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■ AEW Dynamite FYTER FEST 1
日時:7月14日(現地時間)
会場:米テキサス州シーダーパーク H-E-Bセンター
子供が生まれたことで約1ヶ月ぶりの試合になるジョン・モクスリーが、例によって客席から出てきて、もはや恒例になっている第1試合での新日本プロレス認定IWGP US王座の防衛戦をfrom Tokyo Japanのカール・アンダーソン相手にやると。但し、これまでと大きく違うのはギッチリ超満員札止めとなった大会場での密、密、密の大観衆である。壮観な光景としか評しようがない。
場外ではエディ・キングストンとドグ・ギャローズのやり合いもあったが、最後はMOXのラリアット⇒パラダイム・シフト(デスライダー)で王座防衛に。次週は東京ドーム大会から因縁のランス・アーチャーと防衛戦。但し、ランスの出身地テキサスの会場でテキサス・デスマッチ形式というのがミソになる。
ケガでタズ軍団の仲間割れで舌戦だけの出番だったリッキー・スタークスがリング復帰。実況席もAEW公認王座じゃないとは強調するんだが、ブライアン・ケイジのFTW王座が賭けられたカードがようやく実現する。
とはいってもベルトは移動するんです(笑)。パワーハウス・ホッブスの介入があり、スタークスのスピアーが決まるのだった。
コディ・ローズvs.マラカイ・ブラック、大変に楽しみなのである。
大観衆のお客さんが”カーボーイ・シット”の大合唱をしてる光景って凄くないですか? お客さんが次回PPV大会のケニー・オメガの王座に挑戦するのは誰が相応しいかを決めるんです。ハングマン・ペイジ、非常に受けてます。素晴らしい。
とりあえずはエリート軍とダークオーダー軍の5対5、エリミネーションマッチからとなりました。大変よくできた対峙セグメントになっている。お客さんの後押しも大きい。
職人クリスチャン・ケイジは、やられて、やられて、やられての挙句、最後にやや唐突にキルスイッチを決めてマット・ハーディを仕留める試合構成にしていた。
もはやDr. ブリット・ベイカーD.M.D.はヒールではなく、お客さんの後押しでベビーフェイス化している。これまたパンデミック開けの象徴かも知れない。
手術自体は成功だったそうだがトレントの長期欠場を受けてベスト・フレンズの入場曲でオレンジ・キャシディと出てきたのがウィーラー・ユウタ。なかなか出来る選手である。これまたベビーフェイス化しているサミー・ゲバラにGTHを決められるのだが、勝敗はどうでもいいことだ。
そして坂崎ユカである。AEW首脳陣の高評価での久しぶりの遠征だけではない。ペネロペ・フォードとの堂々たる試合運びはどうだろう。そしてお客さんがユカに感情移入して大声援を送っているのである。日本の女子プロ界での序列はここでは通用しないのだ。会場のお客さんが、そしてテレビを見ている100万人を超える全米の視聴者が魔法少女を認めたのである。
画期的な瞬間を確かに見届けた。今回のハイライトは確かに坂崎ユカだったのだ。必見カードで間違いない。
番組トリがダービー・アレンvs.イーサン・ペイジの棺桶マッチである。WWEの巡業チケット前売り苦戦に対して、大会場をSold outにしてみせたAEWが、この若い二人のカードをメインにしたことがすべての回答だった。そして従来の大男たちの棺桶マッチとはまったく違う、非常に斬新にして危険極まりない、ダービー君、大ケガするんじゃないかという超絶スタントでのスピード戦が幕を開けた。
ハチャメチャなんでモンじゃない。スティングとかも出ては来るんだが、大会場に映える立体殺法がお客さんを興奮のクライマックスに誘う。
スケートボードごとコーナー・トップから飛んだダービーが、ペイジを棺桶に落とす。蓋を締めたら勝ちなのはWWEも一緒。しかし、そこでは終わらなかったのだ。さらにダメ押しで、文字通りのコフィン・ドロップで蓋の上に捨て身の後ろ向きダイブをやったのである。インチキで中に入ってるペイジが実はリング下に逃げていたとかのマジックショーではない。まともに蓋ごとのインパクトをペイジは受けていた。ダービー君ともども無事を祈るしかない。それにしても新しいものを魅せてくれたダイナマイトだった。
平均視聴者数は2時間目にNBAファイナル第4戦が裏番組にもかかわらず、前週比約15万人増(+17.7%)の1,025,000を記録して2ヶ月ぶりに100万の大台乗せに。18-49歳のデモグラフィック平均視聴率は0.40%を記録している。やはり、画面を見ていてギッシリの大観衆が見えるというのは熱気が伝わるもの。釣られてチャンネル変えないままだったことになろう。