CMLL日本女子選手権初代女王はダリス ! 1・22新木場レディースリング盛況も至宝はメキシコへ!!

 雨模様の平日夜にも関わらず250人(主催者発表)と盛り上がった1・22新木場『CMLLレディースリング Numero2』。
 メインは、今回新設されたCMLL日本女子王座戦で、このタイトルを賭けて「宇宙一強い女」メキシコCMLLのダリスに挑んだのはベストボディ・ジャパンプロレスの初代BBW女子王者であり、現役グラドルでもある白川未奈。 

 幸先良く1本目を先取したが、3本勝負に長けたダリスの前にスタミナ切れ、2本を連取され、初代女王の座を逃した。

 ダリスはベルトを
「部屋に飾る」
と宣言しており、せっかく新設した虎の子のベルトを早々にメキシコへ持ち去られたCMLLレディースリングとして奪還は急務。

 白川未奈は渡墨してのリベンジを誓っているが、レギュラー参戦選手でメキシコ遠征経験のあるアクトレスガールズの本間多恵、あるいはこの日改めて遠征を直訴したアイスリボンのつくしもコンテンダーの資格充分。
 鎖国を標榜する女子団体が台頭する中、団体の垣根を越え、太平洋を跨いで抗争する圧倒的なスケールは、女子プロレスを知り尽くし、豊富な人脈を誇る泉井編集長によるCMLLレディースリングならではのロマンを感じさせる。
 今後の展開も要注目と言えよう。

 オープニング入場式では出場全選手がリングイン。その後、大会ゲストである故・ブラックキャット夫人のマル幸枝さん、フアン・
マヌエル氏ご子息のルチャドール・スカンダロ、今大会の立会人フアン・マヌエル・マル氏(CMLL大会責任者)が登場。一同で記念撮影となった。

■ CMLLレディースリング Numero2
日時:1月22日(水) 開始19:00
会場:東京・新木場1stRING
観衆:250人(主催者発表)

<第1試合 カラーズ1周年記念試合 タッグマッチ15分1本勝負>
茉莉 〇林亜祐美
 10分46秒、ジャックナイフ固め
●松井珠紗 入江彩乃

 昨年1月20日、所も同じ新木場1st RINGで旗揚げしたColor’sの旗揚げ1周年記念の提供試合がこの日のオープニングマッチ。しかもそれぞれのキャラとカラーに合わせたマスクを着けての一戦はCMLLジャパン大会に相応しい、華やかかつスピーディな攻防戦になった。試合は連係や合体技で主導権を握る松井&入江に対して、試合巧者の茉莉が要所要所で流れを断ち切りっていく展開。最後も松井&入江の合体攻撃に苦しむ林を茉莉がトラースキックの連打で救出。倒れ込む松井を林がジャックナイフに決めて逆転勝ちを飾った。

<マノ・ア・マノ 10分1本勝負>
〇世羅りさ
 8分24秒、逆エビ固め
●杏ちゃむ

 世羅と杏ちゃむのシングル初対決。序盤は得意のグラビアポーズで世羅を挑発していた杏ちゃむだが、徐々に世羅のパワーが軽量の杏ちゃむを追い込んでいく。
 杏ちゃむをジャイアントスイング10回転で吹っ飛ばした世羅は、必死に食らいついて来る杏ちゃむの攻撃をしのぐとセラリズムバスターからのコンバインでギブアップを奪った。

<タッグマッチ15分1本勝負>
下田美馬 真琴
 時間切れ引き分け 
舞華 本間多恵

 CMLLジャパンのレギュラーであり、共にCMLLでの試合経験を持つ下田と本間がタッグで対戦した。
 ルード色出しまくりで激しい攻撃を仕掛ける下田は真琴をうまくコントロールしながら、試合を支配していく。しかし、レジェンドを相手にも一歩も退かない本間と舞華。本間が下田に負けない動きの速さと切り返しをみせれば、舞華は柔道殺法全開で応戦する。試合は両チームが力の入った互角の攻防を展開し、15分ドローに終わった。

