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前号週刊ファイト4月1日号の『読者コーナー』の項「NXT火曜移行の噂になぜ飛びつかないか」に経緯を記した通り、なんでも知ったからと書き飛ばせなのは責任論が問われない個人サイトなのであって、我々はそういうわけにはいかない。もう1ヶ月前から耳に入ろうが、実際のところ二転三転しているのに、派手に噂というかWWEとUSAネットワークの交渉段階を報道したら、ひっくり返った場合どうするのかと。
今回の番組で、現地4月12日(火)から、水曜夜からNXTの曜日移動が公式発表されたが、こういうものは正式発表を待ってからの方が良いケースであり、逆に『レッスルマニア』のユニバーサル王座戦は3wayになる等は、先に書いて構わないとの判断である。
実際、NHLのNBCスポーツが毎週水曜夜だったのが、USAネットワークや、配信のピーコック他、巨大NBCグループは整理統合も進めており、NBCスポーツというチャンネルは解散となり、契約済みの番組がUSAネットワークに移転となって、そこから水曜はホッケーの方が視聴者数の絶対数が大きいとなったのが発端になる。ところが、NHLもいくら同じNBCグループとはいえ、スンナリとUSAネットワークへの移行に難色を示し、ESPN+と契約し直すと脅しをかけてきたので発表がギリギリになった。結局は1年間はUSAネットワーク、その次からはESPN+という大岡裁判で決着がつき、当初の予定通り、SmackDownが地上波FOXに移籍となって「なくなっていた馴染みの火曜夜」に、NXTが収まることになった次第。
事実、番組ではわずか前日にオンライン版が報道したばかりのバラエティ紙のみを”スクープ”としており、先行して活字にした専門媒体をなかったことにしているが、WWE側に立つなら正式に決まってもいないのに、アイツらは勝手に書いただけという言い分も正しい。つまり、NHL次第で「いや、サインするの待ってくれ」も十分にありうる交渉だったからだ。
いずれにせよ、水曜TV戦争はいったん終幕となる。現代版のホームズ&ワトソンを描いた人気TVドラマ『エレメンタリー』がファイナル・シーズンを終えたが、やはりホームズもワトソンも死んでなかったというオチと同じで、視聴率競争はこれからも続くのである。
番組はアンディスピューティド・エラ解散のトラウマを抱えるロデリック・ストロングと、復帰はいいが金満家ギミックも散財して終わったのかの説明がないままのキャメロン・グライムス戦から。
この二人だから内容は素晴らしい。ケイブインが決まってなんとかグライムスが勝ちを拾うのだが、負けたストロングはガントレット戦にエントリーされていながら、荷物まとめて会場から去ってしまうスキットをあとでやっていた。
フィン・ベイラー戦を前にしたキャリオン・クロスのトレーニング映像は非常に凝って作ってあった。本人が「柔道も、打撃も全部やっている」と答えている。彼の場合はJudoと言うのだ。NXT UK王者ウォルターとトマソ・チャンパの対決を煽るスキットも良い出来だ。今回は事前の煽りが上手く出来ている。
ジョーダン・デブリンとのクルーザー級王座統一戦を控えるサントス・エスコバは、なんかRAWのボビー・ラシュリーと同じようなこと言い出してオープン・チャレンジを募ると。ただ、もう最初からjobber扱いの今のリコシェと違って、「本当に一生懸命働いてきたのはこの俺だ!」と、説得力のあるマイクで名乗り出たのはタイラー・ブリーズだ。獣神サンダー・ライガーがWWEの殿堂入りってのも、一度はNXTのリングに上がったこともあるからであって、ブリーズさんがお仕事したからじゃないかとは本誌の独り言にしておくが・・・。
試合内容がハートロッカーの餌食になるだけのリコシェと大違いなのは当然なのであって、ファントムドライバーのケツはわかってようが魅せてくれました。
そして会場スクリーンにはGYV(グリズルド・ヤング・ベテランズ=ザック・ギブソン&ジェームス・ドレイク)も登場。こちらはファンタズマ軍(ホアキン・ワイルド&ラウル・メンドーサ)、そしてダスティ杯優勝ながら腕の負傷があり試合出来なかったMSK(元Impact Wrestlingのラスカルズ=ナッシュ・カーター&ウェス・リー)の三つ巴タッグ王座争奪戦が『テイクオーバー』のカードになる。
キャンディス・レラエ&インディ・ハートウェルのガルガノ家THE WAYに、記者ですらよく知らない、しかもあまり実況が深くは紹介しないジジ・ドリン&ゼイダ・ラミア組というのは、どういう意図なのか? まぁ試合は特に前半、ほとんど長身のハートウェルが一人で闘っていたから、「ハートウェルはなかなかやれます」を女子タッグ戦前にアピールなんだろうが、果たして目的を達しているのか否か。
