[週刊ファイト12月10日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼超拡大版!WWE重鎮パット・パターソン79歳で逝去!長年試合作り担当の幹部
Photo: George Napolitano/他 by タダシ☆タナカ
・本誌Gナポリターノ記者帯同の1981年『第2回MSGタッグ・リーグ戦』
・フランス語会話大巨人アンドレとの親密と本当の日本流に対する本音
・「日本のプロレスなんか見てない」発言が揶揄されたこともあるBooker
・五輪金メダルだからといって成功する訳ではないカート・アングル実例
・17歳デビュー本名ピエール・クレモント:生誕ケベック州モントリオール
・WWFではグラン・ウィザードがマネージャー役~ハードコア24/7王者
・番組プロデューサーの責務、レフェリー役、三バカ大将の出番など華麗
・40年に及ぶ夫ルイー・ダンデロは1998年に心臓発作!天国で再会か
・お疲れ様でした。合掌
現地12月2日、長年試合作り担当の幹部にして、WWE重鎮を務めてきたパット・パターソンの訃報が飛び込んできた。79歳だった。
直接取材していることに加え、現WWEが公式写真に力を入れてなかった時代の貴重画像も本誌は大量に未公開のがあること、さらに簡単な速報では紹介しきれてないエピソードが多々あり、【見る本電子書籍】収録は無論のこと、[ファイトクラブ]でも拡大分析版を公開することにした。
日本との関連においては初来日が1968年4月の日本プロレスから。若きアントニオ猪木が飯を奢って貰ったとかで、のちに新日本プロレス時代にもタッグ屋だけでなく、シングル戦などで登用されることに繋がり、3度目のライオンマーク参戦時、1977年12月1日には大阪府立体育館でNWFヘビー級王座に挑戦のメインを与えられている。
1981年11月の『第2回MSGタッグ・リーグ戦』にバッドニュース・アレンと組んで参戦。優勝候補チームのスタン・ハンセン&ディック・マードックと引き分けるなどの戦績を残すも形式上は途中帰国になり、これが選手としての最後の来日ツアーとなった。
このツアーには初来日となった本誌ジョージ・ナポリターノ記者が帯同しており、アファ、シカのサモアンズとは京王プラザ・ホテル前の一枚である。
フランス語会話大巨人アンドレとの親密と本当の日本流に対する本音
やはりフランス語で会話できることがアンドレ・ザ・ジャイアントにとっては大きな仲間意識であり、パターソンとの親交は後年にも続いていく。ナポリターノ記者の上記1枚も日本の控室でポーカーにふける様子だ。日本人記者だと「ゲラウェイ!(あっち行け)」と追い払われるのが常なんだが、こういう大巨人のプライベート写真は極めて希少だろう。
パターソンといえば、要するにフィニッシュと時間を決めて試合をレイアウトするブッカー(現場監督)としてWWEに君臨したことが最大の功績履歴になるのだが、Bookerとしての評価というのは卒業しない大人のファンにとっては好き嫌いもある。例えば「ありゃ、今日の新日大会は外道の担当じゃないな」とか、試合見るだけで内部情報がなくとも見抜けるツワモノたちには、パターソンもまた「これはパットが担当エージェントだな」と、よくも悪くもわかってしまうところがあった。起承転結の組み立て方にせよ、各自のタッチというのは違うものであり、「なんでそうするんだよ」とブツブツとボヤキながら楽しむ観戦法もまた、底なし沼の味わい方だからである。
ヤングボーイ時代の恩へのお返しもあるのか、選手としての全盛期はすでに過ぎていたのに80年代初期までアントニオ猪木から度々呼ばれていたとはいえ、米国事情に詳しい記者にしたら、パットが新日プロのストロング・スタイルというか、シリアスなスポーツだとのプロレスのプレゼンの仕方に対しては批判的だったのを知っている。コメディというか、笑いの要素もないとエンタメにならないとの哲学の持ち主だったからだ。
「日本のプロレスなんか見てない」発言が揶揄されたこともあるBooker
事実、2003年に発売されたDVD『RAW 10周年記念』にも収録された2000年のセクシー・チョコレートこと五輪重量挙げ出身の黒人マーク・ヘンリーとの恋仲物語。この時点で老女、いや醜女であったメイ・ヤングが、お産して「手」を生むという皮肉がブラックなスキットは、『放送に問題あり賞』だったと自嘲気味に反省するも、こういうのを面白がっていた番組プロデューサーなのだ。メイ・ヤングは2014年、90歳で亡くなっている。
現役引退後インタビュワーとして82年6月バディ・ローズ、シェリー・マーテル、Gウィザード
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