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米国ではWWEネットワークからピーコックへの移行という、みずほ銀行のATMトラブルより大変なんじゃないかと心配された裏のアジェンダを抱え、『レッスルマニア』の20日前のPPVながら、例年よりは強力なカードを並べて「見ろ、見ろ、移行手続きお願いします」と生中継版のSmackDownやRAWで見ている熱心なユニバースやマスコミは、しつこいほどに強調されていた回になる。日本を含む海外からの視聴者はWWEネットワークのままなんだが、NXTの時からだが再度のログインを求められる程度。問題の米国でも大きな混乱はなかったようだ。
ケツはわかりきったカードばかりなんだが、要は観客の想像力を上回ってくれたかどうかである。2大目玉となったドリュー・マッキンタイア対シェイマスは、サンダードームのアチコチを破壊しつつ二人自身も激しくハードヒットする素晴らしい戦争で堪能させてくれた。
また、トリの順番できっちりレスリングを魅せたローマン・レインズvs.ダニエル・ブライアンも高評価しておく必要があろう。
もっとも、「ありゃ?こっちでやってしまうのか」となったシェイン・マクマホンvs.ブラウン・ストローマンのカードは、当日の練習中にシェインが足を痛めたという、その場面をビデオ映像が回っているのだから失笑するしかない。この最悪アングル仕込みによってシェインは松葉杖登場になり、試合は単に怪物ストローマンがアライアスを簡単にフォールするカードに変更ってふざけている。なるほど、なぜに急遽セス・ロリンズvs.中邑真輔が組まれたのかもこれで納得なんだが、恐らく前に作られた特番最初の映像にシンスケ出てこないままなのに加えて、マメに見てないとなんでこの二人が戦っているのかわからないままでは、闘っている二人は必死で良い試合やってくれているんだが、大半の視聴者にとっては集中させない消化カードになってしまったと推定される。
その他、焼死したことになっているため、マスクが焼けただれた格好で例によってリング下からキャンバスを破って出てきたフィーンドの映画仕様マッチ(つまり録画!)のお粗末三昧など、他媒体では突っ込めないあれも濃くこれも辛口でと、底なし沼まで掘り下げ徹底解析した全試合網羅の完全拡大版は、[ファイトクラブ]公開、金曜発売週刊ファイトに収録されました。
■ WWE Fastlane
日時:3月21日(現地時間)
会場:米フロリダ州セント・ピーターズバーグ サンダードーム(トロピカーナ・フィールド)
<第5試合 No Holds Barred Match>
○ドリュー・マッキンタイア
19分40秒 クレイモア
●シェイマス
スコットランドの独立のために戦った実在の人物ウィリアム・ウォレスをメル・ギブソンが演じた大作ヒット映画が『ブレイブハート』だったが、今宵のスコッチの剣の誓いは映画のメイクまんまでの登場に。青スコットランドと緑アイルランド(普段は)同盟が、今回は兄弟喧嘩ということになるのだろうか。シェイマス自身は漂白剤のままだけど(笑)。しかし、兄弟だから手加減ナシにガンガンと大男同士がハードヒットするのだからド迫力この上ない。
なんでもありルールなので竹刀など凶器使用もOKなら、やがて会場全体へと戦場が広がっていくのである。
最初の実況席前の攻防では、上蓋こそ取っ払らわれるが、あえてペシャンとはやらないで壁に押し出すところが考えてある。最後にとっておくための布石なのだ。
二階席、三階席の間の通路の攻防では、ついにシェイマスがTVモニターのブロックごと突き落とされ電線ショートで火花が・・・。まぁ花火の演出なんだが、このカードはLIVEなのだ。いろんな仕掛けが不発のままでとか、AEWの特番でリング爆発が起こらないのがあったばかりなので、タイミングといい非常に良く出来ている。
リング周辺に戻ってきて、ここで実況席破壊の順番になる。構成が良く練られているのだ。その破壊された実況席の支柱であるアルミ板破片がリングに持ち込まれ、フューチャーショックDDTでシェイマスの頭がアルミ板に打ち付けられ、ドドメのクレイモア・キックはまともに顔面に当たっていた。
タイトル戦でもなければケツもわかりきったマッチメイクなのだが、結局はこのカードが他を全部凌駕していた。この意義は大きい。
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▼RレインズWM変更Heelエッジ3way戦Dブライアン30分ファストレーン
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