ストロングスタイルプロレス12・17後楽園大会直前! 阿部史典&ジャガー横田インタビュー!!

 いよいよストロングスタイルプロレス12・17後楽園大会目前となった。
 ストロングスタイルプロレスとしては3月19日以来、9ヶ月振りとなる聖地・後楽園ホールでの興行を前に、ケンドー・カシンと初対決となる阿部史典(プロレスリングBASARA)、ストロングスタイルプロレス初参戦となる、女子プロレスのレジェンド、ジャガー横田の公式インタビューが到着したので、お届けする。

阿部史典

◎阿部史典インタビュー
 ストロングスタイルプロレス12・17後楽園 “やりすぎくらいがちょうどいい”イズムで2度目の参戦、ケンドー・カシンと予測不可能な一騎打ち!
「読めないからこそ、逆に楽しみです! 」

「藤田和之vsスーパー・タイガーのレジェンド選手権試合、船木誠勝vsアレクサンダー大塚の初シングルマッチなど、注目カードが揃い踏みのストロングスタイルプロレス12・17後楽園ホール大会にあって、もっとも予想が難しいのが、ケンドー・カシンと阿部史典の初遭遇である。僧侶の資格を持つ異色のレスラーは、澤宗紀さんの「やりすぎくらいがちょうどいい」イズムを受け継ぐ破天荒さが持ち味だ。物怖じしない闘いぶりは、レジェンドが揃うこのリングにおいてある意味最大級の注目選手でもある。果たして、阿部史典はどんな心構えで初代タイガーマスクのリングに上がり、カシンと対峙するつもりなのか。12・17後楽園を前に、話を聞いた」
(聞き手:新井宏)

<シングルマッチ30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)
 vs.
阿部史典(プロレスリングBASARA)

――阿部選手は、とにかく異色な経歴の持ち主ですよね。
「確かにそうだなと思います」

――僧侶の資格を持っていると。
「はい。いまもときどき」

――お坊さんだった阿部選手が、なぜプロレスラーに。
「母親の弟、僕の叔父が僧侶なんです。つまり、母親がお寺の家系なんですよ。ボクはふつうの家の生まれで、小さい頃から(アメリカン)プロレスが好きになり、小学生くらいでスネークピットに入ったんですよ」

――小学生がスネークピットで練習を?
「そうなんですよ。小6くらいからですね。その頃にはすでにデビュー前の鈴木(秀樹)さんもいて。定アキラ選手もいましたね。ボクはそこにプロレスのリングがあるから練習に行ったんです。バズソーキックとかを教わりたかったんですよ。でも、UWFとかは別に知らなくて。その頃って、練習後にするプロレスごっこがすごく楽しかったんですね。

――スネークピットの練習の後にプロレスごっこをしていた?
「そうなんです。そっちの方がすごく楽しくかったんですよ。あと、練習中に出てくるスモールパッケージとか、プロレスで知ってる技がキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの練習で出てくると楽しくて。ボクはプロレスラーになりたかったんですけど、ガリガリで細かったので、これは無理だなとなって、中3、高1くらいでやめたんです。その後、ちょっとふざけたことが好きで正規の道とははずれた方に行ってしまい、18歳くらいの頃どうしようもなかったんですね。なので、母親の方から一回手に職を持てということを言われまして、それでお寺に行ったんです。まあ、一回くらい母親の言うことを聞いておくか、みたいな感じで、2、3年くらい京都に行ったんですよ。泊まり込みの練習生みたいなことしてました」

