SEAdLINNNG 3・10 後楽園 激勝の中島安里紗ラスエゴ追放! ぼっち宣言中島に藤本つかさ「アンタには私がいる!! 」

 入り口で1人1人の検温と、手の消毒を行う厳戒態勢の中、SEAdLINNNG後楽園大会が行われた。
 マスク姿の客席を見渡した南月たいようレフェリーの
「プロレスを楽しんで、免疫を高めてください」
との挨拶で始まった5試合はいずれもコロナウイルスを吹き飛ばす激闘となった。

 メインイベントは、王者・中島安里紗に挑戦者・山下りなが奇襲を仕掛けてゴング。山下りなは顔面に水を吹きかけ、ペースを握る。

 これに激昂した王者・中島安里紗はロープ際で山下りなの顔面に強烈な膝を叩き込み、反撃開始。

 この猛攻で覚醒した山下りなは、数え切れないほどのラリアート、エルボーを叩き込み、中島安里紗を追い込んだ。


 恵まれた体格を持ち、それ故にどこか抑えた様に感じられる事もある山下りな、その潜在能力を解放させた様な激しい打撃戦に、客席もいっときコロナウイルスの不安を忘れた様に大歓声で応える。
 山下りなの伝家の宝刀、スプラッシュマウンテンを再三封じた中島安里紗が、最後はスープレックスの連発で王者の貫禄を見せた。

 勝者中島安里紗が、仲間であるラスエゴを呼び込んでの締めで大団円と思われたが、ここで朱崇花が椅子で攻撃するまさかの展開。真琴、下田美馬も中島安里紗に
「あんただけ顔がシュッとしてない」
「リーダだと認めた事は一度も無い」
と、三行半を突きつけ、ユニットからの追放を宣言。

「31歳の誕生日、(4・8中島安里紗プロデュース興行)に負けをプレゼントする」
と、捨て台詞を残してかつての仲間が去り、残された中島安里紗は
「私はいつもこうなる。今までも、これからも私は独り。だけどベルトがある」
と寂しい独白。
 バットエンディングの予感に会場が静まりかえった所に、藤本つかさが登場。
 中島安里紗に蹴りをお見舞いすると、
「これは裏切りの蹴りじゃ無い、アンタには私がいる! 私がアンタの『ベストフレンズ』でしょう! 今日勝ったんだから笑え!! こんな状況でに来てくれたお客さんがいるんだよ」
と、叱責。安堵の笑みを浮かべた中島安里紗とガッチリ握手をし、一転して感動のフィナーレとなった。


 
 その妥協無き姿勢が「独りよがりプロレス」と揶揄されても、「独りよがりで結構です」と開き直り、シングル王者を引き寄せた中島安里紗。
 ユニット抗争が盛り上がる中、リーダーの座を追われたが、それが中島安里紗らしさだと、ファンも本人も苦笑いを浮かべるところでもあった。
 接触を避けなさい、他人とは離れなさい、握手なんてもっての外。
 そんな、ウイルス狂想曲の流れる時代は、殴り合う事でしか他人とコミュニュケ-ションがとれない中島安里紗の為の時代だとも言える。
 だが、そんな時代だからこそ、中島安里紗を誰よりも良く知る藤本つかさによる救済は、心に染みた。

 現実はショッパイことだらけ。だからこそ、プロレスの力にすがりたい。
 ホールの外に出ると、水道橋の夜空は雨が上がっていた。

■SEAdLINNNG 〜NEW LEAF!~
日時:3月10日(火) 開始19:00
会場:東京水道橋・後楽園ホール

全日本女子プロレスの名リングアナウンサー・故今井良晴さんのご息女、SEAdLINNNG宣伝部長「あぃりDX(デラックス)」さんと愉快な仲間達がオープニングアクトで登場


大人気のプ女子ユニット「あすきょう」は休憩前にミニライブを行った

<メインイベントSEAdLINNNG BEYOND THE SEA Single Championship30分1本勝負>
[王者]
〇中島安里紗
 15分00秒 四の字ジャーマンスープレックスホールド
●山下りな
[挑戦者]
王者中島安里紗、3度目の防衛に成功


激闘のダメージが残る山下りなは言葉少なに会見場をあとにした。

<第4試合 世志琥組vs.ラスエゴ6人タッグマッチ30分1本勝負>
[世志琥組]
〇世志琥(SEAdLINNNG) 小林香萌(フリー) 優宇(プロレスリングEVE)
 16分55秒 朱崇花ファンタジー切り返し⇒エビ固め
下田美馬(フリー) 真琴(フリー) ●朱崇花(フリー)
[ラスエゴ]

<第3試合タッグマッチ(20分1本勝負)>
△松本浩代(フリー) 朱里(MAKAI)
 時間切れ引き分け
△水波綾(フリー) 高瀬みゆき(アクトレスガールズBeginning)

<第2試合ハイスピード3WAYマッチ20分1本勝負>
〇つくし(アイスリボン)
 8分31秒 直伝ラ・マヒストラル
●松井珠紗(アクトレスガールズ Color’s)
※もう1人はLeon(PURE-J女子プロレス)

 ハイスピードと言えど容赦無しのSEAdLINNNG。つくしのドロップキックが南月たいようレフェリーの顔面にまともにヒットして口から流血!


 血をにじませた南月たいようレフェリー(左)と何食わぬ顔で並び、満面の笑みのつくし(右)

<第1試合シングルマッチ20分1本勝負>
〇藤本つかさ(アイスリボン)
 9分33秒 極楽固め
●花穂ノ利(SEAdLINNNG)

※全カード詳報は、電子書籍版『週刊ファイト』3月19日号に掲載予定

■ SEAdLINNNG 中島安里紗プロデュース興行
日時:4月8日(水) 開場18:30 開始19:00
会場:東京・新宿FACE