ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』66ケン・片谷版 “私的”鷹の爪大賞2019

▼ケン・片谷版 “私的”鷹の爪大賞2019

《大賞(ベストバウト)》
10・6 キングダムエルガイツ北沢大会 対入江秀忠

《ベストフード賞》
ニューヨークにて自分で焼いたステーキ

《頑張ったで賞》
各種ボランティア活動

《エキサイティング賞》
ラグビーワールドカップ日本開催で思い出した宝物

《特別賞》
田中秀和リングアナウンサーからコールを受ける

 鷹の爪大賞 ケン・片谷版です。
 ただし、あくまでも“私的”なランキングとなりますので、突っ込みはご容赦願います(笑)!


《大賞(ベストバウト)》

 大賞、つまり今年のベストバウトには、10月6日北沢タウンホールで行われた、入江秀忠戦を挙げます。実はこの試合、負け試合であり内容もちっとも良いものではないのですが、オイラにとってはちょっとした思い入れのある試合でした。

 この日は、キングダムエルガイツ旗揚げ20周年記念大会として行われました。オイラがプロデビューした団体、しかも同じ会場に還ってきたのです。さらに、相手は団体の代表でエースである入江秀忠選手。色々な意味で感慨深いものがありました。
 この試合は、全試合終了後、つまり事実上のメインとして行われました。試合形式がこれまた変わっていて、ロープを全て外し場外での決着もありという、格闘技戦史上初の『ノーロープ エニウェアフォールマッチ』となったのです!

 試合は一方的にマウントを取られ、殴られ蹴られまくり、最終的にはチョークスリーパーでギブアップ負けしてしまいました。しかし、52歳でキングダムルールのリングに挑んだ勇気を称え、自分自身を褒めてやりたいと思います。

《ベストフード賞》

 ベストフード賞は、自分で焼いた超特大ステーキです!
 今年もオイラの“第二の故郷”ニューヨークに行ってきました。今回はマンハッタンを離れ、ブルックリン地区のキッチン付きの安ホテルに滞在しました。
 食事はほとんどホテル内のキッチンで自炊していたのですが、やっぱり最高のメニューはステーキです! 幸いホテルの近くに大きなスーパーマーケットがあり、そこで安いステーキ肉を購入することができました。

 オイラが食べていた肉は、1ポンド(454g)たったの2ドル99セント(300円ちょっと)! 日本のステーキハウスと比べると10分の1以下の値段です。大好きな『A1ステーキソース』とマスタードで、毎日のように2ポンド以上の肉を焼いて食べていました。
 日本のそれに比べると、肉質は硬く顎が疲れてしまいそうでしたが、ボリュームと安さは何物にも替えられませんでした。

《頑張ったで賞》

 頑張ったで賞は、災害ボランティアをはじめとする様々なボランティア活動を頑張った自分のために与えます。
 東日本大震災以降、日本国内では未曾有の災害が頻繁に起きています。

 オイラは大学で『早稲田大学ボランティアセンター』通称WAVOCというボランティアサークルに入っています。今年は、9月に台風19号で甚大な被害を受けた、千葉県富津市に災害ボランティアに行ってきました。
 3階建ての古民家は、屋根を完全に吹き飛ばされ全壊状態でした。膨大な家具や書物を、バケツリレーで外に出すお手伝いをしましたが、ほとんどは使い物にならないでしょう。畳は水を含んでいるため、何倍もの重さになっており、すでに腐敗が始まっているため異臭がしました。

 劣悪な環境での作業となりましたが、家主さんの笑顔に本当に救われました。一番辛いはずなのに、ボランティアに訪れた我々に“ありがとう”と言ってくださるのです。感謝したいのはこちらの方です。被災の記憶は一日一日薄れていきますが、実際にはまだまだ復興には程遠い地域がたくさんあります。明日は我が身と思い、一人一人が災害のことを忘れないよう心掛けていきたいものです。

《エキサイティング賞》

 やはり今年の話題といえば、個人的にも大好きなスポーツである、ラグビーワールドカップ日本大会です!
 もちろん、オイラも生観戦しました! 残念ながら日本戦のチケットは取れませんでしたが、日本と同じプールAのロシアVSスコットランド戦を静岡まで観に行き、大興奮して帰ってきました。

 ラグビーワールドカップの盛り上がりで、オイラにとってどうしても忘れることのできない大切な思い出が蘇ってきました。ラグビー出身のプロレスラーは何人かいますが、オイラは元日本代表の阿修羅原さんが大好きでした。オイラが中学2年生の時、当時全日本プロレスで活躍していた原さんにファンレターを出したところ、なんと直筆の返事が返ってきたのです!
 便箋3枚に渡るとても丁寧なお手紙で、原さんのお人柄が忍ばれる優しい内容のものでした。そして、3枚目には原さんのサインまで書かれていました。
 何度も何度も読み返したり、こっそり学校に持って行って友達に自慢したりしていたので、もうすっかりボロボロになってしまいましたが、40年近く経った今でもオイラの大切な宝物です。

《特別賞》

 特別賞は、“ケロちゃん”こと田中秀和リングアナウンサーにコールされたことです!

 これまで、タイガー・ジェット・シン、ハックソー・ジム・ドゥーガン、藤原喜明、谷津嘉章(敬称略)・・・多くのレジェンドレスラーと対戦させていただいてきましたが、新日本プロレスの昭和の黄金期を盛り上げた田中リングアナに“ケン・片谷”の名前をコールされるのは、それに匹敵する喜びでした! よって、十分賞に値すると判断し、特別賞を設けました。

 以上がオイラの“私的”鷹の爪大賞2019となります。

 今年も本当に色々なことがありました。来年はどんな年になるのか?
 2020年もどうぞよろしくお願いいたします。