――僧侶の修行、ということですか。
「ええ、プロレスで言えば。育成機関みたいな感じで修行していたんです。2、3年くらいやっていたんですけど、最後の方にはほかの修行僧もやめてしまって、自分ひとりになったんですね。それでも、けっこうこなせるようになりました。と同時に、そういえば自分はプロレスラーになりたかったんだなと思うようになって。格闘技とかは好きだったので、細く長く練習は続けていたんです。そして夜に自由時間がほしいということを言いまして、僧侶の修行をしながら格闘技ジムに行かせてもらって、そちらの練習もしたんですね。畳の上でスクワットしたり、ソバットしたりもしていました。そんな頃、スネークピットに出稽古に来ていた澤(宗紀)さんに偶然会ったんです。そこからボクは澤さんが所属していたバトラーツや、参戦していたゼロワンとかにものすごく惹かれていきました。澤さんとはよく一緒に遊んでもらっていて、ある日、澤さんからから『プロレスやりたいの?』と聞かれたんです。そのとき『プロレス見に来なよ』と言われて、初めて日本のプロレスを(ライブで)見たんです。そしたらこの激しさはなんなんだろうと思って、ますます好きになっちゃったんですね。でもちょうどその頃、修行期間を終えて愛知県のお寺で働き始めたんですよ。そこにちょうど、バトラーツで一番最後にデビューしたタケシマ選手が名古屋にいたんです。デビューしてしばらくしたらバトラーツはなくなってしまったんですけど、そいつが名古屋のスポルティーバにいると言われて、ボクはスポルティーバってバトラーツなのかって勝手に勘違いしてしまったんですね(笑)。それでスポルティーバに入って(プロレス)デビューしたんです」

――なるほど。阿部選手の試合を見ていると、澤さんの試合ぶりを思い出すんですよね。
「いやあ、ボクはもう澤さんありきなので」

――「やりすぎくらいがちょうどいい」イズムを受け継いでいますよね。
「ハイ、そう言ってもらえるのはありがたいですね」

――本当にそこは伝わってきます。無意識のうちで出るものですか、それとも意識して澤イズムを表現している?
「中学くらいから好きだったので(自然に身についている)。とくに自分がやりたいプロレスというのがバチバチというものだったりというのもありますね。でも、世間で言われるバチバチよりか、バチバチってもっと深いものだったりしたんですよ。ボク、石川(雄規)さんのいるカナダに1ヶ月ほど練習しに行ったんですね」

――石川選手のいるカナダに練習に行った?
「ええ、カナダにも行きました。で、石川さんが酒飲みながら、『阿部なあ、バチバチっていうのはな、相手の向こう側にいる世間を殴ることだ』とか言ってるんですよ。なに言ってるか当時の自分にはサッパリわからなくて(笑)。いまも “まだ” 全然わからないんですけど、いまの時代に合ったいまの時代のものを、そういう気持ちを少しでも理解しようとしながら、自分なりに作るのが自分のやりたいことなのかな、という感覚で理解していますね」

――そのスタイルをベースにしながらプロレスを探求している感覚ですか。
「そうです、そうです。むかしのものをやってもたぶんおもしろくはないと思うので」

――阿部選手の試合を見ていると打撃のキレもいいし、コミカルなこともこなしますし、すごく幅が広いですよね。
「もともと愛知県(のローカル団体)から出てきているので、もらった仕事でいろんなことを見せたいと思うんですよね。その根本でバチバチを求めている。そこが大事で。あとはTバックはいたり、ふざけたことをしたりするのも自分の大切なプロレスなんですよ(笑)」

――なるほど。ところで、11・9神田明神ホールでストロングスタイルプロレスに初参戦しました。船木誠勝&伊藤崇文組vs.鈴木秀樹&阿部史典組というカードでした。

「初参戦ですごい素敵なカードに入れていただいたなって。そもそも鈴木さんは小6くらいから知っていて、近所のよく遊んでくれるお兄ちゃんみたいな感覚でいたんです。そこからプロレス界に入って”バサラ”の後楽園メインでシングルしたこともありますし、
前回はタッグを組んだ。練習もいまでも見てもらいますし、不思議な縁がありますよね。しかもそのときの相手が船木さんですよね。いまを生きる歴史の標本と闘った感覚です。もちろん過去だけではなく現在進行形の歴史上の人物、リビングレジェンドと闘っている感じでした。リビングレジェンド。
まだまだ全然敵いませんでした。」