レラエがよく知らないゼイダにウィックド・ステップシスター、ハートウェルがダイビングエルボーで勝利して、タッグ王者ショッツイ・ブラックハート&エンバー・ムーンに挑戦表明となるんだが、戦車で登場のロックンロール組はテニスボールのような玉を大砲として打ち込んでました。はい、王座移動は見込めません(笑)。
ここらあたりから、パフォーマンス・センターのアチコチでイオ様がラケル・ゴンザレスにボコられるのが番組で三度、いや最後の入れたら四度も続くんだが・・・。ベビーフェイスが前哨戦というか、やられまくるというのも一つの方法なのかもだが、なんだかなぁ・・・。イオ様は日本語でわめくしかないこともあるんだろが、あるセグメントでは小さいイオ様が壁にぶつけられて壁に穴あいて反対側に放り出されるというのもやっていた。イオ様の痛がる表情は絵にはなっているけれど・・・う~む。
ということで、そのイオとの試合を組んでもらう新人としては異例の扱いだったゾーイ・スタークは、その後意気投合してイオとのタッグというのが前週だったんで、今回はラケル・ゴンザレスとのシングル、尺もちゃんと貰ってよろしいではないか。
そんな、誰もゾーイが勝つなんか思ってないんだから、セコンドのダコタ・カイをレール越しに場外に吹っ飛ばし、大女に肉薄というのを見せれただけでもニンマリじゃないか。
チョークスラムで沈められて、当然イオが救援に駆けつけるんだが、ここでもボコられ、場外を仕切る盾に頭からぶつけられてと、やられ過ぎなんじゃないかと思うんだが・・・。セールじゃなくて、ガチで痛かったんじゃないかとも。
KUSHIDAとピート・ダンの対峙というのはゾクゾク感あるなぁ。バトルロイヤルはどうでもいいから、早くシングルで対戦してくれと思ったのは本誌だけではないだろう。
次が、ザイア・リーに、100歳?の婆あとされる謎の老女が組むタッグ戦というから、ケイシー・カタンザーロ&ケイデン・カーター組戦がどうなるのかと楽しみだったんだが・・・。
リングで闘うのはザイアだけで、かの婆あはイスの置かれた花道に来たケイデン・カーターに口から煙を吐いて締め落とすという・・・。なんじゃこりゃ? まぁアレクサ・ブリスとお化けフィーンドの呪縛にかかると、ランディ・オートンが黒いゲロを吐くという漫画ほど酷くはないんだが、これがオリエンタル・ミステリーなんだろうか? 日本からの視聴者にはよくわかりません。
トマソ・チャンパのプロモも絶好調だし、カイル・オライリーとアダム・コールのこれまでの歩みと裏切りをまとめたビデオも最高の出来であり、こりゃ2日間の『NXTテイクオーバー』こそが、一般向きの『レッスルマニア』2日間よりはるかに期待が持てるというプッシュは大変良く出来ていた。そして番組トリは、ジョニー・ガルガノのNXT北米王座挑戦者決定ガントレット戦を賭けたバトルロイヤルとなるんだが、なんか複雑なルール、長~い説明やられてもよくわからん。
例によってアイゼア”SWERVE”スコットとリオン・ラフがやりあってるとか、早くKUSHIDAとピート・ダンは落ちてくれとか願っていたら、本当に一緒に落ちたとかはあるんだが・・・(笑)。
最後はデクスター・ルミスを落としてLAナイトが生き残り。ただ、6名残った段階からガントレットの順番が決まるということで、最初はやり合っていたスコットとラフから。次にリード、グライムス、ルミスなので、LAナイトが最後に出るから有利ということのようだ。
番組の終幕が、またイオがラケル・ゴンザレスにボコられるんだが、一応は最後の最後で、イオ様が天空を舞って全員が倒れるという・・・まぁ、いいか。
平均視聴者数はAEWが700,000と57,000人減(-7.5%)に対して、NXTは654,000となり先週から24,000人減(-3.5%)と、両者の差はさらに縮じまった。また重要な18-49歳デモグラフィックでは、AEWが-13.3%の落ち込みに対して、NXTはむしろ50%もの急激な増加をデータが示しており、いよいよ追い上げ照準ロックオンとなって現地火曜夜に移行することになる。なんら驚きはない。本誌の電子書籍ジャーナル定期購読者なら、理由は延々と毎週活字にされている通りだ。
■ WWE NXT
日時:3月31日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド Capital Wrestling Center
◆紫雷イオとラケル・ゴンザレス大乱闘!執念のボディプレス弾「見たか!私が一番だ」
