[ファイトクラブ]藤川球児が登場したRIZIN.25に全集中! 大会レポート第2弾

[週刊ファイト12月3日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼藤川球児が登場したRIZIN.25に全集中! 大会レポート第2弾
 by 安威川敏樹
・RIZINにとって初めての大阪城ホール大会
・コロナ禍の中、みんな生観戦を待ちわびていた
・世間的に最も注目を集めたのはテコンドーの江畑秀範
・3連敗中の大雅、崖っぷちから這い上がり、皇治に対戦を要望
・「負けたら辞めるつもりだった」背水の陣で挑んだ扇久保博正
・年末のキーパーソン、藤川球児vs.新庄剛志のトラ対決は?
・大晦日は「世間と勝負する」と語る榊原代表


 11月21日(土)に大阪城ホールで行われたYogibo presents RIZIN.25の詳報第2弾。前回はメインの斎藤裕vs.朝倉未来について書いたので、今回はそれ以外の試合等をお伝えする。

 この日はRIZINにとって初めての大阪城ホール大会。私事で恐縮だが、筆者にとっても大阪城ホールは初めて高校生クイズ大会に出場した記念の場所だ。あの時は○×クイズを6問連続で正解したものの、正解すれば一次予選突破となる7問目で間違えてしまい、惜しくも二次予選に進出できなかった。しかし、福留功男アナを間近で見られたのはいい想い出である。

コロナ禍の中、みんな生観戦を待ちわびていた

 筆者が大阪城ホールに到着したのは12時半頃。普段の大阪城ホールは、JR大阪環状線の大阪城公園駅から近い北口(上記写真参照)が入口となるのだが、今回は特別措置が取られ、入口は南口のみとなった。そのため、大阪城公園駅から来た場合はぐるっと回らなければならない。
 試合開始予定時刻は14時。まだ1時間半もあるのに、長蛇の列ができていた。その列は、大阪城ホールの東側まで延びていたのである。
 今回はコロナ対策のため、入場者数は半分に抑えられていた。そんな中でチケットは完売、5,487人(主催者発表)が大阪城ホールに集まったのだ。

▼大阪城ホール前は開始1時間半前から長蛇の列

 また、売店も特別措置が取られ、入口となっている南側にはなく、北側のみ。しかも直接、北口に行くことはできないので、南口からいったん入場し、大阪城ホールの中を通って北口に出なければならないという、実に面倒くさい構造になっているのだ。
 それでも、開門後は北口の売店には大勢の人が並んでいた。これも相当、密なのだが……。

▼大阪城ホール北口前の売店は、凄い人だかり

 会場に入ると、さすがに客はまばら。何しろ、20時近くまで試合があるのだ。全ての試合が終わるまで、まだ約7時間もある。筆者はスタンドを離れてプレスルームへ行き、資料をチェック。
 試合開始予定の14時近くになったので、スタンドの記者席へ行った。大阪城ホールは楕円形になっているが、記者席は短辺側の最上段にある。

 記者席の前は一般席。コロナ対策で、1席ずつ空けていた。前にいた友人同士であろう男性客は「久しぶりに生で(格闘技を)見られるので嬉しいなあ」なんて喋っている。やはり、みんな生観戦を待ちわびていたのだ。この男性客、後に試合が始まると「うわ、ええの(パンチやキック)入ったなあ」「巧い、巧いでぇ」なんて言いながら見ていたので、相当な格闘技好きなのだろう。

 開始予定時刻から遅れること約20分、ようやくRIZIN.25が開幕した。レーザー光線と大音量の中、出場予定選手が入場してくる。遂に始まったのだ!

