米NXT再登場TストームSブラックハート!Tチャンパ埋葬Vドリーム

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 番組はエンバー・ムーンとダコタ・カイのシングル戦から。ありゃ? カイがギブスなしになっている。盟友にして抗争相手のティーガン・ノックスがまたケガ再発となって、ギブスなんか付けない方がいいと判断したのか、それとも回復したと不要判断だったのか。ただ、動きは間違いなくスピーディでよい。エンバーはSD/RAWにも出ていたんであり、復帰後は女子最大陣容のNXTを選んだということだったが、知名度的にはエンバーの方が格上。しかし、そのままカイが、特に用心棒ラケル・ゴンザレスの加勢に頼ることもなく、 Go 2 キックをぶちこんでフォール勝ちに。

 正確にはギブス式ではなく、ソックスにパッドを入れたより簡易的なものに変えたんだが、動きの良い選手の方がアップというのはへぇ~だったかも。ダコタは紫雷イオ戦を諦めてない。


 殺人鬼デクスター・ルミスとの「お化け屋敷」戦で怖がりになっている設定でのキャメロン・グライムスとKUSHIDAの試合も良かった。コーナーに上ってからのスパニッシュ・フライならわかるが、普通に攻防の中で出すとかキャメロンの職人度は凄い。最後はレフェリーがダウンしてしまい、お互いの技をカウント叩く者がいないと言う場面を経て、替わって出てきたレフェリーは、かのお化け屋敷でゾンビやっていた彼となって、キャメロンがビビった隙にKUSHIDAが丸め込んでホバーボードロックを決めるオチにしていたが、中身はスイングしていた。


 ドレイク・マベリック&キリアン・デインの凸凹組は、またもEVER-RISEとのタッグ戦。ただ、途中でパット・マカフィーのキング軍が割り込んできて・・・。

 結局、いずれにせよドレイク君はやられ役と。プロモも素晴らしい元NFLのスーパースターがアンディスピューティド・エラをボロクソに栄光の歴史にケチ付けをやりだして、UEのロゴ・バナーをゴミ箱に入れてブルーサー級のピート・ダンが火をつける。

 ただ、そこでは終わらずにキング軍が乗ってきた車で去って行こうとしたら、キリアン・デインが立ち向かうんだが、車のドアでバーンと顔を打ち付けたようで、最後に血の海になっているキリアンの絵が出ていた。演出でなく、どうもガチのように見えるのがやや心配なのであった。


 ホスト役『ハロウィンハボック』のご褒美ということで、ショッツィ・ブラックハートに対戦相手を選ばせるとなり、再びフロリダに移り住んだトニー・ストームを指名した。試合のデザインは一進一退になるようにしてあるのだが、久しぶりのトニー・タイム、やはり素晴らしい。ショッツィがロープでミスった箇所も、気づかない方が大半だろう。何事もなかったかのようにトニーが試合作れる上手さが光ったのだ。

 最後はタイタントロンに路上からの悪女キャンディス・レラエが登場。ショッツイの大切なミニ戦車をワゴン車でペシャンコにする暴挙に。車に乗っていたのは、例のスクリーム・マスクである。これに気を取られている隙にトニーがレッグクラッチ・ホールドでフォールを取った。


 ティモシー・サッチャー先生のキャッチ教室「サッチ・アズ・サッチ・キャン」は今宵も絶好調。やや上級編になりフロントネック極められた際の返し技からアキレス腱固めまで。ちゃんと「MMAと違ってプロレスでは喉を締めるのは反則」とガチに言ってるところが、ケーフェイのない2020年のリアルには違いない。


 番組トリは、トマソ・チャンパ親父が、ベルベティーン・ドリームを徹底的に痛ぶるというサディスティックな埋葬内容に。ドリームの悲鳴が何度も聞かれ、まさに「泣かすゾ~」の世界に。これは舞台裏での告発があったドリームへの制裁なのだろうか。