<第4試合 マノ・ア・マノ 10分1本勝負>
ハロチータ
 時間切れ引き分け
つくし

「メキシコで試合がしたい! 」
と公言するつくしとハロチータとのシングル戦。
 2人はアイスリボンの1・26名古屋大会でリボンタッグ王座を賭けてタイトル戦を行うことが決定しており(=藤本つかさ&つくしvs.ダリス&ハロチータ)、この試合はその前哨戦でもあった。
 つくしは場外プランチャも決めるなど、互角の攻防戦となったがタイムアップのドローに。
 試合後、つくしは
「こんなに追い込まれるとは思ってなくて、メキシコの人は強いっていうのは分かってたんですけど、こんなに何も出来ずに終わったっていうのが凄く悔しいです」
と語ると、CMLL幹部のファンマヌエルマル氏に
「自分は今年中にメキシコに行くという夢を叶えたいんです。今日はドローでメキシコに行けないっていう結果になっちゃったけど、26日の名古屋リボンで自分がベルトを防衛したら、メキシコに行きたいです」
と熱く訴えた。ファンマヌエルマル氏は
「CMLLはいつでも門を開けて待っています。CMLLの選手は世界一強いと私は自負していますので、それを覚悟の上でもう一度挑戦してきてください。身体が小さくても頑張ってるのは今日の試合を観て分かりました。メキシコにはハロチータと同じぐらいの背の高さの選手はたくさんいます。その選手たちに負けないようなトレーニングをして来てください。26日に勝てばメキシコ遠征を許可します。期待しています」
とつくしにラストチャンスを与えた。
「今日の一戦に賭けていたので、これは悔し涙なんです。でもこうやってまたチャンスを頂けたので二度とチャンスは離さないです。結果を残してから自分はメキシコに行きたいと思います」
と決意を新たにしたつくし。26日の名古屋でのリボンタッグ王座防衛戦にすべてを賭ける。

<第5試合 CMLL日本女子選手権 時間無制限3本勝負>
〇ダリス
 2-1
●白川未奈

1本目 白川(3分46秒、腕ひしぎ十字固め)ダリス
2本目 ダリス(2分28秒、ベイビーボム⇒片エビ固め)白川
3本目 ダリス(5分8秒、ドクターボム)白川
※ダリスが初代王者となる

 1本目からダリスはパワー全開。白川が腕十字固めを決めれば、そのまま片腕で白川ごと抱え上げ、さらに豪快なカンパーナで揺さぶっていく。そんなダリスをコーナーに飛ばした白川。投げられたダリスがコーナーを蹴って突進してくると、それに合わせて飛びつき腕十字固め。これががっちり決まり、白川がギブアップ勝ちで先取。
 2本目、カウンターのソバットで白川の動きを止めたダリスがロープはりつけのストンピングから噛みつきとラフ攻撃に出る。さらに白川のコーナーからのクロスボディを捕まえると、振り子式サイドバスターで、ダリスがフォール勝ち。1-1のタイに持ち込んだ。
 そして決勝の3本目。激しいチョップ合戦、エルボー合戦からダリスがゴリースペシャルを決めれば、白川はフライングクロスチョップ3連発で応戦する。さらにエプロンから場外へのボディシザースなど、白川もタイトル獲りに王手を賭けるが、最後はその白川の高々と抱え上げたダリスが豪快なライガーボムを決めカウント3。ダリスが初代CMLL日本女子王座を戴冠した。

 試合後、マイクを手にした白川は
「負けた。負けちゃった…。私は宇宙一セクシーな女なんです。そのベルトとあなたを追いかけて、絶対にメキシコに行きます! そのベルトを獲り返します! 」
とベルトを奪うためにメキシコに行くことを公言した。

〈試合後のダリス〉
「まず、日本にありがとうと言いたいです。そして、初代チャンピオンになれたことがとても嬉しいです。アマゾネス王座と2冠になれたことで、より嬉しく思います。今日は主人(=ネグロ・カサス)が観ていたので、より頑張れたと思います。日本の選手たちはみんな良い選手です。でも今回は主人がいたことと立会人んでファンマヌエルマルさんがいたことが励みになりました。ありがとうございました。
カサス 日本の選手は男子も女子も強い選手ばかりだというのを私は知っています。今回の試合を観てて日本人選手は上手い選手だと思った。でも今回は妻のダリスが勝ったことが私にとっての喜びです」

CMLLファンマヌエルマル氏
「今回新しいCMLLのベルトが出来、そのベルトをダリスが日本で巻くことが出来たのはとても意味のあることだと思う。今回の件はCMLLの上層部にしっかりと報告するつもりだ。今回の件は大々的にメキシコでも報じていくつもりだ。CMLLとCMLLレディースリングの架け橋に私がなっていければと思っている。ありがとうございます」

〈試合後の白川〉
「1本目にして欲しかったぐらい1本目は十字がキレイに取れて、今日はルチャの動きに飲み込まれたくなくて、私は最近柔術のプラクティスをしてるんで、彼女のリズムに飲み込まれないように自分らしい技を出したという自負はあったんですけど、初めて3本勝負して、正直スタミナが最後の方まで保たなかったなってぐらい、必死でドロップキックを打つとか手数を打つしかなくて、だからスタミナもなくなっちゃって、だけどダリスは凄い。
余裕でたぶん試合をしてたと思うので、今日は自分の中でも負けたなって思います。でも、まだまだ練習しなきゃいけないことも今日は見えたので、また練習して、スタミナと、あとはやっぱり私、メキシコに取り返しに行くって言いましたから、ルチャルブレのジャベとかをもっともっと練習して、必ずあのベルトを巻きたいと思います。今日は正直完敗でした。彼女に勝つとしたらルチャリブレを彼女と同じぐらい上手くなるのとプラス、プロレスを大事にして、そうしたら彼女よりも上のテクニックで勝ちに行けると思うので、もっともっと頑張ります」