JAPAN KICKBOXING INNOVATION“元MA日本ミドル級王者”井原浩之と“ピンクダイヤモンド”馬木愛里インタビュー

“元MA日本ミドル級王者”井原浩之インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——岡山とは隣県の広島にあるStudio-Kは、以前から岡山ジムと親交深かったと思われますが、今度の対戦相手、馬木愛里もよくご存じなのでは?

いやあ、強いし、カッコいいし、馬木さん(岡山ジムの馬木一路会長)の息子さんですし、それはもう。

——するとやりにくい部分もあるかもしれませんが、どんな試合になりそうですか?

どうしたっていい試合にしかなりそうにないです!

——それは楽しみな断言です。根拠は?

僕が派手にやられても盛り上がるでしょうけど、ガッチリ仕上げて完璧なコンディションで臨むので、熱い接戦になるし、そこは自信があります!

——井原選手の試合を初めて見る人に説明するとしたら、どんなタイプでしょうか?

どちらかといえばファイタータイプです。特に偏重して得意な技があるでもなく、弱点もないオールマイティかな。試合の中で相手の穴を見つけて、嫌がるところを突いて光を消していくうちにこちらは波に乗っていくのが勝利パターンです。

——ここまでに至る経歴もお聞かせください。

学生までサッカーをやり込みました。昔から格闘技に興味はあったのですが、その頃はサッカー一色で。社会人になってしばらく経って、一人でもできるスポーツをしたいなと。そこで、殴り合うことが怖かった自分に打ち勝つためにも「これはやらんといかんのう」とStudio-Kの門を叩きました。それが25歳の時です。

——キックボクシングを始めるにはかなり遅い選択です。はじめからプロ志望で?

それはまったくなかったです。ただ、同じジムの先輩で30歳ながらMA日本ランカーになられて40歳でタイトルに挑戦した村田さん(村田康行)や頑張っている先輩たちがおられたので、ちょっとは意識したかもしれません。

——プロファイターに人生の針が振れたのは?

岡山ジムさんが主催するグローブ空手の大会で65kgのトーナメントに出て準決勝戦だったか決勝戦で翔貴(※1)選手と当たったんですね。ここでは判定負けしてしまうのですが、不思議と悔しくなっかった。そして、それは「悔しいと思えるほど自分が練習をやりきっていない」ことに気づきました。ならば、やれるとこまでやってやろうと仕事を辞めて取り組むことにしました。

——20代後半に入って定職を捨ててまで?

職場の方には自分のわがままで迷惑をかけてしまい、今となっては申し訳ない気持ちがありながら、当時は盲目で猪突猛進になってしまいました。やるなら徹底しなくちゃなと。

——そこからプロデビューは?

アマを30戦ほどしてから29歳ぐらいに。それから東京の後楽園ホールや地元の広島県呉市、中国への海外遠征などで試合をさせていただき、色々な経験をさせていただきました。

——MA日本ミドル級チャンピオンになったのは?

2017年5月28日、大阪で二刃会のyama刃(ヤマト)選手と王座決定戦をやりました。ボロボロになるまで打ち合いって、後でVTRを見返したら「よう倒れんかったな」ってくらいに。正直、(記憶が飛んで)覚えていないくらいです。

——その後は?

昨年6月3日に竹市一樹選手相手に防衛して、今年2月3日、横山剛選手に負けてベルトを手放しました、

——横山剛といえば、国内屈指の実力者です。

全国トップクラスの壁を感じました。ミドル級(72.57kg)のタイトルを獲らせてはいただきましたが、自分はウェルター級(66.67kg)が適正だなと思い知らされて。

——すると、今回の契約体重67kgは?

ベストです!

——馬木はスーパーライト級(63.5kg)から上げてくるわけで、その意味で体格やパワーに優位があると思われます。

勝たないけんのんで!

——天才児と名高い馬木に勝利したその後の展望は?

それは今言うことじゃないです。勝ってこそアピールできる権利が得られる。綺麗なキックボクシングをするのは向こうでしょう。だけど、僕ならではのキックボクシングでどんな僅差になろうと勝利してみせます!

