[週刊ファイト12月17日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼すっかり人格が変わった長州力。冴え渡る?Twitterで人気再燃!
by 井上譲二
・高齢でのモテモテぶりはサプライズかつミラクルと言えるだろう
・現役引退後に“長州ブーム”が巻き起こった要因は何なのか
・その頃の長州に逞しさと賢明さを感じたものだった
・「長州が嫌いか?」と聞かれたら、ほとんどの人の答えはノー
コロナ禍において笑いが止まらない元プロレスラーがいる。今年だけで複数のテレビCMに出演した長州力(本名・吉田光雄)である。いずれのCMも短期間で出演料は数百万とみられているが、現役引退後、しかも68歳(出演当時)という高齢でのモテモテぶりはサプライズかつミラクルと言えるだろう。
ジャイアント馬場、アントニオ猪木以外に立て続けに複数のテレビCMに出演した男子プロレスラーは長州力だけである。皆さんもご存知のように、直近の年賀ハガキのCMでは国民的アイドルグループ『嵐』の松本潤と共演。「へェー、広告業界の長州さんへの評価はそれほど高かったんだ」と数多くのマット界関係者も驚いた様子だった。
レスラーとしての全盛期ではなく、現役引退後に“長州ブーム”が巻き起こった要因は何なのか。大手広告代理店に勤務するコピーライターのA氏はこう分析する。
「もともとヘタな芸能人よりも知名度が高く、あのコワモテキャラはテレビ界でも注目されていました。でも、CMオファーが急増したのは長州さんがTwitterとYouTubeを始めてから。とりわけ、間抜けで、ややとんちんかんなツイートがネット層にバカ受けして広告業界の注目度も一気に高まりました」
現役時代はプライベートに関する質問をいっさい受け付けなかった長州が今はネット上で私生活をさらけ出している。その豹変ぶりがわれわれ古株の記者には信じられない。また、新型コロナやアベノマスク、タピオカなどについてつぶやいている長州もまるで別人だ。
指南役が存在するのは間違いないが、昔の長州なら「フザケるな! やらねえよ」の一言で終わっていただろう。
だが、プロレスを辞めてしまった長州は、他の食い扶持(くいぶち)を見つけ家族を養わなければならない。あくまでも推測にすぎないが、経済的な事情もあって周囲のアドバイスに耳を傾けてTwitterやYouTubeを始めたと思う。
頑固そうに見える長州だが、追い詰められたときは割り切れる人間でもある。