AEW聖パトリック惨劇サンダー・ロサ流血Bベイカー画鋲!MJFピナクル軍

(c) AEW

■ AEW Dynamite
日時:3月17日(現地放送時間、収録11日)
会場:米フロリダ州ジャクソンビル デイリーズ・プレイス


 負傷している左肩をさらに痛めつけて、「もう生まれてくる娘を抱けないようにしてやる」とペンタゴンが挑発していたCody戦から。

 なんとか丸め込んでCodyが勝利するものの、通訳も連れてきているから番組上の表記もペンタ・セロ・ミエドのルチャ戦士が冗談じゃないとばかり試合後も痛めつけを止めないでいて、ビリー・ガン親子らがCody救出にくるんだが、わざと遅れて終わったタイミングで出てきたのがナイトメア・ファミリーのQTマーシャルという案配に。要するにヒールターンなのだが、AEWはゆっくりやっている。
 ペンタゴンはセント・パトリックデイなので緑の帽子でおどけるなど、この辺りの番組冒頭は「なんか普通だなぁ」程度の始まりだったのだが・・・まさかこの時点で、メインがあの壮絶なものになるとは夢にも思わず。
 実際、続くセグメントはヤングバックスが、Impact Wrestling重鎮にしてケニー・オメガの参謀であるドン・キャリスに、「今のお前らは新日本プロレスで活躍していた頃じゃない」となじるスキットなんで、余計に平凡だなぁと見てたんだが・・・。


 バスケの英雄シャキール・オニールと一緒に実質デビュー戦だったムキムキ女ジェイド・カーギルが、無名の選手を1分ほどでフェイスバスターに沈めるのは単なるスクワッシュマッチだ。


 ところが自家用ジェット機から降りてきたMJFの新軍団、その名もピナクルのお披露目マイクは素晴らしかった。収録時点で24歳、放送日には25歳になったばかりのMJFなんだが、末恐ろしいとはこのことか。

 ウォードロウ、ショーン・スピアーズ、FTR、さらにタリー・ブランチャードが、「俺は素晴らしいチームで現役全盛を過ごし、そしてキャリアの最後にまた最高のチームにいる」と、フォーホースメンの強面男の演説がまた決まっている。いきなり強力ユニットの誕生となったのであった。早くも大物感が漂うのは凄いことである。


 続く10人タッグ、ジュラシック・エクスプレスとベアーカントリーの合体組に、ヒール軍マット・ハーディ、プライベートパーティー、ブッチャー&ブレイドというカードは、出てない選手をまとめてあげた感はあるにせよ、最小マルコ・スタントが、実況の表現なら「フリスビーを投げるように」ポイと場外に落とされる場面は、受ける側がしっかりしてないと頭から落ちて死んでいたかもと思わせるspotもあり、楽しませてはくれている。

 マット・ハーディが、そのマルコ・スタントにツイスト・オブ・フェイトを決めるケツにしていた。


 ルーク・ギャローズの「フォーライフ」のカタカナ入りタイツ、米国で作ったから表記がオカシイんだが、突っ込みは置いておいてカール・アンダーソンとのグッド・ブラザースが、ジョン・モクスリー&エディ・キングストンに負けるタッグ戦も挿入。

 ただ、このカードもまたどっちが勝った負けたではなくて、終わってからアンギャロがMOXとガキの頃からのダチ公を痛ぶり、そこにケニー・オメガもアンギャロ側でとなると、ヤングバックスがMOXを救出に出てくる。次回は6人タッグだろうか。


 スティングの出番はパターン化している感もあるが、ダービー・アレンが「TNT王座防衛戦はまだ3回しかやってない。今後はダークオーダー軍を一人づつ、毎週相手にしてやる」と宣言したものの、出てきたのはランス・アーチャーとジェイク”ザ・スネイク”ロバーツという・・・。

 さらにセグメントはひねってあって、今度はタズ軍が出てくるが、こちらはブライアン・ケイジがスティングをかばう格好になり、「尊敬している」と言わせるベビーフェイス・ターンに。多重構造のスキットに仕込んであった。


 レイ・フェニックスがアンへリコをファイヤーサンダー・ドライバーで沈めるカードは、ちょっと短い尺で物足りなかったかも。


 さて、番組トリが非公式Lights Outマッチということでのサンダー・ロサvs.ブリット・ベイカー、しかも女子戦なのだ。この異例づくめの体裁は、AEWの場合公式写真の配布が常に遅いため、すでに先行して「Wマニア天井桟敷$35-最高$2500二転三転19日から発売各25,000席」記事に解析論評済みなのだが、やはりインパクト絶大だったことは強調して足りない。

 イス、テーブル、ハシゴまではともかく、画鋲まで出てきて両者大流血なんだから、これは予想してなかった分の驚きがとてつもない。

 いくらAEWは流血容認とはいえ、女子戦なのである。ここまでやるかのビックリ仰天であり、ロサが場外のテーブルに歯医者をファイヤーサンダー・ドライバーで叩きつけての3カウント・フォールであった。

 但し、こちらもまた勝敗はどうでもよくて、負けたDr.ブリット・ベイカーの株がハネ上がったことは間違いない。また、すでに高評価だったサンダー・ロサもさらなる絶賛ということになる。お客とのガチンコ戦に勝ったのは闘った両者なのだ。そしてこのカードはまた、Joshi Puroresuに関しては日本が本場とされていた定説に、強烈な一撃が打ちこまれた記念すべき日となったのだった。


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