UFC 263:アデサニヤが王座防衛、ヴェットーリの「まったく驚異を感じなかった」

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 日本時間6月13日(日)、アメリカ・アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナを舞台にUFC 263が開催され、メインイベントでミドル級王座をかけてイズラエル・アデサニヤとマービン・ヴェットーリが対戦した。ヴェットーリは積極的に攻める姿勢を貫いてフルラウンドに持ち込んだが、アデサニヤが王者の貫禄を見せつけ、ユナニマス判定での勝利を挙げている。セミメインイベントでフライ級王者のデイブソン・フィゲイレードと挑戦者ブランドン・モレノが対戦した。昨年末のドロー判定からのダイレクトリマッチは、開始直後から素早い動きを見せたモレノが第3ラウンドにリアネイキドチョークを成功させて決着。念願のチャンピオンベルトを手に入れた。

■ UFC 263:アデサニヤ vs. ヴェットーリ
日時:現地時間2021年6月12日(土)、日本時間13日(日)
会場:アメリカ・アリゾナ州グレンデール/ヒラ・リバー・アリーナ

【メインイベント】
<ミドル級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○イズラエル・アデサニヤ
 判定3-0(50-45、50-45、50-45)
●マービン・ヴェットーリ

イズラエル・アデサニヤ
「クルーズコントロールしていた。コーチに“退屈するんじゃない!”と怒られたこともあったから、“ああそうだ、そのとおり、集中しないと”と思ってね。ラウンドの数さえもわからないけど、集中しないといけないと思うときがあって、でも、楽しかったよ。脅威は全然なかった。背中を取られたときでさえ、まったく驚異を感じなかった。ほんの少しも、だ。逆転した場面があったんだけど、相手のガードの中でまわって、チョークを仕掛けた。あのセクシーなチョークで、相手の目を見てこう言ったんだ。“怖いんだろ?”ってね。あいつの目を見たら分かったんだ。神に誓って、あの表情は絶対に忘れない。絶対にね。彼の目を見たら、魂が体から離れていくようだったから、“怖いんだな”と言ってやった。とても満足いくものだったよ。それで、“今ここで俺が勝ったと言ってもいいんだぞ”と言ったら、“絶対にない。俺が勝った”と言いやがる。アホなのか? まあ夜の眠りに役立つならなんだっていいさって感じだったけどね。顔にパンチを浴びせて、足への蹴りも入れて、明日にはあいつは足を引きずることになるだろうけど、俺は平気さ。でも、もっと顔を殴ってやればよかった。向こうのボクシングが上達していたから、彼と彼のコーチががんばった結果だ。相手がうまく対応していたから、こっちはやりたいように試せなかった。だから最悪だと思ったんだ。映像を見て、“いいじゃん。今回の試合はすごくいい感じだ”と思ったんだけど、同時にもっとやりたいと思った。まあでも、5-0で勝ったんだから、グラッツィエ(イタリア語でありがとう)だな。ベラの言葉通りだ」
【セミメインイベント】
<フライ級タイトルマッチ 5分5ラウンド>
○ブランドン・モレノ
 3ラウンド(2分26秒)サブミッション(リアネイキドチョーク)
●デイブソン・フィゲイレード

ブランドン・モレノ
「信じられない。本当に夢のよう。このベルトを取るために必死にがんばってきた。プロとして10年、毎日トレーニングするようになってからは15年だ。すごく特別な瞬間だよ。俺だけじゃなく、周りのみんな、国のみんな、家族、チーム・・・全員にとって特別。デイブソンのことはとても尊敬している。もちろん、彼は今回の試合をスペシャルにしようと、みんなに注目してもらおうとして、記者会見では俺をプッシュしてきたりもしたけど、でも正直、プッシュされたときに自分がこの試合には勝つと思っていた。あそこで試合を制したんだ。自信はとてもあったし、彼は別人みたいだった。俺の目を見ようとせず、サングラスをかけてまるで別人だった。試合が始まったとき、かなりハードに攻めていったし、かなりのハイペースでいった。それが最初のゲームプランで、それだけだった。もちろん、彼はいいヤツだし、本当にいい人。家族もいるし、奥さんもいる。俺と同じようにね。彼に恨みはないし、試合後はとても礼儀正しくしてくれた。俺にしてみれば、スポーツとはそういうもの。最初は素早く首を取りにいったんだけど、ものすごくうまく防御された。彼に手を取られたけど、トライアングルは崩さずにきっちり絞めていけたし、あの瞬間は必死にがまんして、そこからは自分の手との勝負。アゴの下に手を入れて首をとっておしまいさ。アリーナ中に観客がいて、こんなにたくさんの人がいて・・・。メキシコの人もたくさんいたし、アリゾナのフェニックスにはラテン系の人が多い。ここでは前にも試合したことがあって、UFCに来る前だけどね。だから、アリゾナの人たちは俺のことを知っていてくれるし、当然、心の中でアリゾナは特別な場所だ。最高の旅路だったよ。妻にとってもそうだと思う。かなり若いときからの付き合いで、その頃に始めたことだから。彼女に出会ったとき、俺には何もなかった。それでも一緒にいてくれて、ともに成長し、一緒にこの旅路を歩いてきてくれた。みんなにとって本当に特別なものになるだろう。来週、両親と一緒にティファナに行くんだけど、ぜひ見てみたい。ジムには大きなテレビがあって、150人が試合を見てお祝いしている動画があるんだけど、とんでもなくすごい。明日には何があるか分からないし、来月にどうなるか分からないから、この瞬間を楽しんでいたい。今この時を心から楽しんでいる。今回のファイトキャンプはとても長かった。技術的だけじゃなく、メンタル的にもしっかり準備したかったからね。6カ月だ。やばいだろ。メンタルヘルスがかかっているから、休息も必要だ。少しだけ休まないといけないけど、年内にもう一度試合がしたい。今はとても幸せだ」

