頭ナデナデで挑発してきた拳王に鈴木秀樹が観客に気づかれないよう金的! 杉浦軍vs.金剛トリオの奇跡的な面白さに観客熱狂 ノア12・3後楽園

 3日、ノアはレギュラー興行としては年内最後の後楽園ホール大会を開催した(杉浦軍興行は開催あり)。

 最注目は、セミファイナルの「杉浦貴&藤田和之&鈴木秀樹vs.拳王&稲村愛輝&マサ北宮」となった。イッテンヨンでのGHCナショナル王座戦の顔合わせであるが、ゴングを待たずに杉浦が北宮に襲いかかる。すると、秀樹が稲村と戦闘を開始。残り物的と言うべきか、いきなり藤田と拳王が注目の接触となった。場外でやり合うが、拳王がカウンターの顔面蹴りを藤田に見舞って観客がドッと沸く。

 怖いもの知らずの拳王が止まらない。リング内での攻防で秀樹の髪を乱すかのように頭ナデナデを繰り返す。さらには試合権利を無視して執拗に秀樹へと突っかかる拳王。これにはカチンときたのか、秀樹は食らった方しかわからない軽めの金的をコーナーで拳王に見舞う。あえて全力ではない「いつだって本気で入れられるんだぜ」とでも主張するような一撃に、拳王はやや崩れつつも平静を装う。カットされないものだと思われるが、8日のCS「FIGHTING TV サムライ」での放映が注目される。

 藤田と秀樹を中心とした「その場でさばく」レスリングには、対戦相手の肉体がまるで悲鳴を上げるようだった。それでいて、立ち向かう金剛トリオもまた間違いなく株を上げた試合となる。勝敗は予想に反して、前哨戦にして王者・杉浦が挑戦者・北宮を仕留める。杉浦がマイクを握り「杉浦軍、俺と鈴木、藤田が組んだら負けねぇよな。どう思う、藤田?」と投げかけ。すると、あれだけ参戦自体の是非が起きていた藤田にフジタコールが浴びせられるではないか。ある種の市民権を得たようでもあった。秀樹の金的は気づかれにくい攻防だったが、わかる範囲での攻防でも奇跡的な面白さとなって観客は熱狂したのだ。

 
■ プロレスリング・ノア STARTING OVER 2019
日時:12月3日(火)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆1083人(主催者発表)

<第1試合>
岡田欣也
NOSAWA論外
〇大原はじめ
  12分03秒 ムイビエン
Hi69
田中稔
●宮脇純太

<第2試合>
●イホ・デ・カニスルプス
  12分07秒 ツイスターベイン⇒片エビ固め
〇ドラゴン・ベイン

<第3試合>
〇小峠篤司
鈴木鼓太郎
小川良成
  12分44秒 前方回転エビ固め
YO-HEY
●タダスケ
原田大輔

<第4試合>
●井上雅央
齋藤彰俊
クワイエット・ストーム
モハメド ヨネ
  16分27秒 不知火⇒体固め
熊野準
谷口周平
〇丸藤正道
清宮海斗

<第5試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合>
[挑戦者]
●クリス・リッジウェイ
  20分14秒 ヘデック⇒エビ固め
〇HAYATA
[第40代選手権者]
※HAYATAが3度目の防衛に成功

<第6試合>
稲村愛輝
●マサ北宮
拳王
  21分35秒 レフェリーストップ
鈴木秀樹
藤田和之
〇杉浦貴
※フロントネックロック

<第7試合>
〇潮崎豪
  29分20秒 ムーンサルトプレス⇒片エビ固め
●中嶋勝彦