AEW『Full Gear』屑人間MJF白旗でCody戴冠お預け!MOXオメガやり過ぎ!里歩さくら世界へ

photo by George Napolitano

 現地水曜夜のAEW Dynamiteが放送開始になってからとしては初のPPV大会となる『Full Gear』であるが、恐らくは賛否両論になるのかも。速報というのは、最後に見た試合の直後から記事の作成と現地通信員との連絡、さらに特急入稿の写真整理が始まることもあるのだが、試合順で最後となったジョン・モスクリーとケニー・オメガの日本流デスマッチは、マニアには大日本プロレスというより、クレイジーモンキー葛西純のフリーダムスの過激な試合をビデオ研究したんじゃないかと思う。もうあれもこれもと、メモしないとわからなくなるほど色んな武器が登場する過剰な内容であり、ちゃんと最後まで遂行したという点では両雄を誉めることもできるのだが、プリショーの最初からきっちと見ないといけないと付き合っている専門媒体記者としては、正直、「もういいよ!」とも思えてしまったのだが・・・。
 まぁ、日本でのG1最中に感染した負傷もあり、ジョン・モスクリーとケニー・オメガのカードが一度流れていることや、よってAEW名義のPPVとしてはモスクリーが初のフル登場ということもあって、世界王座戦のあとに、「勝った負けたの記録も重視」を謳うAEWが、あえて「ノー・サンクションで記録にも数えない」として最後に、たっぷり尺を貰っての「なんでもあり試合」にしたのであるが・・・。

 当初Lights Outマッチと発表されていたので、「闇夜の月光デスマッチ」やるのかと誤認していたものの、アナウンサーが紹介する時だけ場内を暗くしてティーズしてたのに、始まってからは明るい照明に。あの評判の悪いWWEのブレイ・ワイアットの深紅の映像画面から、計画変更になったのかも。ただ、砕けたガラスに突っ込ませてとかはマシなほうで、アイスピックなのかスクリュードライバーなのか、鋭利なドスをコーナーのターンバックルにブスっと突き刺した前振りから、オメガがモスクリーの顔面に突き立てるとか、実況でも指摘されたように「ホラー映画」になってしまうのはどうなのか。日本のデスマッチに慣れている常連さんはともかく、いくら制約のないPPV中継としても北米では刺激過剰だと叩かれるのかも。

 記録にカウントされないことや、モスクリーの初のメインPPVなんで、リングのマットを剥がしたむき出しの木製板リング土台にパラダイムシフト(デスライダー)を極めてMOX勝利に終わる長~い大会なんだが、恐らく現地では後味が悪いと評されると予想する幕切れなのだった。


 来賓席にディーン・マレンコ、アーン・アンダーソン、グレート・ムタ武藤敬司が並びと、お膳立てからもベビーフェイスCodyの悲願の世界王座奪取が期待されたセミなんだが、CodyにはMJF、悪のクリス・ジェリコには「インナー・サークル」からジャック・ヘイガー(スワガー)が付くものの、途中でヘイガーがちょっかいの警告からセコンド退場にさせられた時点で、大人のファンはケツが読めたかも。もっとも、プロレスはお約束の世界であって、レフェリーが見てないなら許される前提まではともかく、新日本プロレスの方が外部介入の試合ばっかりで、世界がリアルタイム配信時代なので「ニュージャパンのレフェリーはピエロ、漫画だ!」と叩かれている現状である。AEWの方がロジックに従っているというのも2019年の「今」なのだろうか。

 試合は良かったかと。なにしろクリス・ジェリコの王座防衛戦なんである。そしてライオンテマーで絞り上げるフィニッシュにCodyはタップしないのだが、MJFが白旗のタオルを投げ込むと。「これで負けたら二度と世界王座に挑戦しない」と、優れたプロモ熱弁に感情移入させてくれたCodyの夢がはかなく・・・とも思いきや、MJFが裏切りの急所打ちをCodyに見舞ってヒールターンである。いじめ男のMJFはそりゃヒールだろうとアメプロ通ならみんな思っていたハズだが、やはりこのエンディングだ。花道から引き上げるMJFの顔に客が水をぶっかけていたのは、たぶんサクラの仕込みではなくガチだと思う。まぁそれだけお客さんのヒートを買ったのだから凄いヒールとなるのだが、それにしても絶妙のタイミングだった。


 さくらえみが、9歳の里歩をスカウトしてから13年。ついに日本人同士の純女子プロレスが、大会場の観衆を前に、いや世界配信の最終的にはミリオンのお客さん(ロック様調子)を前に、PPVの目玉カードとしてマッチメイクされるという快挙もまた2019年の「今」なのである。太ったフレディー・マーキュリーは、不覚にも試合前に泣いていたのをカメラが押さえていた。もっとも、Queenは日本や欧州や南米では誰もが知っているんだが、米国だけはあまり受けなかったというのはさておき、試合が始まったら、♪We will, We will Rock youと歌って技をブチ込むのを音声は拾っていた。また、ロメロ・スペシャル3回位置変えてのスポットでは、♪レーオ、レーオ↗の聴衆を煽るフレディが再現されているではないか。

 実況のジム・ロスに対して、解説エクスカリバーの声は全盛期の”キング”ジェリー・ローラーに似ていて相性も良いだけでなく、さくらが里歩の髪の毛を掴んで投げるスポットを「WARの冬木弘道の技で、WARにはクリス・ジェリコもいた」とマニアックな知識を披露するんだからタマラナイ。これを全世界のプロレスファンが聞いているのだ。リアルタイム配信時代、歴史は動いたのである。Joshi Puroresu浸透中! 勝ったのはお客さんなのだ。

■ AEW FULL GEAR
日時:11月9日(現地時間)
会場:メリーランド州バルティモア ロイヤルファームズ・アリーナ

<第7試合 非公式Lights Outマッチ>
○ジョン・モクスリー
 38分45秒 パラダイムシフト
●ケニー・オメガ

<第6試合 AEW世界王座戦>
[王者]○クリス・ジェリコ
 29分35秒 ライオンテマー⇒セコンドのタオル投入
[挑戦者]●コーディ・ローデス

<第5試合 AEW女子王座戦>
○里歩
 13分20秒 くるくるリボン
●さくらえみ

<第4試合 AEW世界タッグ王座3WAY戦>
[王者]○カザリアン スコーピオ・スカイ
 13分00秒 SCUレイター
[挑戦者]●プライベート・パーティ
※もう一組はルチャ兄弟(ペンタゴンJr.&レイ・フェニックス)
※試合後、ルチャ兄弟マスクが乱入してきたがSCUのクリストファー・ダニエルズ

<第3試合 シングルマッチ>
●ジョーイ・ジャネーラ
 11分45秒 デスバレードライバー
○ショーン・スピアーズ w/タリー・ブランチャード
※実況ではC4レスリングからの因縁も説明

<第2試合 シングルマッチ>
○ハングマン・ペイジ
 18分30秒 デッドアイ
●PAC

<第1試合 タッグマッチ>
●ヤングバックス
 21分00秒 ストリートスィーパー
○PRIDE & POWERFUL(オルティーズ&サンタナの元LAX)
※ニックの右足がやられてうまく使えないという設定

<プレショーBuy-IN ベイカーのシュート・インタビュー公式公開の遺恨戦>
○ブリット・ベイカー
 11分35秒 ロックジョー(リアル・マンディブルクロー)
●ビー・プリーストリー
※試合後、オーサム・コング w/ブランディ・ローズが出てきてプリーストリーは二度目のやられ役

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