サバイバー・シリーズRAW1-NXT4-SmackDown2女子がメインイベント

photo by George Napolitano

 とにかく長いのは勘弁してくれというのがマスコミ担当記者の本音である。プリ・ショーで2時間、本戦で3時間半になるのだから集中力も途中で切れる。会場客はもっと早くから疲れだしていた。本誌は現地取材なので、自前写真の整理とかもあるから丸一日潰れてしまう。ただ、これまでのいつものWWEと違って、やはりNXTが加わった効果もあって良い大会ではあった。部分的には斬新な展開もあれば、新たな刺激を見いだせたことは公平に誉めなければなるまい。


 やはり最大の驚きは、引き続きNXT勢が躍進したことに尽きる。RAWやSmackDownでの露出があり、十分に目的を果たしたこともあり、より一般向けの『サバイバー・シリーズ』となると、地上波FOXに移行したSmackDownをoverさせるのだろうと踏んでいたのだが、最終的には「RAW1勝、NXT4勝、SmackDown2勝」である。まぁ紅白歌合戦と同じで、紅組が勝とうが、白組が勝とうがどうでもいい、BABYMETALとか出すというなら録画予約するが、「もう何十年も見てねぇよ、こっちはさいたまスーパーアリーナに決まってるじゃないか」というのと一緒。対抗戦の勝敗には意味なんかないのだが・・・。


 本戦最初の女子5対5エリミネーション戦からして、お客さんが「NXT! NXT!」大合唱なんだから、実況も「ここではNXTがアンダードックのハズなのに・・・」の通りなのだ。普通に考えたらNXTがヒール役なのに、会場客が声援を送るのがNXTなんだから、一番偉いのはお客さんであり、お客さんが決めるのがプロレス芸術の底なし沼たる由縁になる。前日に続いて、ここでもリア・リプリーが勝利という本戦の掴みは、大満足だったのではなかろうか。

 もっとも、大人のファン的には最も注目である超職人ロデリック・ストロングが、中邑真輔やAJスタイルズと3 wayで戦うカードとか、大いに期待させたんだが担当のエージェントはいつものWWE流トリプルスレッドにデザインしてしまい、明らかにお客さんがダレ始めてしまって「CMパンク! CMパンク」合唱を始めてしまうのだから、それは問題ということになろう。しかも、さすがにそのCMパンクはシカゴが地元なんで、顔見世やるのかと普通に思ったのに結局ナシというのもどうなんだろうか。まぁ翌日のRAWという隠し玉はありなんかもだが、やはりFOXとの番組出演契約なのであって、裁判沙汰までになっかたWWEの会場をまたぐのは難しいものがあるのかも。

 また、男子エリミネーション戦にせよ、全員が揃う場面でお客さんは「ウォルター! ウォルター!」をやり出したのだから、これこそガチのサプライズか。そういう時は、試合中に順番を変えてやれよとも思うのだが、そんなことは出来ないのがWWEである。なんと最初に落とされるのがウォルターなんだから、やれやれという。ただ、やっぱりムスタファ・アリは客に受けてるじゃないかとか、そして前夜に続きというか、正確にはSmackDown中継もなんだが、いよいよキース・リーが最後まで残る役でプッシュされたのは本誌的には二重丸になる。お約束で最後にピンするのはローマン・レインズなんだが、記録よりも記憶が重要だからプロレスは難しいのだ。あいかわらず、ベビーフェイスなのにセス・ロリンズはブーイングされていたけど(笑)。トマソ・チャンパもそうだし、一連のブランド対抗テーマで、ライト層ファンには馴染みがなかったハズの選手にも光が当たったのだから、その観点からも2019年の『サバイバー・シリーズ』は記憶に残る大会ではあったのだ。

 『レッスルマニア』に続いて、2番目に古い『サバイバー・シリーズ』もまた、トリを飾ったのは女子カードだった。そこが2019年の歴史として重要なのである。勝ったのはベイリーをタップさせたシェイナ・ベイズラー。但し、ベッキー・リンチは「お前にはまだ負けてない」とばかり、シェイナをアナウンサー・テーブル葬にするエンディングに。「マンマ、ミア~!」実況のマウロ・ラナートが加わる予定だったのが・・・とか、舞台裏分析の拡大版は金曜29日発売の週刊ファイト12月5日号の収録となるが、NXTの日本通で知られる解説ナイジェル・マクギネスが加わっただけで、深みが増したカードがあったことは特筆しておく。