――タッグを組んでいた日高郁人選手の推薦でストロングスタイルプロレスのリングに上がったそうですが。
「そうです。日高さんもけっこうボクからしたらリビングレジェンドみたいな感覚なんです。それこそ澤さんと組んでて、そのパートナーがやめたら、それを見ていたボクが出てきてタッグを組むようになった。日高さんって、むかしと比べても顔も変わらず動きも変わらず、ボクと同じテンションで闘えるんですよ。日高さんってすごいんでしょうね。やめるよりも、続けることってすごいことじゃないですか。続けて、しかも変わらない日高さんって一番すごいと思う」

――なにげにキャリア長いですからね。
「そうですよね。キャリアにすがったことをしたがらないイメージもあるので、すごい尊敬しますね。でも、むかしは、めっちゃキライだったんですけどね(笑)」

――え、なぜ?
「バトラーツを見てるときはキライでした(笑)。要は、日高さんってバトラーツに染まらないような試合をしていたんですよ。たとえばロープに走ったりとか。こっちからしたら、早く殴って蹴れよ、みたいな」

日高郁人

――バチバチファイトしろよ、と?
「そうそう。わかりやすく言うとバチバチをやれよと。でも、バチバチの中で日高さんは異質だったんですよ。いま思うと、日高さんって全部できるし、あえてやっていなかったというのをいまになるとわかるんです」

――必要なとき以外はあえて出さないと。
「そうです。やったところでほかのみんなと同じだからやらなかったということじゃないですか。いまも一緒に練習したりするんですけど、マジですごいなと思いますね」

――そのすごさがいまでは理解できると。
「理解できます、ホントに」

――リビングレジェンドと言えば、ストロングスタイルプロレスとは初代タイガーマスク選手が主宰するリングです。ただ、初代タイガーマスクをリアルタイムでは知らない世代ですよね。
「知らないです。ボクらの世代って、初期パンクラスとかUWFとかの映像を単体で見るんですよ。だから時間軸がわからない。ふたつ見たとしたらどっちが先?みたいな。ネットで調べてやっとわかる。試合のおこなわれた時間軸がわからないんですよね。ボクら世代って過去の映像をYou Tubeで見たりするじゃないですか。それを見てから時間軸を整理するんですよ」

――そういったなかで初代タイガーマスクの映像も見たと。
「ハイ、もちろん見ました。ありきたりの言い方になるんですけど、やっぱりすごいですよね。ああいう時代にああいう選手っていない。ホントすごいですよね。ありきたりの軽い言葉しか出てこないんですけど、とにかくすごい。佐山(サトル=初代タイガーマスク)さんってすごいです。こんな自分が言ってしまっていいのかと思うくらい。佐山さんと言ってる自分が怖いですもん(苦笑)」

――名前を出すのもおこがましいと。
「恐れ多いです、ホントに(苦笑)」

――そのリングに連続参戦することになって、いかがですか。
「光栄です。ホントに光栄です。興奮します」

――今回、12・17後楽園ではシングルマッチ、しかもケンドー・カシン選手との対戦になります。初遭遇になりますよね。
「ハイ、ボクは初遭遇です。タッグでもないです。会場で一緒になったことがあるくらいですね」

――どんなイメージですか。
「キャリアを経て、いまはつかみどころのないイメージがありますね。共通点には鈴木(秀樹)さんがいて、鈴木さんもすごいカシンさんからインスパイアされているようなイメージがあります。のらりくらりしているような、つかみどころがない。そんなイメージです」

ケンドー・カシン(右)

――いままで闘ったなかでは誰に近いですか。
「インスパイアされているからといっても鈴木さんとはまた違いますね。なんでもできるんでしょうけど、激しいことをするようなイメージはない。もうそういうのはやめているんでしょうね。ボクは(カシンが)自由なことをしてくる人だと思うので、自分もなにも考えずに自分がやる自由なものをぶつけたいなと思います。とくになにも考えていないですね」

