諏訪魔が宮原健斗を止めた! 新型コロナ吹っ飛ばせとばかりに26日ぶり再開大会で三冠戴冠 宮原は最多防衛タイ記録V10でストップ

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う興行自粛期間を経て、実に26日ぶりの再開となった。3月23日、後楽園ホール大会にて行われた全日本プロレスは1213人を動員。

 スワマコールが上回るが、ケントコールも消えることがない。新型コロナ感染防止目線ではタブーとされる観客の大声張り上げは、プロレスにおいて不可避。リング内のみならずリングサイドを縦横無尽に使って繰り広げられた闘いは、マスクの装着を忘れさせるほどの盛り上がりを見せる。さすがにV10を達成している宮原健斗は難攻不落。相手に十分なダメージを与えれば、すかさずシャットダウン式ジャーマンの体制に入る。これに耐えた諏訪魔は、石川修司とのタッグ暴走大巨人での合体攻撃ロケット・ブロッサムを彷彿させる助走付きドロップキックを繰り出す。ダメージの深い宮原を、ついにはバックドロップで仕留めた。

 どちらが全日本の象徴なのかを決める試合とも言われたが、諏訪魔は「今日対戦相手だった宮原。やっぱ強えな。今日はどっちが全日本の顔か決める試合だったんだけど…宮原、お前全日本プロレスだよ」とマイク。相手を称えつつも、6年5か月ぶりとなる五冠王(3冠+世界タッグ)達成の喜びに浸る。バックステージで諏訪魔は「マスク越しの声援って貴重なことだったな、今日は。マスクなかったら、本当にできないかもしれないよ。でも、気持ちは今日が一番最高だったんじゃないかな。宮原の言葉を使うとしたらさ。よかった、チャンピオンになれて」とした。

 感染状況に悪化が見られれば興行の再自粛も問われるが、この日の諏訪魔の勝利はプロレスファンの“新型コロナ吹っ飛ばせ”という思いを叶えるかのような爽快感だった。続けざまに諏訪魔がチャンピオン・カーニバルでの優勝を公約すると、チャンピオン・カーニバル出場者がアピールでリングに押し寄せていた。

 
■ 全日本プロレス 2020 DREAM POWER SERIES
日時:3月23日(月)
会場:東京・後楽園ホール 観衆1213人(満員=主催者発表)

<第1試合>
〇大森北斗
花見達也
   6分49秒 ジャーマンスープレックスホールド
●田村男児
ライジングHAYATO

<第2試合>
石川修司
岡田佑介
〇佐藤光留
  10分34秒 捕獲式腕ひしぎ逆十字固め
ブラックめんそーれ
●フランシスコ・アキラ
佐藤嗣崇

<第3試合>
秋山準
●大森隆男
西村修
  8分06秒 ヨシタツ幻想(ファンタジー)
〇ヨシタツ
TAJIRI
新崎人生

<第4試合>
ゼウス
青柳優馬
〇KAI
  6分27秒 本家公認・雁之助クラッチ
崔領二
吉田綾斗
●ギアニー・ヴァレッタ

<第5試合/世界ジュニアヘビー級選手権試合>
【第52代王者】
〇横須賀ススム
  8分35秒 夢限⇒片エビ固め
●イザナギ
【挑戦者】
※横須賀ススムが3度目の防衛に成功

<第6試合/アジアタッグ選手権試合>
【第108代 王者組】
ジェイク・リー
●岩本煌史
  12分24秒 勇脚・斬⇒エビ固め
〇木髙イサミ
宮本裕向
【挑戦者組】
※ジェイク・リー&岩本煌史が5度目の防衛に失敗。木髙イサミ&宮本裕向が第109代王者組となる

<第7試合/三冠ヘビー級選手権試合>
【第62代王者】
●宮原健斗
  31分25秒 バックドロップホールド
〇諏訪魔
【挑戦者】
※宮原健斗が11度目の防衛に失敗。諏訪魔が第63代王者となる

<大会レポートは週刊ファイト4月2日号(3月27日発売分)に収録されます>