[ファイトクラブ]コロナ禍の女子プロレスで考えるケレン味と勝負論~アクトレスガールズの羅針盤~

[週刊ファイト8月13日号] [ファイトクラブ]公開中

▼コロナ禍の女子プロレスで考えるケレン味と勝負論~アクトレスガールズの羅針盤~
 Photo & Text by こもとめいこ♂
・コロナ禍が女子プロレスに持ち込んだ勝負論
・8・2北千住で見たガチンコ対決!!
・アクトレスガールズの羅針盤
・谷ももの、膝に勝る強烈な武器

 大相撲の7月場所が、東前頭十七枚目・照ノ富士の優勝で幕を閉じた。
 2015年に快進撃で初優勝、次期横綱と言われながら膝の怪我や糖尿病で大関陥落、幕下序二段まで番付を落としたところからの奇跡の復活優勝で相撲ファンは沸き立ったが、何故照ノ富士が膝を痛めたのか、という原因を追及する報道は見かけなかった様に思う。

 食っちゃ寝で無理矢理身体を大きくする非科学的習慣で膝を痛める力士は照ノ富士に始まった事では無いが、相撲協会の前近代性を批判するジャーナリストからも疑問が差し挟まれないのは甚だ疑問である。

 力士の大型化で検索すると、高見山の出現で力士が大型化していったとされるが、無理に食べて体重を増やすのは日本プロレスでもあったと聞くし、食糧事情が改善した戦後には暴飲暴食も稽古に組み込まれていたのだろう。
 ただ、穀類や野菜、魚が中心だった頃と違って、肉食が採り入れられた事でより体重が増加してきた事は想像に難くない。
 力士がX脚になるのも膝が体重を支えきれなくなっている証しだと言われるし、照ノ富士は身体を絞って復活を遂げている事も考えれば、前近代的な食っちゃ寝環境は改善すべき事は間違いない。

 広尾晃氏が2018年に力士の大型化に関して書いたNumber webの記事は100年前の力士の体重を調べた労作だが、力士の大型化の問題点を「決まり手が単調になった」事に収斂し、土俵の大型化を提言するという、「僕の考えた最強の大相撲」な結論なのは首を捻らざるをえない。

https://number.bunshun.jp/articles/-/829707

 なるほど大型化も決まり手に影響するだろうが、より大きな要因は、注射(八百長)の減少だろう。

貴闘力氏は相撲を賭けの対象にできるガチンコにしたかったという…

 ブッカーがいる訳ではない大相撲では、注射は力士同士が申し合わせ、仲介者を通して行われていたと言うが、常にガチンコを要求されれば、大向こうを唸らせる様な決まり手など狙う余裕は無いだろう。
 年二場所、四十八手と称されていた頃の、独立した技の掛け合いだった頃とは別の競技なのである。
 自分の膝を痛める様な体重の力士同士が、いかに勝つか、自分充分の体制にもっていくかを考えれば、自ずと技も限定される。

 横審は所詮素人の集まりで、やれ品格がどうのと過去の横綱を引き合いに出すが、注射が当たり前だった時代の千代の富士や北の湖と、現在の白鵬を同じ土俵で論じるのがそもそも間違いの元であろう。

 照ノ富士の復活劇は、そんな夜郎自大な大相撲の前近代性に抗う様な痛快劇だった。
 そしてそれはやはり、勝負論がもたらしたこその感動でもある。

日米格闘技史百年戦争 幕末異種格闘技 江戸相撲vsペリー艦隊レスラー

日米格闘技史百年戦争 アマレス上陸!女子プロ テーズ・ゴッチの時代

 筆者がコロナ禍のプロレス界で特筆すべき出来事だと思った事は2つある。
 1つは、世志琥のSNSでのブレーク。
 もう1つは、アイスリボンの無観客配信試合での、7年振りに復活したネット中継試合王座「IW19王者決定トーナメント」における星ハム子の快進撃である。