――現段階では試合のイメージもしていない。
「ハイ、イメージもできないですね」

――そのときにならないとどうなるかわからない?
「ホントわからないです。たぶん向こうも、このカードに対してなにも思ってないじゃないですか。べつにひとつの試合があるくらいにしか思っていないでしょうから。若手がチャンスだと思ってガンガンいくよりかは、自分もあえてそういう気持ちでいこうかなみたいな感覚です。そこまで気構えるのではなく、あえてたくさんある試合の中のひとつという。別に手を抜くとかじゃなくて、いつも通り自分は100%で挑むんですけど、対戦相手に対してなにかを考えるようなスタンスではないのかなと思います」

――リング上でぶつかってなにが生まれるか?
「そうです。現段階では全然わからないです」

――そこが楽しみでもありますよね。
「読めないからこそメチャクチャ楽しみです。ボクはどんなカードでも試合をするときは対戦相手を考えて、どんなことしようかなとか考えるのが当たり前なんです。でも今回は考えずに。だから逆に緊張していないですね」

――今大会でおこなわれるカードの中でもっとも予測ができないカードだと思いますが。
「ああ、確かに(笑)。2分くらいで終わるかもしれないし」

――あるいは正反対の激しい攻防が展開されるかもしれない。しかも逆にカシン選手を阿部選手が翻弄する可能性もあるのかなと。
「そう思われているのであればありがたいですね。そういうふうに思われる人でありたいと思います。コイツどういうことしてくれるんだろうと思われる選手になりたいというのは、自分のひとつのテーマなので」

――阿部選手は、カシン選手を相手にそういうことができる数少ない選手かなと思います。
「やりすぎくらいがちょうどいいって、ボクにとってはあとで怒られるときの保険みたいなもの、先に謝ってるみたいなものなんです(笑)。だから今回も先に謝っておくというか(笑)。(カシンとは)これが終わってからもそんなに会うこともないでしょうし。カシンさんだったらならないでしょうけど、たとえコラー!と怒られるようなことになったとしても12月17日を終えて18日になれば、いいかなって思っちゃうと思うんで。ボクの生涯キャリアを通してあったとしても、(カシン戦は)5回はないと思います、なので、いいかなって(笑)」

――だからこそ、数少ない貴重な機会かなとも思えます。
「そうです。こういうカードはすごいありがたいです。だからこそ、ふつうのことはしたくないですよね」

――この大会で阿部選手を初めて見るファンも多いかと思います。
「そういうのメッチャ好きなんです」

――そういうところでこそ爪痕を残したいと。
「そうです。元々が愛知県のよくわからないドインディーから出てきているので、初見の人たちに見られる感覚というのがすごい気持ちよかったのをおぼえているんですよ。初めてガリガリの坊主が全日本プロレスの後楽園に上がったときとか、『なんなのコイツ!?』と言われるあの感覚って何物にも代えがたいというか。いつもやってることであったとしてもどよめきが起こったりすると、そういうときの反応がすごく楽しいんですね。初見の人たちの前でやれるというのは、すごくうれしいです」

――阿部選手は身体も特別大きいわけでもないし、髪型とかコスチュームもふつうですからね。
「ふつうですよねえ」

――そこからの衝撃ですよね。
「確かに(笑)。そう言われるとありがたいです。どこにでもいる兄ちゃんじゃないですか」

――最初はそう見えますよね。その兄ちゃんがこんなにすごい動きをするんだとのインパクトを見る者に与える。しかも阿部選手は現在、大日本のBJW認定タッグ王者ですよね。
「ハイ、タッグのチャンピオンです。船木さんとやったとき(11・9神田)なんか、次の日がBASARAのシングルのタイトルマッチだったんですけど、前日に船木さんにやられてるんで、こんなチャンピオンいるのかな?みたいな(笑)」

