[ファイトクラブ]新日本プロレス、昭和のモンスター対決Once again!

[週刊ファイト5月6日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼新日本プロレス、昭和のモンスター対決Once again!
 スタン・ハンセン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ハルク・ホーガン
 photo & text by 西尾智幸
・NJCトーナメントでのウィル・オスプレイvs.ザック・セイバーjr.
・80-90kgの現在の新日本プロレス「ヘビー級」主力選手たち
・田コロでアンドレに見舞ったハンセンのBスラム、Wラリアット
・キラー・カーン戦出てくる出てくる昭和プロレス貴重写真の数々
・新日本さん、ぜひ発掘してきて下さい!
・ハッスルでのBサップ曙はキングコングvs.ガメラの怪獣対決


 いきなり、私ごとから始まるが、筆者は1975年(昭和50年)から本格的にプロレスに興味を持ち、平成、令和も観続け、気が付けばもう46年。
 その間、プロレスは進化し続け、現在の闘いは昭和では想像できなかった部分も多い。
 それに、今の選手はビジュアルのいい選手が多い。昭和のレスラーと比べても、普段からオシャレだ。オカダ・カズチカ、棚橋弘至、高橋ヒロム、飯伏幸太など女性ファンも非常に多い。
 技も豊富でスピーディー。観始めた昭和50年頃は、まだ力道山からの流れは大きく変わって無く、今や繋ぎ技のコブラツイストやスープレックス、G馬場に関しては16文キック一発でも決まっていた時代であり、現在のように、必殺技に繋ぐまでの数々の技はそう必要なかった。

 現在でいえば、今年の3月に新日本プロレスで行われたNJCトーナメントでのウィル・オスプレイvs.ザック・セイバーjr.の外国人対戦などが、まさに『今』であろう。
 空中殺法vs.サブミッションの闘いでもあり、ハイスピードで相手の裏の裏を読み合う闘い、イコール観客の裏をも読むという事。実力も拮抗し、観客はどっちが勝つのか、全く先が読めない闘いであり、声が出せたなら、『うおーー!』の連続だっただろう。
 それは、現代の日本のプロレスを代表する素晴らしい技術の競い合いである事は間違いないし、こういうカウント2.9の闘いが今、我々を熱くさせる。逆に、最近のファンは昭和の試合を観ても盛り上がらないかもしれない。
 丁度、この試合の帰りにふとよぎったことが実はあった。最近の新日本では、そういや、全然やってないよなって。
 やっぱ、久しぶりに観てみたい! と、無性に思えたのは・・・。

 それは、いわゆるモンスター対決! メガトン級の闘いである。
 伝説にもなっている1981年9月の田園コロシアムでのスタン・ハンセンvs.アンドレ・ザ・ジャイアントは沸きに沸いた。別に技の連続、カウント2.9なんていらない! 実際、この試合ではピンフォールは全然お互い取りに行っていない。もう、最後まで肉体と肉体のぶつかり合い!!


▲写真は1980年5月のMSGシリーズより

 とにかく、“プロレスラー”たるもの、近づくと『でかっ!』と思え、その人間離れした巨体の持ち主同士が、殴る、蹴る、投げつける。それだけで、一流同士だと試合は成立する。
 そういう闘いを、久々に新日本のリングで観てみたい・・・という筆者の思いだ。

 そもそも、現時点の新日本では、モンスター級の選手はほぼいない。
 いないどころか、改めて公称の体重を確認したら、ヘビー級戦線で闘っている選手なのに、ジュニアのSHOの93kgや邪道の99kgより軽い選手が多い事にビックリした。
 飯伏幸太 181cm 93kg、KENTA 174cm 85kg、ザック・セイバーjr. 183cm 85kg、タマ・トンガ 183cm 95kg、チェーズ・オーエンズ 185cm 93kg、デビッド・フィンレー 182cm 95kg、本間朋晃 181cm 98kg、高橋裕二郎 178cm 90kg・・・。

 実況で、『これがヘビー級の闘いだ!』とかいう時があるが、『いやいや、ヘビー級ちゃうし!』と突っ込んでしまう(笑)。
 それ以外の選手も、ほぼほぼ100~105kg辺りで、日本人では矢野通が一番重くて115kgだ。
 今の方が昔より平均身長も高くなった筈なのに、なぜか小さい選手が多い。今のプロレスに適しているサイズなのか? 単に大きな選手はもっと儲かる他のスポーツに流れてるだけなのか…。
 唯一、怪物枠に該当するのはバッドラック・ファレの身長193cm体重 156kgだけ。
 肉弾戦をするならば、タッパはないが、178cm、119kgのジェフ・コブあたりか?


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