 ただ、チャンパも目じりを切ってガチ流血していたし、かなり激しい闘いになったことは間違いない。最後はフェアリーテイル・エンディングで葬っていた。前週のハロウィン仕様とはまた違う、本格的な試合で勝負したNXTなのだった。

■ WWE NXT
日時:11月4日(現地時間)
会場:米フロリダ州オーランド キャピタル・レスリング・センター

◆KUSHIDAがグライムスを撃破して好調をキープ

 快進撃を続けるKUSHIDAがホーンテッドハウス・オブ・テラー戦の後遺症を抱えるキャメロン・グライムスとシングル戦で激突した。KUSHIDAは何かに脅えて逃げ回るグライムスに飛び付きアーム・バーやアーム・ブリーカーで攻め込んで序盤を圧倒すると、さらにハンドスプリング・エルボーやハンドスプリング・ニールキック、クロスボディを立て続けに放ったが、グライムスもパワーボムで反撃して白熱の攻防を展開した。しかし、試合途中にレフェリーが2人の攻防に巻き込まれて場外に落下すると、この状況に気が付かないままKUSHIDAがホバーボードロックでグライムスをタップに追い込むもレフェリー不在。すると今度はグライムスがスパニッシュフライを決めてチャンスを迎えたが、先週に行われた「NXT:ハロウィン・ハボック」のホーンテッドハウス・オブ・テラー戦でゾンビだったレフェリーが登場するとグライムスは血相を変えて逃げ回り、最後はKUSHIDAが飛び付きホバーボードロックでグライムスを捕まえてタップ勝ちを収めた。
 より攻撃的になりジーンズ姿で闘うKUSHIDAは10月の「NXTテイクオーバー31」以来、強敵のベルベティーン・ドリーム、トマソ・チャンパに続いてグライムスも撃破して好調をキープしている。自身のツイッターでは「誰か僕と対戦したい奴はいるか? 僕にはすでに対戦したい相手がいる…」と英語で意味深な投稿をした。

◆王者紫雷イオが王座戦に“宿敵”リア・リプリーを逆指名

 NXT女子王者紫雷イオが王座戦の対戦相手として元NXT女子王者リア・リプリーを名指しした。先週の「NXT:ハロウィン・ハボック」でキャンディス・レラエを下して王座防衛に成功した王者イオが映像で登場すると「紫雷イオの次の標的が何かみんなが知りたがっている。私は今のNXT女子部門の中で倒さないといけない相手がいることをわかっている。リア・リプリー、リアとはシングル戦で私の持っているタイトルをかけてタイトルマッチで戦う必要がある。私は悪夢を恐れてはいない。楽しみにしているよ」と王座戦の相手として王者自らリアを逆指名した。これにリアは「紫雷イオが私に挑戦だって?完璧だ。それこそ私が望んでいたことだ。イオは悪夢を恐れないって言っているけど、王座陥落を恐れているに違いない。王座陥落は起こるぞ。なぜなら私は2019年と同じように2020年を新NXT女子王者として終えることになるからだ」と王座返り咲きを宣言。さらにリアは自身のツイッターで「願い事には気を付けろ!」と投稿してイオに忠告した。

◆水曜TV戦争は大統領選ニュース裏番組のため大幅ダウン

 予想されたことではあるが、平均視聴者数AEWは約64,000人減(-8.2%)の717,000人、NXTは約26万人減(-30.4%)の610,000人と大幅ダウンに。特にNXTの場合は前週が『ハロウィン・ハボック』のお題目を掲げた特番だったので仕方ない。もっとも、余り落ちなかったとなっていたら大問題なのであって、プロレスファンは社会から隔離された人種だと困った指摘をされていたことだろう。むしろほっとしたのが本音になる。


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’20年11月12日号米国分断とマット界 猪木発明 新日 DeepJewels 藤波辰爾 SEAdLINNNG