ダニエル・ブライアンとドリュー・グラック寝技戦！オーティス&女神Happy提供SmackDown

　こういうご時世なので、現地では「金曜夜8時」からのお茶の間、メシ食べながらという方も多いと思われるが、求められるのはhappyな笑顔である。晩餐時のBGM的な大衆向け番組なのだから真剣に細部を見て「ここがオカシイ」とやってもしょうがないのであって、主役オーティスがメインのタッグ・パートナー探しという潜在的なテーマを軸に番組は進行する。アイルランドの壊し屋シェイマスには断られるも、ベビーフェイス王者のブラウン・ストローマンと組むことになり、職人組のミズ&ジョン・モリソンがお仕事をすると。最後の絵は当然ながら女神マンディ・ローズが駆けつけてhappy endingなのだった。これでいいのだ。SmackDownは真面目に見るブランドではない。

　だからといって、通常のWWE番組ではお目にかかれない様式美が披露されることもある。”外国人”サミ・ゼインは不満をブチまけていたが、インターコンチ王座が中邑真輔らを含むトーナメントで争われることに。キング・コービンにアライアスがリベンジするのはライト層もにニヤリだろうし、なぜか一回戦が「プロレス観の合う者同士」のダニエル・ブライアンとドリュー・グラックが、まるで日本の試合を見ているような寝技の攻防を披露すると。ということでsomething for everyoneという言い回しがあるが、大人のファンも満足させることを忘れないWWEは制約のある無観客大会のエンタメ番組作りでも業界盟主なのだった。

■　WWE SmackDown
日時：5月16日（現地放送時間）
会場：フロリダ州オーランド　パフォーマンス・センター

◆王者ストローマンが“Mr. MITB”オーティスのキャッシュインを見破る

　ラダー戦を制した“Mr. MITB”のオーティスとユニバーサル王者ブラウン・ストローマンがタッグを組んでザ・ミズ＆ジョン・モリソンとメイン戦で激突した。ミズTVでミズ＆モリソンがゲストのオーティスにタッグ戦を要求すると、オーティスはパートナーのタッカーが不在のためストローマンにタッグを組むように提案した。キャッシュインを警戒しながらもメイン戦に出場したストローマンはオーティスと共にダブル・キャタピラーをモリソンに決めて攻め込むも、オーティスがミズのサミング攻撃を食らって劣勢の展開となってしまう。しかし、オーティスがダブル・スープレックスをミズ&モリソンに決めてこれを打開すると、交代したストローマンがポストに誤爆しながらも最後はランニング・パワースラムでモリソンを沈めて勝利を収めた。

　試合後、マンディ・ローズがオーティスを祝福しに現れると、その隙にいつでもどこでも王座に挑戦できる“Mr. MITB”のオーティスがキャッシュインする素振りを見せたが、ストローマンにバレるとオーティスは「冗談だよ」と言ってごまかしてマンディと勝利を祝った。

◆中邑真輔 vs. AJスタイルズの一戦がIC王座決定トーナメントで決定

　サミ・ゼインが入国できないため、WWEの決定により空位となったIC王座決定トーナメントがスマックダウンで開始された。8名によるトーナメント1回戦として2試合が行われ、抗争中のキング・コービンとアライアスの試合ではアライアスがギターを壊されながらもスモールパッケージホールドでコービンを丸め込んで勝利。

　ダニエル・ブライアンとドリュー・グラックのパートナー対決ではブライアンがヒールフックでグラックにタップ勝ちを収めた。次週のスマックダウンではトーナメント1回戦として中邑真輔 vs. AJスタイルズ、ジェフ・ハーディ vs. シェイマスの2試合が行われることが発表された。

◆シャーロットとベイリーの女子王者対決が決定

　NXT女子王者シャーロット・フレアーとスマックダウン女子王者ベイリーの女子王者対決が決定した。先にリングに登場したシャーロットは「私が3ブランドに登場する理由はシンプル。人々がシャーロット・フレアーを求めているからよ」と自画自賛しているとベイリー＆サーシャ・バンクスが姿を現した。ベイリーが「私たちのリングから今すぐ出ていけ」と挑発すると、シャーロットは「変わらないわね。ベイリーが王者なのはサーシャのおかげ。私とPPVメイン戦で対決したサーシャが本当にベイリーのセコンドで満足しているの？」と疑問を投げかけて口撃。これにベイリーは「私の友情が理解できないのね。おしゃべりは十分。王者対決だ！」と対戦要求すると、シャーロットはこの対戦を受諾して2人の女子王座同士の対決が次週のスマックダウンで行なわれることが決定した。