■ WWE サバイバー・シリーズ
日時:11月24日(現地時間)
会場:イリノイ州シカゴ オールステート・アリーナ

<KICKOFF第1試合 クロスブランド・タッグチーム・バトルロイヤル>
ドルフ・ジグラー ○ロバート・ルード
 8分20秒 オーバー・ザ・トップロープ
●ストリート・プロフィッツ

参加:ギャローズ&アンダーソン、ストリートプロフィッツ、ザック・ライダー&カート・ホーキンス、リバイバル、ヘビーマシナリー、ドルフ・ジグラー&ロバート・ルード、ルチャ・ハウス・パーティ、ブリーザンゴ、フォーゴトゥン・サンズ、インペリアム

<KICKOFF第2試合 クルーザー級座3WAY戦>
[王者] ○リオ・ラッシュ
 8分20秒 フロッグスプラッシュ
[挑戦者] ●カリスト
※もうひとりは戸澤陽

◆戸澤がダイビング・セントーン炸裂もクルーザー級王座奪取ならず

 “スタミナモンスター”戸澤陽が王者リオ・ラッシュ、カリストとクルーザー級王座をかけてPPV「サバイバー・シリーズ」キックオフで激突した。序盤、戸澤はカリストと共にラッシュに襲い掛かると、リオに騙し討ちジャブを放って雄叫びを上げた。さらに戸澤はドロップキックやジャーマン・スープレックスでラッシュに攻め込み、終盤には得意のダイビング・セントーンをラッシュに炸裂させるもカリストがカットに入ってカウント2。果敢に攻め込む戸澤だったが、最後はラッシュがファイナルアワーでカリストを沈めて3カウント。戸澤は善戦も王座に届かずラッシュが王座防衛に成功した。

<KICKOFF第3試合 タッグ王者対決トリップルスレッド>
RAW ○バイキング・レイダース
 14分35秒 バイキング・エクスペリエンス
NXT カイル・オライリー ●ボビー・フィッシュ
※もう一組はSD ニュー・デイ

<第4試合 女子5対5エリミネーション戦>
SD ●サーシャ・バンクス カーメラ デイナ・ブルック レイシー・エバンス ニッキー・クロス
 28分00秒 リップタイド
NXT ○リア・リプリー 紫雷イオ ビアンカ・ブレア トニー・ストーム キャンディス・レラエ
※もうひとつのRAWチームはシャーロット ナタリア アスカ カイリ・セイン サラ・ローガン

◆アスカが仲間割れのシャーロットに毒霧!イオのチームNXTがエリミネーション戦制す!

 チームRAWのアスカ&カイリ・セイン、チームNXTの紫雷イオが参戦する5対5女子エリミネーション戦がPPV「サバイバー・シリーズ」で行なわれた。序盤、元盟友のカイリとイオがリングで睨み合うとカイリがハリケーン・ラナを繰り出せば、イオが顔面に強烈なドロップキックで応戦して火花を散らし、さらにアスカはレイシー・エバンスにヒップアタック、リア・リプリーにはアーム・バーを決めて果敢に攻め込んだ。しかし、試合途中に突如チームNXTのイオとキャンディス・レラエが場外で倒れ込むとそのままバックステージに退場。カイリは数的不利となったチームNXTのトニー・ストームに裏拳からインセイン・エルボーを炸裂させたが、その隙にサーシャ・バンクスがダブル・ニーを放ってカイリはここで脱落となってしまう。これに怒ったアスカがリア、レイシーにキックを放つと、トニーにはヒップアタック、デイナ・ブルックにはスピンキックを放って脱落させた。

 しかし、ここでシャーロット・フレアーがアスカにタッチして勝手に交代すると2人は大揉め。背後から攻撃を受けたアスカは反撃とばかりに毒霧をシャーロットに吹き掛けてリングを後にしてしまう。試合終盤にはサーシャとリアが残って一騎打ちとなるとサーシャがバンクステートメントでリアを追い詰めたが、戻ってきたイオがスプリングボード・ミサイルキックをサーシャに放つと最後はリアがリップタイドを決めて3カウント。WWE3ブランド対抗の5対5女子エリミネーション戦はチームNXTが制した。

 試合後、アスカとカイリは「意味わからへん。どこが女王なん? うちらの方が女王やし。何がクィーンなん? どういうこと。許せんやったろ」と“女王”シャーロットに敵意を剥き出したコメントをすると、勝利したイオは「このNXTがなんと勝ち抜いたぜ! わかるかこの意味。NXTこそが今のWWEの中心であり、NXTこそがメインロースターなんだよ」と勝利の喜びを絶叫した。