――BJW認定タッグ王座は野村卓矢選手と組んで、ストロングスタイルプロレスでもおなじみの関本大介選手、佐藤耕平選手から奪ったんですよね。
「ハイ、取りました。両選手とも世界に通用する人たちだと思うので、自分も世界に通用する選手になりたい、そうなるべきだと思ってます。世界で誰が見てもすごいなと思われるような選手になりたいですね。新鮮味もある上で、出て当然だよなと思われる人になりたいです」

――なるほど、12・17の3日後(12・20)には“ツインタワーズ”石川修司&佐藤耕平組との(4度目の)防衛戦もあるそうですね。カシン戦は防衛戦の直前になります。
「ハイ。でも、ボクって先のことを考えない、その日はその日のことしか考えないので、べつに次があるからとか考えてやることは一度もないので、その試合(カシン戦)に集中したいと思います」

――ストロングスタイルプロレスのリングには2大会連続の参戦になりますが、カシン戦後も継続参戦を狙いますか。
「それはもう、オファーをいただけるならもちろん。こんな経験をさせてもらえるリングってなかなかないですから。参戦できるなら参戦したい。毎試合トライアウトというか、そういうことはどの試合にでも思っていることでもあり、ひとつもスベれない。この試合(カシン戦)も、もちろん試験だと思っているし、ハズせないと思っています。でも、カシンさんとの試合に関しては、ハズしたなと思うことすらも正解みたいな感じがありますね」

――確かにそうですね。いろんな見方ができますからね。
「全部が正解になるような気がして。だから逆に気構えがないんです」

――どんな闘いになっても正解だと。
「ハイ。この前の試合(11・9神田)だったらハズレと正解はあったと思うんですよ。たとえばボクが船木さんに脅えてしまったら」

――萎縮してしまったらと。
「ハイ。そうなったらハズレじゃないですか。でもそういうのってボクは絶対にないので。それでカシンさんに対してボクは一回も打撃を出さなくてもそれは正解になるし、逆になにもしなくても正解に見えると思うので、なんか不思議な感覚ですね」

――さまざまな解釈が可能な試合なので、それぞれの楽しみ方ができますね。
「ハイ。なにが正解だかボクにもわからないですけど。だから、やってみるしかないですよね」

 阿部本人も、カシンとの初遭遇でなにが起こるのかまったく予想がつかないという。と同時に、なにかやってくれるのではないかという期待はインタビューをしてさらにアップした。カシンvs阿部は第4試合に組まれているが、もしかしたらセミやメインを食ってしまう可能性も。たとえその反対だとしても、相当のインパクトを残すのではなかろうか。いずれにしても「正解」は間違いのないカシンと阿部の一騎打ち。楽しみだ!

◎ジャガー横田がストロングスタイルプロレス初参戦で“鬼に金棒”Sareee&世志琥と激突!
「私から3カウント獲るべきだと思います」

ジャガー横田

 12月17日(木)に東京・後楽園ホールで行われる『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス Vol.8』にて、Sareee&世志琥vs.ジャガー横田&山下りなの試合が行われる。
 ストロングスタイルプロレスでは今年3月から女子マッチを開始しており、ジャガー横田は今回が初参戦。愛弟子でもあるSareee、そして新人時代からそのポテンシャルを評価していたという世志琥を相手に山下とのタッグで臨むジャガー横田に話を聞いた。

<スペシャルタッグマッチ30分1本勝負>
Sareee(WWE Count Down) 世志琥(SEAdLINNNG)
 vs.
ジャガー横田(ディアナ) 山下りな(フリー)

