ラスト横浜文体で32年前「藤波vs.猪木」彷彿させる60分フルタイム 潮崎豪「これがGHCだ!!」ダブルタイトル戦は両者防衛 ノア

 10日、プロレスリング・ノアは有観客再開後初となるビッグマッチを横浜文化体育館で開催した。

 ノア最強を決めるとばかりに、GHCヘビー級王者の潮崎豪、GHCナショナル王者の拳王が対決したダブルタイトル戦がメインとなる。潮崎の攻撃の主軸がチョップなら、拳王のそれはミドルキック。両者が胸板を真っ赤にしながら放たれるエンドレス打撃戦は壮絶そのものとなった。とはいえ、勝利にこだわる両者は秘策も放つ。潮崎が右足へのチョップ連打によるキック封じ、さらにはノータッチトペを繰り出した。一方の拳王は特設花道から場外マットへと落とす奈落式ブレーンバスター、50分過ぎにはコーナートップから場外マット上の潮崎へのP.F.Sを決めてみせた。

 拳王が4日にGHCナショナル王座を奪取したばかりなら、潮崎も5日にGHCヘビー級王座を防衛したばかり。ショートスパンを感じさせない死闘は60分フルタイム。この大会はノアにとってラスト横浜文体となったが、8月の同会場で想起される1988年8月8日「藤波辰巳(現・辰爾)vs.アントニオ猪木」IWGPヘビー級王座戦と同じ結果となる。同一戦は「60分を感じさせないスリリングさ」が語り草だが、今回のノアの試合もまた並び立つほどのシーソーゲームとなった。

 さりとて時代は「昭和」でもなく、タイトルも「新日本のIWGP」ではない。ナショナル王者・拳王が引き揚げた後に気力でマイクを握った潮崎は「これがGHCだ!! これがノアの闘いだ!!」と雄叫び。コロナ期間で最も週刊プロレス誌の表紙を獲得した団体としての実績も経て、バックステージでも「コロナ禍の中で止めてこなかった歩みは絶対に止めさせねえ」と断言した。

 
■プロレスリング・ノア NOAH the CHRONICLE vol.3
日時:8月10日(月祝) 16:00
会場:神奈川・横浜文化体育館 観衆=未発表

<タッグマッチ>
タダスケ&●YO-HEY
  8分13秒 ジャックナイフ式エビ固め
〇覇王&仁王

<6人タッグマッチ>
●鈴木鼓太郎&小川良成&岡田欣也
  11分01秒 飛びつき十字固め
小峠篤司&大原はじめ&〇吉岡世起

<6人タッグマッチ>
〇丸藤正道&望月成晃&宮本裕向
  15分40秒 真・虎王⇒片エビ固め
中嶋勝彦&谷口周平&●モハメドヨネ

<IPWジュニア・ヘビー級選手権試合>
●(第3代選手権者)原田大輔
  15分06秒 ヘデック⇒片エビ固め
〇(挑戦者)HAYATA
※第3代選手権者が初防衛に失敗。HAYATAが第4代選手権者となる

<6人タッグマッチ>
杉浦貴&〇桜庭和志&ケンドー・カシン
  15分18秒 ローリングアームロック
マサ北宮&●征矢学&稲村愛輝

<スペシャルシングルマッチ>
〇武藤敬司
  27分07秒 足4の字固め
●清宮海斗

<GHCヘビー級&GHCナショナル ダブル選手権試合>
△(第33代GHCヘビー級選手権者)潮崎豪
  60分00秒 時間切れ引き分け
△(第3代GHCナショナル選手権者)拳王
※第33代GHCヘビー級選手権者・潮崎豪が4度目の防衛に成功
※第3代GHCナショナル選手権者・拳王が初防衛に成功


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