3年間働いていたという経歴を持つ。そんな森戸の‟インテリ柔術”がQUINTETで爆発した。

 中村大介に掟破りの‟逆”腕十字

 今大会はチームの合計体重が360kg以内の軽量級トーナメントが行われ、大会プロデューサーでもある桜庭和志が選抜した「TEAM THE BODY RIDE」、小見川道大率いる「TEAM WOLF」、宮田和幸率いる「TEAM BRAVE GYM」、柔術の「TEAM TRI-FORCE」の4チームが優勝を争った。

 森戸はTEAM TRI-FORCEとのトーナメント一回戦の中堅戦で初戦を迎えた。先鋒、次鋒と引き分けとなる中、森戸は石毛大蔵から三角絞めで一本を奪う。

 続いての相手は副将の中島康輔。森戸はバックを奪うと四の字ロックからチョークを狙う。耐える中島だったが、森戸はそのまま絞め落として一本。

 そして大将の鈴木和宏。TEAM TRI-FORCEはここで引き分けでもトーナメント敗退が決まる。森戸は足関を主体に一本を狙う鈴木をいなし引き分けに。副将ボグダノフ、大将小見川を温存する形でTEAM WOLFが決勝進出を決めた。

 決勝戦。先鋒から副将まですべて時間切れ引き分け。それどころか、一本決着は一回戦で森戸が挙げた2本のみ。一本至上主義のQUINTETにとって由々しき事態。そんな中、大将として登場した森戸。相手は腕十字を得意とする中村大介。MMAでも果敢に一本を狙う中村は、開始早々飛びつき腕十字を狙う。森戸はこれをかわして上になると、サイドからマウントへ。そしてそこから逆に腕十字を狙う。これが決まり一本。中村から掟破りの‟逆”腕十字を決めてみせ、TEAM WOLFを優勝へ導いた。


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