――ジャガー選手は初参戦になりますが、初代タイガーマスクの団体に上がるということについてはいかがでしょう
「考えてみたら失礼だよね、今更声かけるなんてさ(笑)」

――同団体では15年の歴史の中で今年3月に初めて女子の試合が行われ、以後定例となったという経緯がありまして…
「あぁ、そうなんだ(笑)。でも、出られるのは光栄なことだと思います。やっぱり佐山さんは私より先輩なので。そういう意味では、まだ現役の先輩がいるってことはね。女子では私より先輩の現役ってもういないから。やっぱ男子プロレスでも先輩がまだ頑張ってらっしゃるってことは励みになっていますし、男子の団体に出していただくってことはとても光栄なことだと思います」

WRESTLE-1にて筋肉アイドル才木玲佳と

――ストロングスタイルプロレスについてご存知でしたか?
「佐山さんのことはよく知ってますけど、接点が無かったからね。男子の団体も女子の団体も色々分散していったんで、いろんな団体があるというのは頭にはあります。佐山さんはよく知ってます」

――初代タイガーマスクこと佐山サトル選手にはどういった印象をお持ちですか?
「一番最初に、『男子プロレスっていうのは見るもんじゃない』と思ったんですよ、当時。今から30年くらい前。どうしても女子のトップだったんで、男子のプロレスを見ることで変に感化されたくないし、女子と男子は魅せ方が違うと思ってますので。そういう意味では男子の団体は見てなかったんですけど、初代タイガーマスクが出てきて、すごい女子の引けを取らないくらいのスピード感と、高度な技。そういう意味で一目置かせていただいたことは覚えています、当時」

――今大会の試合についてですが、対戦相手にはジャガー選手もよく知るSareee選手がいらっしゃいます。ジャガー選手は「WWEに行けなかった分の想いをSareeeに託す」というような発言もされていますが、今回の試合で当たることについてはいかがでしょう
「良く知ってるね(笑)そこら中でも言ってます(笑)身体も小さくて、Sareeeもサイズは私と変わらないですから。その身体と試合っぷりを見てね、WWE側も認めてくれたという意味ではすごく誇りに思っていますし、心から応援したい気持ちでしたね、決まった段階で」

Sareee

――Sareee選手はこの試合について「人間としてもプロレスラーとしても尊敬するジャガーさんとまた後楽園で戦えて嬉しい」と言っていました
「今旬な人たちの勢いにしっかり、波に乗っていかれる自分を作りたいですね。やっぱり時代が違うから見せ方も違いますし、私は人のマネが出来ないんで、やっぱり私には私の動きがありますんで、それを保ちつつ、皆を接して見てみたいと思いますね」

――Sareee選手のパートナーの世志琥選手についてはいかがでしょう
「素晴らしい選手だと思います。毎回毎回は見てないですけど、デビューしてそんな経たない頃、東京ドームのちっちゃい方でやったブルの記念大会で(※2012年1月8日 TDCホール ブル中野引退興行)、そのとき世志琥(※当時は世IV虎)という選手を初めて見た。その時はまだ“デビューしてそんな経たない選手”って思って見たから、『この選手はいい選手になるな』って思ったのが私の中では印象的でしたね。それ以外も活躍はそれとなく見てて、イメージは付いているんですけど、今波に乗ってる選手の1人だと思ってますね。Sareeeとは違う意味でね。その2人と当たるというのは、こういう時代に…時代の違う選手なので、すごく嬉しく思いますし、この試合に選んでもらって光栄にも思います」

世志琥

――この試合のパートナーの山下りな選手についてはどういった印象をお持ちですか
「山下選手は大阪で何度も見ているので、とても良い選手だということは知ってるんですよ。私をフォローしてくれるに足りる選手だとは思ってます」

山下りな(右)