世間的に最も注目を集めたのはテコンドーの江畑秀範

■ Yogibo presents RIZIN.25
日時:11月21日(土) 14:00~
会場:大阪城ホール 観衆:5,487人(=主催者発表)

<第1試合 RIZIN キックボクシングルール:3分3R(63.0kg)>
●山口侑馬(山口道場)
 3R 2分59秒 レフェリーストップTKO
○麻原将平(パウンドフォーパウンド)

 “マッドピエロ”こと山口侑馬と、少林寺拳法あがりの麻原将平との対戦だけに、序盤から打ち合いとなる。しかし、的確にパンチやキックをヒットさせているのは麻原の方。
 最終の3R、麻原は左右の連打でダウンを奪い、とどめは左フックで試合終了1秒前、レフェリーストップで山口にTKO勝ちした。

▼「無事にKOできて嬉しい」と語る麻原将平

<第2試合 RIZIN キックボクシングルール:3分3R(53.0kg)>
○政所 仁(魁塾)
 判定3-0
●佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ名古屋)

 テクニシャンの政所仁と、ムエタイのリングに上がった経験を持つ佐藤執斗との対戦。試合が動いたのは2R、政所が波状攻撃からバックブローでダウンを奪った。その後も政所の優勢が続き、3Rに佐藤がダウンを奪いかけるも、結局は3-0で政所の判定勝ち。
 しかし、政所は「勝てた以外は全部ダメ」と、KO勝ちできなかったことに不満の様子だった。

▼政所仁の希望は「RIZINにもRISEにも常連参戦させてもらえるようにしたい」

<第3試合 RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)※ヒジあり>
●朴 光哲(フリー)
 3R 4分19秒 サッカーボールキックTKO
○白川陸斗(志道場)

 全身刺青の43歳、朴光哲に対するのは、29歳と脂の乗り切った白川陸斗。早めに勝負を決めようと、白川は序盤からラッシュをかけるが、ベテランの朴は巧みにかわす。朴は的確にパンチを当て、その後も優勢に試合を進めた。しかし3R、白川がカウンターを決めて形勢逆転。最後はサッカーボールキックによりTKO、朴はマットに沈んだ。
 勝利者インタビューで白川は「もっと拍手ちょうだい!」と地元ファンに愛嬌を振りまいた。

▼「KOできたが反省点の多い試合だった」と白川陸斗は謙虚に試合を振り返った

<第4試合 RIZIN キックボクシングルール:3分3R(83.0kg)>
●江畑秀範(フリー)
 判定0-3
○佐野勇海(NJKF拳之会)

 テコンドー東京五輪代表候補の江畑秀範が、いよいよRIZINのリングに上がる。対する佐野勇海もプロ・デビュー戦。198cmと長身の江畑は、テコンドー流の前蹴りを当てに行く。しかし佐野も、江畑の長い手足をかいくぐり前進。試合が動いたのは3R、スタミナ切れの江畑に対し、佐野が左フックからの右ストレートでダウンを奪った。結局、3-0で佐野の判定勝ち。

 実は、試合後のプレスルームでのインタビューで、最も質疑応答が多かったのが江畑に対する質問だった。日本テコンドー界の劣悪な環境を訴え、当時の全日本テコンドー協会会長を告発した江畑は、ワイドショーでも取り上げられて一躍時の人となったのである。
 江畑は自身のRIZIN挑戦について、今のテコンドー協会は応援してくれたと語り、また今後についても「良くも悪くもテコンドーを広めていきたい」と引き続き二足の草鞋を履く決意だ。
 江畑に勝った佐野は「顔面キックは効かなかったが、前蹴りはキックの選手より強かった」とテコンドーに対する感想を語った。

▼初めて体験するテコンドーと長身に苦しみながら判定勝ちを収めた佐野勇海

3連敗中の大雅、崖っぷちから這い上がり、皇治に対戦を要望

<第5試合 RIZIN キックボクシングルール:3分3R(60.5kg)>
○大雅(TRY HARD GYM)
 判定3-0
●山畑雄摩(NJKF心将塾)

 RIZINで3連敗中の大雅と、ダイエットのためにキックを始めた山畑雄摩との対決。連敗脱出に燃える大雅は序盤から飛ばすが、山畑もひるまない。だが、フットワークも軽やかに、着実にポイントを稼ぐ大雅。大雅は山畑に有効打を許さず、試合の主導権を握る。さらに右フックと左ストレートのコンビネーションで山畑を追い詰め、結果は3-0の判定で大雅が連敗を3で止めた。
 勝利者インタビューで大雅は「皇治選手、相手は決まってるんですか?」と大晦日に向けてアピールした。

▼連敗脱出の大雅は「本当は倒したかったんですが、固くなりすぎた」と勝っても反省

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