<第5試合 王者対決トリプルスレッド>
[IC王者] ●中邑真輔 w/サミ・ゼイン
 16分45秒 フェノメナルフォーアームをAJが中邑に決めるが、漁夫の利でロデリックがピン
[NXT北米王者] ○ロデリック・ストロング
※もう一人は[US王者]AJスタイルズ

◆中邑とスタイルズが激闘もストロングがフォール横取り

 IC王者中邑真輔 with サミ・ゼインが因縁のUS王者AJスタイルズ、NXT北米王者ロデリック・ストロングとWWE3ブランド対抗の王者対決で激突した。序盤、中邑はニー・ドロップやランニング・ニーをスタイルズに決めると、ストロングにはかかと落としからのランニング・ニーで攻め込んだ。さらに中邑はスタイルズがストロングを抱えたところでライダーキックを放つとそのままキンシャサを狙ったが、スタイルズに足を引っ張られてチャンスを逃してしまう。続けて中邑はリバース・パワースラムからキンシャサをストロングに炸裂させるも、スタイルズが再びカットに入ってカウント2。再三チャンスを潰された中邑は「カモーン」とスタイルズを挑発するとスピニング・ヒールキックからランドスライド決めて追い詰めるも、スタイルズのフェノメナール・フォアアームを食らってダウン。しかし、ここでチャンスを狙っていたストロングがスタイルズを排除すると、倒れ込んだ中邑から3カウントを奪取。WWE3ブランド対抗の王座対決はNXTのストロングがフォール横取りで勝利した。
 試合後に中邑は「ロウAJスタイルズ、俺とお前は永遠のライバルだよな。そしてNXTロデリック・ストロング、俺は知ってるぜお前のこと。何度も何度も戦ったよな。願わくば勝ちたかった。でも楽しかったぜ久しぶりに。また会おうぜバカども」と試合を振り返った。

<第6試合 NXT王座戦>
[王者] ○アダム・コール
 14分10秒 ラストショット
[挑戦者] ●ピート・ダン

<第7試合 ユニバーサル王座戦>
[王者] ○“ザ・フィーンド”ブレイ・ワイアット
 10分10秒 マンディブル・クロー
[挑戦者] ●ダニエル・ブライアン

<第8試合 男子5対5エリミネーション戦>
SD ○ローマン・レインズ ”キング”バロン・コービン ブラウン・ストローマン ムスタファ・アリ ショーティG
 29分25秒 スピアー
NXT トマソ・チャンパ マット・リドル ダミアン・プリースト ●キース・リー ウォルター
※もうひとつのRAWチームはセス・ロリンズ ランディ・オートン ケビン・オーエンズ リコシェ ドリュー・マッキンタイア

<第9試合 WWE王座ノーホールズバード+ノーDQ戦>
[王者] ○ブロック・レスナー
 7分00秒 F5
[挑戦者] ●レイ・ミステリオ

◆レスナー、ミステリオ親子のローブローに悶絶も王座防衛に成功!

 “野獣”ブロック・レスナーとレイ・ミステリオがWWE王座をかけたノーホールズバード&ノーDQ戦で激突した。息子ドミニクの報復を誓うミステリオはゴングと同時に鉄製パイプを取り出すも、レスナーのクローズライン3発でダウン。その後も体格差があるレスナーはベリー・トゥ・ベリーでミステリオを解説席に投げつけるとジャーマン・スープレックス3発を繰り出して圧倒。レスナーの一方的な攻撃に息子のドミニクが現れると白いタオルを持って攻撃中止を懇願。しかし、レスナーがこれを拒否してドミニクに襲い掛かると、ミステリオがレスナーの背後からローブロー攻撃を放った。さらにドミニクも悶絶するレスナーにローブローを放つと形勢逆転。ミステリオとドミニクは凶器攻撃からのダブル619を放つと、フロッグスプラッシュを立て続けに決めてレスナーを追い詰めるもカウント2。

 最後はレスナーがドミニクを捕まえてジャーマン・スープレックスで投げ飛ばすとミステリオをF5で沈めて3カウント。レスナーがミステリオ親子相手に王座防衛に成功した。

<第10試合 女子王者対決>
[SD女子王者] ●ベイリー
 18分10秒 切り札クラッチ
[NXT女子王者] ○シェイナ・ベイズラー
※もう一人は[RAW女子王者]ベッキー・リンチ
「おばさんの髪型」と叩かれているヒールになったベイリーがバンプ受けまくる展開に
タップさせたのはシェイナだが、最後はベッキーが美味しいところを持って行った


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’19年12月05日号WWEシカゴ4連戦 メイ社長 鷹の爪大賞1 スターダム会見 ペイジ映画