――山下選手は最近デスマッチにも進出して大流血戦も行っています。女子選手で本格的にデスマッチへ進出する選手は珍しいと思うのですが、それについての印象はいかがでしょう
「そのタイミングだと思うので。昔、デスマッチ系は『プロレスは見せられない』と思ってました。私くらいキャリア長いと。そう思った時代から、私は電流爆破も出たし、有刺鉄線も出てるので、そんときに奥の深さを感じたね。ただの勇気の見せ合いだと思っていたんですけど、デスマッチなりの奥の深さに難しさを感じたり。でも、なんかちゃんとプロレス見せてるんでね、そこに新発見を覚えた記憶があるんですね、意識的に。それが受け入れらない時代もありましたんで、今のこういうエンターテイメントで、色んなことが受け入れられる時代に、それが嫌とか、ダメとか言ってたら、乗っていかれないんですよね。今の時代に生きてるわけだから。そういう意味では、難しさやチャレンジ精神っていうのはずっと持っていたいので、山下選手がその横にいても、普通のレスリングが出来ないわけでもないので、なんでもチャンレンジすればいいと思っています」

――時代の波に乗る3選手との試合になりますが、ジャガー選手はどういう試合を見せたいと思いますか
「うーん、まあ1人浮いちゃう形になるんですけど、どうでしょうかねぇ。まあ私には私の魅せ方があるってさっきも言いましたけど、その私のペースを崩してね、『私からフォール獲ればいいのに』って思いますけどね、ハハハ!(笑)私から3カウント獲るべきだと思います」

――ジャガー選手から3カウントを獲るとしたら、Sareee選手と世志琥選手のどちらだと思いますか?
「うーん、私の手を知ってるのはSareeeですからね。イメージで『怖い』とかそういうのを持ってるとは思うんでね。あくまでもイメージで。『闘ってみたら大したこと無いじゃん。今は私たちのほうが場数踏んでんだよ』みたいな気持ちでぶつかってきたらいいと思います」

――今大会の話とは少し離れてしまいますが、2020年は新型コロナウイルスの影響でプロレス界には受難の1年となりました。ジャガー選手のキャリアの中でもこのような危機は無かったと思うのですが、今年1年を振り返っていかがでしょうか
「なんか、コロナのせいで時が止まってるようでしたよね。やっぱり興行もままならないし、観客も少人数で出来るときは少人数で。やっぱり、歓声の高さってのは闘ってみて変わってきますので、1人よりも2人、2人よりも4人、4人よりも8人ってことなので、たくさんのファンの方に応援していただきたいので、早くコロナが収束していかれるようなことを祈るばかりですね。これ以上感染者数を増やさないで」

――コロナ禍の中で試合のインターネット配信が活発になり、世志琥選手のTikTokも地上波で取り上げられるなど最近はプロレスの注目度が上がってきました。ジャガー選手もテレビ出演などで女子プロレスの知名度を上げてきた第一人者だと思うのですが、露出が増えていることについてはどう思われますか
「ありがたいですね。今はファンが選手を選べる時代ですし、選手がたくさんいますので。私も地上波に出るときにはなるべく試合映像を出してもらって、私を見るついででもいいんですけど、相手を見て相手のファンになってくれればいいので、世志琥選手が出ることによって相手の選手も見て、世志琥選手の相手の選手のファンになってくれても、女子プロレスのファンが増えるということですから。そういう意味では、露出っていうのはすごく大切なことだと思います。40年前はテレビが当たり前のようにやってましたんで、私はその時代に生きてるから余計知名度も上がったんですけど、今の人たちは10年経ってもまだ覚えてもらえないっていうのはとても残念なことですよね。とてもいい選手もいますから」

――これからどうすれば女子プロレスがさらに注目されていくと思いますか
「ホントは団体がまとまるのが一番いいんでしょうけどね。分散しちゃってますので。やっぱ自分とこだけで出来るとこは自分とこだけでやりたいと思いますから。やっぱり、人数が少ないところは借りて、協力していって興行打ってる状況ですので、それが1個にまとまったらどんなにいいだろうなって、客観的には思いますね。その難しさは分かりますけど。1個にまとまったら、昔の全女じゃないですけど、それならまとまりようがあるんでしょうけど、今はそれぞれ『我、我』ですから。協力してやってるフリしてライバルであるということは間違いないと思いますよね。1つにまとまるっていう…大金持ちが全部を買収してもらったらね、団体1個にできるんでしょうけど。何十億も持ってる人がいたら、みんなをしっかりと食べていくに十分な給料を払い、まとめてもらったらありがたいのかもしれないですね。そうするとやっぱり地上波も付きやすいですよね。“帯に短し襷に長し”みたいな団体が多い中…もちろんディアナもそうだと思うんですけど、それがまとまったときには色んな顔があるわけですから、それがエンターテイメントとして最高のものが見せられるのが当たり前なんですよね。そしたら、見る側も見やすくなるので」