■アイスリボン1038
<第4試合 IW19王者決定トーナメントAブロック1回戦 シングルマッチ19分1本勝負>
●藤本つかさ
 19分ドロー ニコニコ視聴者による投票により
〇星ハム子
※星ハム子75.4%、藤本つかさ24.6%
※ 星ハム子準決勝進出

https://live.nicovideo.jp/watch/lv325625079

■ アイスリボン1041
<第3試合 IW19王者決定トーナメント Aブロック準決勝 3WAYマッチ19分勝負>
●つくし
 19分ドロー ニコニコ視聴者による投票の結果
〇星ハム子
※つくし46.2% vs 星ハム子53.8% ⇒星ハム子準決勝進出
※もう一人は世羅りさ(13分44秒 OTR)

https://live.nicovideo.jp/watch/lv325916704

■アイスリボン1044
<第4試合 IW19王者決定トーナメント決勝戦シングルマッチ19分1本勝負>
●雪妃真矢
 18分35秒 女の執念
〇星ハム子
※星ハム子が第11代IW19王者となる。

https://live.nicovideo.jp/watch/lv325993788

 当然の事だが、1回戦、準決勝の19分ドローは決まっていた筈。だが視聴者投票はガチの結果である。
 試合の勝敗を観ている側の投票に委ねるというのは、今までありそうで無かったプロレスと勝負論の両立であり、画期的だと唸らされた。決勝の雪妃真矢戦の勝利は当然、その結果を踏まえてのものだったろう。
 
 純粋にアイスリボンファンによるネット投票となれば、藤本つかさ、つくしを星ハム子が上回るという事は(星ハム子には悪いが)無いだろう。
 ニコプロチャンネル会員が星ハム子の試合に感じるものがあったのか、かつて百田光雄に全日本プロレスファンが大声援を贈って40歳でジュニア初戴冠せしめた、一種の判官贔屓の様な雰囲気で投票したのかは定かでないが、「プロレス」に勝負論が持ち込む事が可能である事が証明されたという意味で快挙でもある。

 藤本つかさ、つくし、雪妃真矢に星ハム子が連勝するというのは、プロレスであれば何か理由があってのアングルだしブックに過ぎず、現場で取材していない試合に言及する事も無いが勝負論が持ち込まれた結果とあってはこうして論ずべき事象となる。

 アクトレスガールズ8・2北千住、第4試合でも勝負論が見受けられた。

 試合とは言っても、プロレスの試合ではない。
 BeginningとColor’s、2つのブランドによる10種競技の対抗戦である。

<第4試合:20人スペシャルタッグバトル 時間無制限10本勝負>
●Beginning
 4-6
〇Color’s
※Color’sが8・14後楽園大会でのオープニングダンスでのセンターを獲得

①風船割り対決(20個)
●五十嵐乃愛
 0分30秒 20個全て割る
〇網倉理奈


 1度に2つ割るColor’s・網倉理奈の作戦勝ち。Beginningのクレームはトミーレフェリーが却下。

②哺乳瓶入りオレンジジュース早飲み対決
〇関口翔
 0分14秒 反則 ※哺乳瓶のふたを開けて飲んだため
●未依



リングに置いた状態から飲むというトミーレフェリーの指導でスタート、即蓋を外した未依が飲みきったが、Beginningのクレームで反則裁定。

③目隠し剣道(3本勝負)
●Beginning
 0-2
〇Color’s
1本目:●本間多恵(1本)茉莉○
2本目:●角田奈穂(1本)さくらんボニータ○


 2回空振りしたら負けのルール。1回ずつ空振りした直後に、茉莉がくノ一の意地で1本。
 続いて「さくらんボニータに勝つチャンスだ」の声援を受けた角田奈穂は秒殺で敗退。

④多数派獲得対決
※それぞれ観客に質問を投げかけ、多くの挙手を獲得した選手の勝ち
△桜井まい
 同数
△わか(練習生)

延長戦〜じゃんけん対決
〇桜井まい
 じゃんけん勝利
●わか(練習生)

「デビュー戦を楽しみにしてくれてる人」
という、わかの健気さに対し、コーナーでエルボー連発を喰らった桜井まい。
 桜井まいが観客の挙手は多かったが、Color’sから
「反則だ」
とクレーム。
 トミー裁定で引き分けジャンケン勝負になったが、桜井まいが勝利。

⑤ダンスバトル
●関口翔 青野未来ペア
 より多くの拍手
〇清水ひかり 林亜佑美ペア


Beginningペアはウケに走り、ちゃんとダンスしたColor’sペアの勝利。

⑥リング除菌対決
〇長谷川美子
 1分23秒 拭き残しなし
●入江綾乃


 リングを半分ずつ拭いていく対決。圧倒的に早かった入江綾乃だが、血の拭き残しを見つけられて敗退。

⑦ぐるぐるバット ビーチフラッグス
○向後桃
 0分22秒 フラッグ奪取
●櫻井裕子


 2人ともほとんどふらつかずにコーナーのハチマキをゲット。驚きの三半規管の強さ。

記事の全文を表示するにはファイトクラブ会員登録が必要です。
会費は月払999円、年払だと2ヶ月分お得な10,000円です。
すでに会員の方はログインして続きをご覧ください。

ログイン