[ファイトクラブ] 長谷川秀樹の”誠実”と”狂気”『ねわざワールド品川10周年記念興行』

[週刊ファイト6月10日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼5・30ねわざワールド品川10周年記念興行『“柔術やろうぜ!”DREAM IMPACT 2021』
 長谷川秀樹の”誠実”と”狂気”
 photo & text by 神宮寺しし丸 w/公式写真
・所英男、ミノワマン、高阪剛、船木誠勝が参戦
・なぜこんな豪華メンバーを集められたのか?
・長谷川秀樹とはなにか?
・会場は超満員札止めに
・エキシだけじゃなく”ガチンコ”も
・柔術全日本王者対決も実現
・DEEP大村は貫禄のTKO勝利


長谷川秀樹とはなにか?
 品川区を中心に活動するブラジリアン柔術サークル「ねわざワールド品川」が10周年を記念して行った自主興行。参加選手は船木誠勝(フリー)、ミノワマン(フリー)、所英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)、高阪剛(アライアンス)。特別レフェリーは中井祐樹。プレゼンターは鈴木万李弥(志村道場)、山崎桃子(リバーサルジム横浜グランドスラム)、吉川桃加(トライフォース赤坂)。ラウンドガールは女子柔術家の大望(ねわざワールドISC)と範田紗々。これでもかの豪華メンバー。なぜ「柔術サークル」がこんな大会を開催できたのか?

 「わざわざ稽古にお越し頂きありがとうございます」~そう言って、出稽古に来た初対面の僕に深々と頭を下げた長谷川秀樹さん。ブラジリアン柔術サークル「ねわざワールド品川」の代表にして”アマチュア格闘技58冠王”の男の腰は異常に低かった。あれから約八年。何度会っても腰の低さは変わらず、「逆に誰にも心を開かないタイプか?」と思わせるほど。しかし、その腰の低さは彼の誠実さそのままだった。なぜなら僕から何かお願いしたことで、長谷川さんに断られたことが一度もない。そりゃそんな無茶苦茶なお願いをしたことはないが、無茶苦茶なお願いをしても彼は断らないだろう。そう思わせる男だ。「チケット&トラベルT-1」の二見社長にTwitterで苦言を呈されたら、相手先まで手土産を持って出向き深々と謝罪をする。これはもう誠実さという名の狂気だ。

↑見た感じ狂気に見えるのは二見社長。しかしリアル狂気は長谷川さんだろう

 とあるテレビ番組のロケで「ねわざワールド品川さんを取材したい」と依頼があり、場所を抑えてロケ隊を迎えたが、その場所のオーナーからクレームが入りお蔵入りとなった。その悔しさから「いつか地上波に出てやる」と執念を燃やし、最終的にテレビ神奈川の枠を自腹で買い、出演者のギャラも自腹で払うという形で実現させた。そもそもロケがお蔵入りになったからと言って、「いつか地上波に出てやる」となるのも理解不能だが、それを身銭を切って実現させてしまうあたり控えめに言って狂っている。長谷川秀樹は誠実で狂気な男である。
 そんな男だからこそ実現できた柔術サークルの規模を越えた大会。長谷川秀樹の”誠実”と”狂気”が生んだ大会。それがねわざワールド品川10周年記念興行『“柔術やろうぜ!”DREAM IMPACT 2021』だ。

豪華メンバー狂宴

 超満員札止めの会場。長谷川代表のもとにはチケット完売後にも問い合わせが相次ぎ、「キャンセル待ち」の方が20名以上いたとのこと。
 所英男でスタートした本大会。「逆境ファイター」での入場。そして、”魅せるエキシ”でオープニングマッチの役割を十二分に果たした。


 エキシビションの中で一番会場を沸かせたのはミノワマン。入場から本気モードで、試合中対戦相手とジャンプするタイミングが被り笑いを誘うムードの時も、ミノワマンは表情を崩さず本気モードを貫いた。

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