――ストロングスタイルプロレスでは女子プロレスに馴染みが無く、ジャガー選手を初めて見るという方もいると思います。今回の初参戦に向け、ファンにメッセージをお願いします
「女子が出始めて4試合目。そういう意味では女子にもいい選手もいっぱい居て、今回出る選手も選ばれた選手。Sareee&世志琥も含め、私も山下選手もその一員、代表者として呼ばれてるわけですから、女子にも目を向けていただいて、『女の子でもこんなこと出来るんだ』っていうのを見て、認めていただけたらありがたいと思いますね。プロレスを盛り上げてください!」

■ 初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.8
日時:12月17日(木) 開場17:30 開始18:30 
会場:東京水道橋・後楽園ホール

<第1試合 タッグマッチ30分1本勝負>
スーパー・ライダー 間下隼人(UWAアジアパシフィックヘビー級王者/ストロングスタイル)
 vs.
日高郁人(ショーンキャプチャー) 高岩竜一(フリー)

<第2試合 シングルマッチ30分1本勝負>
佐藤耕平(フリー)
 vs.
岩崎孝樹(ガンバレ☆プロレス)

<第3試合 スペシャルタッグマッチ30分1本勝負>
Sareee(WWE Count Down) 世志琥(SEAdLINNNG)
 vs.
ジャガー横田(ディアナ) 山下りな(フリー)

<第4試合 シングルマッチ30分1本勝負>
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)
 vs.
阿部史典(プロレスリングBASARA)

<セミファイナル シングルマッチ60分1本勝負>
[船木誠勝35周年記念試合/アレクサンダー大塚25周年記念試合]
船木誠勝(フリー)
 vs.
アレクサンダー大塚(AO/DC)

<メインイベント レジェンド選手権試合60分1本勝負>
藤田和之(第14代王者/はぐれIGFインターナショナル)
 vs.
スーパー・タイガー(ストロングスタイルプロレス)

■主  催:初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレス実行委員会
■共  催:一般社団法人初代タイガーマスク後援会
■席種・料金:VVIP席(特典付):20,000円/vIP席(特典付):12,000円
RS席:8.000円 /A席:6.000円/B席5.000円/トライアルシート:3,000円
■お問合せ:ユーレカ事務局 ℡:03(3833)3662

※会場内ではマスクご着用をお願い申上げます。
※ご入場時検温、スタッフによるお客様の手指消毒を実施をさせていただきます。
※ご来場前に、チケットの右端(入場時に切り取る部分)の裏面にお客様情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレス)をご記入の上、ご来場いただければと思います。
※その他、新型コロナウイルス感染予防対策へのご協力をお願い申上げます。

■チケット発売日:発売中※残稀少
■チケット発売所:
e+(イープラス):https://eplus.jp/tiger/(パソコン&スマートフォン)
ファミリーマート店内Famiポート
チケットぴあ(Pコード:847-638):0570-02-9999、
チケットぴあのお店及び、セブンイレブン各店、http://pia.jp/t 
ローソンチケットhttp://l-tike.com/ (Lコード:35177)、ローソン各店、
後楽園ホール:03-5800-9999、プロレス・マスク・ワールド:03-6261-1988、
チケット&トラベル T-1:03-5275-2778
オフィシャルショップ http://rjpw-shop.ocnk.net/