※1 翔貴 ショウキ。岡山ジム所属、ルンピニー日本フェザー級王者、自ら“岡山名物”と名乗る傾奇者で、実力は確かなテクニシャンながらビッグマウスが凄まじく、それでいてユーモラスで不思議と憎めないキャラクター。現在、長期欠場中。

井原浩之のプロフィール

リングネーム:井原 浩之
読み仮名:イハラ ヒロユキ
所属:Studio-K
生年月日:1984年3月21日(35歳)
出身地:広島県呉市
身長:180cm
戦型:オーソドックス
戦績:26戦11勝(5KO)13敗2分
ステータス:元MA日本ミドル級王者
Facebook: https://www.facebook.com/hiroyuki.ihara.92 
Twitter:https://twitter.com/hrykick0321
Instagram:https://www.instagram.com/hrykick321/

興行情報はコチラ:http://okayamakickboxing.blog.jp/archives/33009446.html

“ピンクダイヤモンド”馬木愛里インタビュー

取材・文:JAPAN KICKBOXING INNOVATION広報部

——鮮やかな桃色のガウンとトランクスに身を包み、長い手足と端麗な容姿、ハイスピードとハイテクニック、16歳で無敗のままルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位となった“ピンクダイヤモンド”馬木愛里がようやく岡山のホームリングに帰ってきました。

事故で半ば引退状態になって一昨年(第4回、2017年10月9日)の岡山興行は、病院からの応援で、悔しいながら盟友の翔貴君が1ラウンドKO勝ちして嬉しかったりもしましたけど、昨年(第5回、2018年12月16日)は、心が死んでしまっていて行く気もなかったのが、ふと気づいたら途中から会場に足が向いて観戦はさせていただきました。第3回(2016年10月9日)以来の出場で素直に嬉しいです。

——2年にも及んだ長期欠場。まったく情報もなく突然消えたようになられていました。一体、どんな事故でどうなっておられたのでしょう?

2017年9月、雨の中、ジムにバイクで練習に行く途中で車に突っ込んでしまいました。太ももの骨が真っ二つになる大腿骨骨折です。

——大変な重症です。全治までどれくらい?

手術をしてボルトで骨を繋いで、半年間はまったく歩くこともできず、リハビリも始められない状態で、ずっと膝が腫れ上がって曲がらない状態でした。1年後、ようやく歩けるようになって、再手術でボルトを抜いたのが今年の2月、バレンタインデーでした。

——今年7月28日が復帰戦でしたが、その約半年前にボルトを抜いたばかり?

病院の先生からは「筋肉が元通りになるのに5年はかかる」と言われて、事故の後は「もうキックボクシングなんかできんやろなぁ」と落ち込んでいたので良かったです。

——そこまでの大怪我ですから、復帰をすぐに目指すことはできなかった?

病んでましたね。「何しとんじゃろ」って自問自答の毎日。突然、人生が180度変わってしまって。「今まで通りに戻すのが難しい」とか言われては意気消沈して。事故で流れてしまった一昨年の岡山興行では、喜入衆選手とルンピニー日本ウェルター級王座決定戦で初めてのタイトルマッチの予定で、かなり入れ込んで懸ける気持ちが大きかっただけに落差が酷くて。

——そこから再び立ち上がれた要因は?

事故の後、出逢えた彼女です。辛い時、困った時、常に心の支えになってくれて、またリングに上がることを躊躇していた自分に「また頑張ったら?」って背中を押してくれたのもそう。本当に大切な人です。

——そうした復帰戦、今年7月28日、初のタイトルマッチ、MuayThaiOpenウエルター級王者決定戦、セーンケン・ポンムエタイジムは、2ラウンドKO勝利となりました。

動けるようになってからずっと足場屋の現場仕事をしていてパワーは上がりました。けど、仲のいい安本晴翔(橋本道場の若き天才児)に「スピード落ちたよね」とズバリ言われてショックでした。

——しかし、試合は前蹴りでダウンを奪っての快勝だったようです。

あれは、普通の前蹴りじゃないんです。かといって三日月蹴りでもない。オリジナル技でガードがされにくい蹴り方を工夫していたら出来上がりました。距離を取りながら効かせて倒すこともできるので便利です。

——町田光の居合パンチのように名前を付けますか?

あんなに見た目に分かりやすい技ではないので、追々いいように言っていいただければ。

——そんな独自の技でKO勝ちしても出来は不満?