【メインカード】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○レオン・エドワーズ
 判定3-0(49-46、49-46、49-46)
●ネイト・ディアス

レオン・エドワーズ
「最後の1分は本当にヒヤッとしたね。試合の大半を制覇しながら最後の最後でやられた意味ないからな。みんなも分かったと思うけど、ネイトがここまで長くこの業界で活躍してきたのには理由がある、まさにレジェンドだ。俺がプロとしてデビューした時にネイトはすでにUFCでヘッドラインを飾っていた。ネイトが暴言とかで俺のことをイラつかせようとしていたのは分かったし、自分が挑発に乗ってはいけないこともコーチ陣から言われ続けていた。もちろんネイトことは尊敬しているし、これからも変わらず彼の戦いを続けてほしい。自分としてはもう少し打撃の量を増やしてもよかったかもしれない。いまだに最終ラウンドで一発を食らってしまったのが悔しい。この勝利で俺がタイトル戦にふさわしいことを証明できたと思う。これで9戦連続勝利なのに加え、俺みたいに試合を受けている選手は他にいない。次はタイトル戦だろう」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○ベラル・ムハマッド
 判定3-0(27-30、28-29、28-29)
●デミアン・マイア

ベラル・ムハマッド
「タフな試合だった。デミアン・マイアと戦うことを考えれば常に思うことだけど、どういう展開になるかなと思いきや、突然に第1ラウンドでダウンを取られて、“うわ、これは予想外”と思うような、そういう試合。あの場面では我慢して、賢くいかないといけない。このためにトレーニングしてきたし、これまでもこういう悪い状況に陥ったことはある。脱出できると思っているから、立ち上がってからはゲームプランに戻って、とにかくスマートに、スマートに行こうと思った。今回の試合はものすごくガマンが必要だった。落ち着きをなくしてしまうと、相手にタップを待たせることになるから。最大のポイントは相手にロックを許さないこと。手を出させないというのはキャンプを通して取り組んできたことなんだ。彼はシングルレッグ、ダブルレッグ、ボディロックと次々に仕掛けてくる。でも、無理に逃げようとすると背中に飛び乗ってくる。今回はとにかく、“マジか、デミアン・マイアと戦うんだな”という気持ちが強かった。ずっと見てきたレジェンドだし、これを乗り越えていかないといけない。座って話しているときもそうだけど、実際に一緒にケージに入ると、“ああ、俺はデミアン・マイアと戦っているんだな”と実感する。子供の頃からファンだったし、アンデウソン・シウバとの試合を見たり、2回のタイトル挑戦を見たり、彼の試合を見られたことは光栄ないこと。しかも、そういう彼と一緒にケージで時間を過ごせるなんて名誉なことだよ」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ポール・クレイグ
 1ラウンド(1分59秒)TKO
●ジャマール・ヒル

ポール・クレイグ
「俺の仕事はフィニッシュすること。柔術家を相手に、タップかナップかスナップか、今日はスナップだったけどな。それを確認するのはレフェリーのしごと。レフェリーは経験豊富だし、そんなことは分かっている。ジャマールはものすごくタフな相手でもあるし、最後に自分の運命を決めるのは彼自身だ。タップするかどうかは自分で決められるし、十分に決まっているかどうかも分かる。でも、彼はそういうタイプの人なんだろう。とにかくタフだし、鉄でできているみたいだし、とても強くなって戻ってくると思う。半年だからね。3カ月前に実現していたはずが、ここにくるまで半年かかった。でも、最終的にはやり遂げられた。試合前に俺たちの間に流れていた悪い血は最後に手を上げられた時点で終わり。彼のことはとても尊敬している。向こうは自分の柔術が俺のレベルに達していると言っていたけど、そうだとしても、こういう状況だと俺の腕はさらに上がるんだ。サブミッションゲームを見てもらえれば分かるように、俺は超危険なやつだからな。みんなが一本に賭けてくれていたのに、サブミッションで決まったことにならなくて申し訳ない。ブーイングにあおられたけど、最後は歓声が上がったし、とても喜んでもらえた。それがファイトビジネスというものさ。最初にどちらか選ぶけど、終わるときにはすべてを変えられる。時間はたっぷりあるから、柔術の腕試しがしたいヤツがいれば戦うけど、トップ9、トップ10、まあトップ8くらいかな、そういう相手を探している」


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