12・5後楽園の妥協無き激闘! これが正当派ストロングスタイルのプロレス!!

「ストロングスタイルのプロレス」の源流を遡ると、やはり1966年の東京プロレス旗揚げ戦のアントニオ猪木vs.ジョニー・バレンタインに行き着くだろう。
 妥協の無い叩き潰しだけの金髪の妖鬼との、足すものも引くものもない原始的な闘い。
 週刊ファイト創刊前、I.Y編集長はその闘いに猪木の
「これなんだ! これが俺の言うプロレスなんだ」
との魂の咆哮を感じ、その衝撃が活字プロレスを産んだ。
 近年になって佐山サトルが
「真剣勝負では無いがガチンコ」
と定義した、闘いを内包したストロングスタイルのプロレス。それがシューティングを産み、さらにUWFが分派し、パンクラスが誕生した。つまり勝負論のある総合格闘技もまた、ストロングスタイルのプロレスに遡る事ができる。

 そして2019年の現在、世界中に拡がり、細分化した、観せる“闘い”。
 その中にあって、源流たるストロングスタイルのプロレスの正当な継承者はやはり、東京プロレス旗揚げに尽力した新間寿氏と、その流れの新日本プロレスの中から産まれた初代タイガーマスク・佐山サトルがいるリアルジャパンプロレスであり、だからこそプロデュースする大会に『ストロングスタイルプロレス』を標榜する資格がある。

 12・5後楽園の第4弾、メインイベントには、新日⇒IGFの猪木直系の遺伝子、藤田和之と、新日から猪木の元を離れ、UWFへと転じた、佐山サトルの隔世遺伝子である船木誠勝との1戦をマッチメーク。

 プロレスからリアルファイトへ転じ、ミルコ・クロコップ、エメリヤーエンコ・ヒョードル、ヒクソン・グレイシーといった格闘家と歴史に残る死闘を繰り広げた。その希代のプロレスラー2人の濃縮された10分弱に満員の観衆は酔いしれた。


「国技館、武道館で『ストロングスタイルプロレス』をやれる様に」
と、王座戴冠を前に語った、王者藤田和之。
 その言葉通り、初防衛戦で平日の後楽園ホールは超満員となった。

 藤田の盟友・鈴木秀樹の叩き潰す様な闘い、梶トマトは初参戦で闘いを内包した飛翔で魅せ、澤田敦志は宣言通り柔道着で異種格闘技戦を彷彿とさせる投げ合いを見せた。生え抜きの苦労人、間下隼人が2020年へ向けていよいよベルト奪取の機運が高まり、スーパー・タイガーは、リアルファイトでも部類の強さを誇る同志でもある関根“シュレック”秀樹との激闘で再起戦を飾った。
 混沌の国内プロレス市場ではあるが、ストロングスタイルプロレスの、選ばれた者だけが表現できる“闘い”の価値が浸透していけば、自ずとその眼で確かめたいファンが付いてくる。
 そんな、2020年代の正当派ストロングスタイルのプロレスの復権を予感させる水道橋の激闘であった。両国へ向け、レールは敷かれている。

 
■ 初代タイガーマスク佐山サトルストロングスタイルプロレスVol.4
日時:12月5日(木) 開始18:35
会場:東京水道橋・後楽園ホール
観衆:1659人(超満員札止め)


新間寿氏(左)は、来年力道山追悼の大会を開催する事を表明。
マイクを握った力道山未亡人の田中敬子さんから、力道山が死の間際まで口にしていた言葉
「ネバーギブアップ」がプロレスファンに贈られた

<第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
〇鈴木秀樹(はぐれIGFインターナショナル・小林軍団・杉浦軍)
 6分22秒 チキンウィングアームロック ※レフェリーストップ
●LEONA(ドラディション)

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
日高都人(ZERO-1) 〇大門寺宗(ランズエンドプロレスリング)
11分28秒 五山送り火ボム⇒体固め
梶トマト(2AW) ●伊香保京介(ランズエンドプロレスリング)

<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
〇タカ・クノウ(フリー)
 7分37秒 チョーク・スリーパーホールド
●澤田敦志(我孫子市)

猪木vs.ルスカ戦へのオマージュとばかりに柔道着を脱いだ澤田敦志を豪快に投げすてたタカ・クノウ

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
関本大介(大日本プロレス) 〇間下隼人(リアルジャパンプロレス) 岩崎考樹(ガンバレ☆プロレス)
 12分33秒 上段回し蹴り⇒片エビ固め
アレクサンダー大塚(AO/DC) 崔領二(ランズエンドプロレスリング) ●将軍岡本(ブードゥーーマーダーズ)


ステージに叩きつけられるなど、総攻撃を耐え抜いた間下隼人が大逆転の勝利。
生え抜きの苦労人が遂に将軍岡本のUWAアジアパシフィックヘビー級選手権に挑戦を表明した。

<第5試合 セミファイナル シングルマッチ 30分1本勝負>
〇スーパータイガー(リアルジャパンプロレス)
 8分21秒 ツームストンパイルドライバー
●関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)

<第6試合 メインイベント レジェンド選手権 シングルマッチ 60分1本勝負>
[王者]
〇藤田和之(はぐれIGFインターナショナル)
 9分26秒 チョーク・スリーパーホールド
●船木誠勝(フリー)
[挑戦者]
第14代王者・藤田和之が初防衛に成功

※大会の詳報は、電子書籍版『週刊ファイト』12月15日発売号に掲載