王者紫雷イオが「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」のNXT女子王座戦で激突するラケル・ゴンザレスに3度に渡る襲撃を返り討ちにされたが、最後は執念のスプリングボード・ボディプレスを放って“怪力”ラケルを沈めた。イオはゾーイ・スタークとの試合に入場するラケルを待伏せして「私を倒すことはできないぞ」と襲い掛かったが、逆にラケルに捕まって機材ケースに叩きつけられてしまう。その後、ラケルがチョークスラムでゾーイを沈めて試合に勝利すると、試合後にも再びイオがスタッフを振り切って襲撃したが、ラケルのバリケード強打で撃沈。さらにバックステージではイオがインタビューを受けるラケルに3度目の襲撃を仕掛けるも、壁を突き破るほどの激しい反撃を食らってしまう。
イオは3度も返り討ちにされながらもリングに姿を現すと「ラケル・ゴンザレス、隠れてないで出てこい。お前は私を倒せない、私は絶対に死なない。今ここで証明してやるよ、今ここでやってやるよ」と激しく挑発して現れたラケルと大乱闘に発展。女子スーパースターたちが止める中、イオは執念のスプリングボード・ボディプレスでラケルと女子スーパースターたちをまとめて倒すと「おらー、見たか!私が一番だ」と雄叫びを上げ、自身のツイッターでは「私は死なない。テイクオーバーでも最後にリングに立つのは紫雷イオ」と王座防衛を宣言した。「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」は日本時間4月8日、9日の2日間に渡って行われ、イオ対ラケルのNXT女子王座戦は日本時間4月8日にWWEネットワークで配信される。
◆KUSHIDAピート・ダンが「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」で決定
KUSHIDAが11人バトルロイヤルに出場するもピート・ダンにホバーボードロックを決めたまま一緒に脱落すると、2人が「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」で対戦することが決定した。KUSHIDAは北米王座挑戦者決定ガントレット戦の出場者を決める11人バトルロイヤルに出場すると、リング外に落とされかけた“巨漢”ブロンソン・リードにハンドスプリング・ニールキック、キャメロン・グライムスとLAナイトにハンドスプリング・エルボーで襲い掛かった。さらにKUSHIDAは試合前のインタビューで一触即発となったダンと対峙すると激しい殴り合いを展開したが、KUSHIDAが必殺のホバーボードロックをダンに決めるとそのまま2人は場外に落ちて脱落となってしまう。
その後、LAナイトがバトルロイヤルを制して6人のガントレット戦出場者が決定すると、遺恨が勃発したKUSHIDA対ダンの対戦も「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」で行われることが発表された。この決定にKUSHIDAは自身のツイッターで「次週のNXTテイクオーバーでお前と対峙してやる!KUSHIDA vs. ピート・ダンだ」と英語で投稿した。「NXTテイクオーバー:スタンド&デリバー」は日本時間4月8日、9日の2日間に渡って行われ、KUSHIDA対ダンの一戦は日本時間4月8日にWWEネットワークで配信される。
■ WWE NXT UK
日時:4月1日(WWEネットワーク解禁、日本時間金曜)
会場:英国ロンドン BTスポーツ・アリーナ
◆里村明衣子と王者ケイ・リー・レイ因縁再燃!「NXT UKプレリュード」のタッグ戦で再び激突へ
“女子レジェンド”里村明衣子がミリー・マッケンジーとタッグを組んでNXT UK王者ケイ・リー・レイ&アイラ・ドーンと「NXT UKプレリュード」で対戦することが決定した。王者ケイ・リー・レイがリングに登場すると「世界最高峰の里村明衣子を倒したぞ。私はお前たちの永遠の王者だ」と言って王座ベルトを掲げているとその話しを遮るようにミリーがステージに登場した。ミリーは「NXT UKに戻る完璧なタイミングを待っていたんだ。ベストを倒すためにここに来た」と王者を挑発したが、突如アイラが背後からミリーを襲撃。
しかし、ここで里村がミリーの救出に現れると乱闘の末にハイキックでケイを蹴散らした。その後、因縁が再燃した里村と王者レイが「NXT UKプレリュード」のタッグ戦で再び対戦ことが発表された。ケイ&アイラ vs. 里村&ミリーのタッグ戦が行われる「NXT UKプレリュード」は日本時間4月9日にWWEネットワークで配信される。
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▼追悼”キックの鬼”沢村忠:風船ガムでメダルシール集めた昭和の英雄
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’21年04月08日号スターダム後楽園-大阪昼夜 IWGP Vamostar RISE ミャンマー 沢村忠