30点ですかね。まだまだこんなもんじゃない。

——復帰後は、電光石火、11月17日の岡山興行前に10月14日、J-NETWORKとJAPAN KICKBOXING INNOVATIONがコラボした後楽園ホール興行に出場が決まりました。しかも相手は、INNOVATIONウェルター級王者、番長兇侍です。

凄い一発のあるハードヒッターと聞いています。実際、名のある強い選手を倒しているし。ただ、僕に大振りのパンチは当たりません(微笑)。

——それと番長は、愛里選手と同じく、INNOVATIONウェルター級王座防衛戦で11月17日、岡山で太聖と3度目の激突(過去2戦1勝1敗)が決まっています。

そこは、何も考えることはないです。相手の先のことなんか知ったこっちゃない。斬れる時に斬るし、倒せる時に躊躇も忖度もなく倒しにいきます。

——番長は、盟友・太聖のライバルであると共に「ズッ友(ずっと友達)」と呼び合う親友でもあります。

太聖君は、大切な仲間ですが、そこはまったく関係ありません。そこはそこ、僕は僕で。

——復活の馬木選手と以前の違いは?

技やスピードはともかく、心の中、取り組み意識がまるっきり変わりました。事故前は、何はなくとも「自分、じぶん、ジブン」で他人のことなど思いやる余裕がありませんでした。今は、すべてはまわりの人たち誰かのおかげで成り立っているのだと思えるようになました。

——そんな馬木選手が地元・岡山で対戦する元MA日本ミドル級王者、井原浩之です。

井原選手のおられる広島のStudio-Kは、ジムでアマチュア大会が行われるので、事故の前、よくうちのジムの子供たちを連れて行きましたから、親しいわけではありませんが面識があります。何せミドル級(72.54kg)だったわけで(馬木は、63.5kgのスーパーライト級から66.67kgのウェルター級に階級をアップさせている)体格とパワーは段違いです。だから、僕は“それ以外”で勝負して圧倒してみせます。

——ハードな連戦を勝ち抜けた後の展望は?

道が敷かれていたルンピニータイトルは獲らなくちゃと。これは忘れ物ですから。

——忘れ物?

以前ほど、絶対的な強者の称号としてルンピニーがほしいとは思いません。やるのであれば、より本物を。タイの現地で挑みたいと願うし、世界中の誰もが認める強い相手のベルトを奪い獲りたいなって。

——それは例えば?

ルンピニーのウェルター級チャンピオンがフランス人のラフィ(※1)ですけど、コイツは強い! 日本ではほとんど知られていないかもしれませんが、“最強”と言っていい本物です。そういう相手に勝って、歴史に名を刻んで、解る人の記憶に残りたい。

——以前から本物志向が強かった馬木選手ですがますますですね?

少し変わりました。前までは本物であればなんでもいいと開き直っていました。ベルトは持っているけど凡庸な有象無象の相手なんて眼中にない。日本人とだって余程の相手じゃないとやる気がしないなんて。それが、本物の追及は芯にありながら「有名にならなければ意味がない」とも思えるようになりました。だから、どんな相手でも何のベルトでも誰とでもどこででもやって、もらえる名声、ベルトや勲章は全部ほしいです。

——今までにない貪欲さを感じます。特にやりたい日本人選手はおられますか?

それは誰でもいいんです。ただ、事故前にルンピニー日本タイトルマッチをやるはずだった喜入衆選手とは、自分のケジメとしてやらせていただきたいなと。そこから先は、やって名前が上がるなら誰とどこででも。

——K-1やRISEは?

僕はムエタイ選手なので肘首(ヒジ打ちと首相撲)がない別競技はしません。

——あくまでムエタイの本格派でかつ有名選手となることを狙うと。

ここまで自分を支えてくれた皆に恩返しできるよう、自分を磨き上げます!

※1 ラフィー フランスのムエタイ選手、ラフィー・シンパトーン(ラフィー・ボーヒック)は、現在、ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者であり、SBエースの海人を破ったことで知られるチャムアトーン・ファイタームエタイに打ち勝つなど、タイではチャド・コリンズよりも評価が高く有名な白人ファイター。日本でまだ見ぬ超強豪。

馬木愛里のプロフィール

リングネーム:馬木 愛里
読み仮名:ウマキ メリ
所属:岡山ジム
生年月日:2000年8月1日(19歳)
出身地:岡山県総社市
身長:182cm
戦型:サウスポー
デビュー年月日:2014年9月28日
戦績:12戦9勝(5KO)3敗
ステータス:MuayThaiOpenウェルター級王者、元ルンピニースタジアム認定スーパーライト級7位
Facebook: https://www.facebook.com/profile.php?id=100008077893228
Twitter:https://twitter.com/muaymeriking
Instagram:https://www.instagram.com/meri0801/

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