[ファイトクラブ] 2009年のカリフラワー・アレイ・クラブ:友情賞=故・青木周平さんのこと

翌年2010年8月に亡くなったルナらバション家とテリー・ファンク

▼2009年のカリフラワー・アレイ・クラブ:友情賞=故・青木周平さんのこと
 photo & text by 藤井敏之 + 故・青木周平 w/編集部
・第55回CACは9月に延期!ロック様が開催支援を約束
・故・青木周平さんがフレンドシップ賞を受賞したのが第44回
・生前のルナ・バションがマッドドッグ、ポールらとファミリー参加
・意外!? スーパースター・ビリー・グラハムの出席
・今や人気者アイアン・シークとサージェント・スローター
・テリー・ファンク、ハーリー・レイス、デストロイヤーら常連組
・米国在住ヤス・フジイの本名はwikiなどの情報と違うものだった
・佐藤昭雄、ハクソー・ジム・ドゥガンも駆けつけて大盛況回に
・アマレス強豪だったボブ・ループ貴重なサイン入り宣材画像発見!
・青木さんを偲んで・・・2006年のCAC総会と2014年の会報


 今年開催予定であった、第55回カリフラワー・アレイ・クラブは1965年にMIKE MAZURKIとArt Abramsによって設立された非営利の親睦組織。毎年プロレスラーやプロボクサー、創世記から俳優も参加する同窓会を主催している。本年は新型コロナ・ウイルス感染が全米にも広がり、開催地予定であったラスベガスのホテルも早々と営業を閉めきるという事で、この9月に延期が発表された。ドウェイン”ザ・ロック”ジョンソンが大会支援に名前もあがってきている状況であり、なんとかこのまま感染状況が収まるよう祈るばかりだ。

 さて今から11年前の2009年、筆者の友人であった故・青木周平氏が毎回このイベントに日本から参加している事もあり、なんと当時の会長であった元AWA世界王者であるニック・ボックウンクル氏よりフレンドシップ賞を受賞したのが、第44回CAC(カリフラワー・アレイ・クラブ、以下CACと表記)総会なのである。
 筆者もできる限り権威と歴史あるこの大会に出席する事を楽しみにしていたが、会社等で行けない年度もあったというのに、青木氏は毎年日本から参加する偉業を継続されていて、こちらが行けない年は写真を送付してくれていた。週刊ファイトの貢献者でもあった青木さんの写真ともども、是非みなさんにCACの盛況ぶりを見ていただきたく、彼の思い出と秘蔵写真の数々を公開したく一筆とることに決めた。

 この年度のメイン賞でもあるアイアン・マイク・マズルキー賞には会長であるニック・ボックウンクル氏が受賞。生涯功労賞にはベルト制作のレジー・パークス氏、ルー・テーズ賞にはボブ・ループ氏。研究家や歴史家に与えられるジェイムズCメルビー賞には本誌とも繋がりのあるスティーブン・ヨーク氏が受賞している。
 男子レスリング賞にはコーミア家、アート・クール氏、佐藤昭雄氏、そしてビル・スカイ氏が並んだ。女子レスリング賞にはプリンセス・ジャスミンとルナ・バション。フューチャー・レジェンド・アワードにはトレバー・マードック、リール(映画)賞にはスコット・シュワルツ氏、Posthumous Award(死後の賞)にはジョーシ・ゴーディエンコ氏とエディ・サリバン氏、そしてレッド・バスチェン・フレンドシップ賞を青木周平さんが受賞されたのであった。

 このイベントで女子レスリング賞に輝いたルナ・バションは、父親がポール”ザ・ブッチャー”バション、伯父が元AWA王者モーリス”マッドドッグ”バション、叔母は元AWA女子王者であるビビアン・バションというレスリング・ファミリーの出である。残念なことにこの総会の後2010年にお亡くなりになられたのであるが、親父と伯父に挟まれた嬉しそうな写真が印象的である。
                    

▼ルナ・バションが死去 家を焼失により失くしたばかりの悲報

ルナ・バションが死去 家を焼失により失くしたばかりの悲報

1971年、国際プロレスに来日した時のマッドドッグ(左)とポール”ブッチャー”バション

▼ルナ・バションの悲報に続いて狂犬マッドドッグ・バション84歳で往生

ルナ・バションの悲報に続いて狂犬マッドドッグ・バション84歳で往生

 続いて久しぶりに元WWWF王者であるスーパースター・ビリー・グラハム選手も顔を出されたのだ。昭和49年ビル・ロビンソンを破り第5代IWA世界王者として初来日、マイテイ井上の三度目の挑戦で王者を明け渡したが、その怪力ぶりは凄かった!
 その後東部マットに転戦、レスリング・スタイルが好まれ一気にブレイクする。なんと1977年に時の絶対王座であったブルーノ・サンマルチノを破り第7代WWWF世界チャンピオンとなる。晩年は薬物スキャンダルを暴露しプロレス界からフェードアウトしていたのでCAC出没は驚きであった。

▼マイク・タイソンが「プロレスの殿堂」入り LAでスーパースター・ビリー・グラハムやミック・フォーリーらと歓談

マイク・タイソンが「プロレスの殿堂」入り LAでスーパースター・ビリー・グラハムやミック・フォーリーらと歓談

▼筋肉マン元祖”スーパースター”ビリー・グラハムが腸閉塞、胃酸逆流症候群他の合併症重態

筋肉マン元祖”スーパースター”ビリー・グラハムが腸閉塞、胃酸逆流症候群他の合併症重態

 さらには2015年にWWE殿堂入りしたアイアン・シークも出席していたのだ。アマレスの実績を踏まえイランからアメリカへ移住。その後テヘランでアメリカ大使館人質事件が発生、両国の関係が悪化したタイミングの反米ギミックで時流に乗り、ボブ・バックランドを破りWWF王者になるという快挙を成す!
 2019年秋には限定公開ながら、日本でも映画『アイアン・シーク』が字幕版で公開されたので、本誌は米国でも評判が高かった内容を紹介した通りの「遅れてきた人気者」である。

▼映画『アイアン・シーク』ついに字幕公開!ロック様用語ジョブロニ元祖

映画『アイアン・シーク』ついに字幕公開!ロック様用語ジョブロニ元祖

敵役のサージェント・スローター軍曹と写真に納まる。


 さらにはミュンヘン・オリンピック銅メダリストのケン・パテラ氏も温和になった表情で姿を見せた。AWAの帝王バーン・ガニアにプロレス界にスカウトされ、そのAWA、NWA、さらにWWFでも破竹の勢いで活躍したが、1984年4月、マサ斎藤を巻き込んでシカゴで警察官暴行事件を起こし刑務所入りしてからはトーン・ダウンしてしまった。しかし、その雄姿を久々CACの会場で見る事ができたのだ。

1989年3月25日、パテラはブラッド・レイガンスとの”ザ・オリンピアンズ”でAWAタッグ王者に

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