[ファイトクラブ]KNOCK OUT 第2章8・18大田区総合で見えた今後の課題

[週刊ファイト8月29日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

■ KNOCK OUT第2章8・18大田区総合で見えた今後の課題
 Photo & Text by こもとめいこ♂

・株式公開ブシロードの勝算
・木谷オーナー&山口プロデューサー囲み会見文字起こし
・目標クリアでみえた課題と今後の展望
・ぱんちゃん璃奈画像増量でお届け
・相羽あいなさん&ラウンドガールズ画像


 本誌読者には改めて言うほどの事でもないと思うが、ブシロードの木谷高明オーナーはかなりの濃度の昭和的アナログ人間である。
 インターネットは嫌い、スマホは老眼で見えにくい、紙のカードゲームに思い入れが強い。熱血主義の根性論者の面もあり、仕事人間だ。一方で株式市場では、サイバーエージェントやガンホーと同じIT、Web関連銘柄だと思われているギャップがある。
 今、ブシロードの広告が出ている電車に乗っていると、液晶モニターでタレントの照英が筋骨隆々の脚を見せつけ
「雨が降ろうが槍が降ろうが顧客に会うのが営業だ!! 」
 と暑苦しく叫ぶ姿を“古い営業”と揶揄するどこかの企業の宣伝が流れているが、木谷オーナーの仕事への考え方はこの、誇張されたイメージ上の営業マンたる照英に近い。
 ホリエモンとは真逆で履歴書は断固として手書き派だし、真夏なのにスーツにネクタイは外さない。

 恐らくそのせいだろうが、8・18 大田区大会後の公開記者会見で山口元気オーナーもスーツにネクタイ姿で登場していた。

 10月4日・6日にはREBELSと中一日明けての連戦が予定されているが、課題だらけ、色々試している中で試合数も増え、ルールも固まっていないのが、リブート大田区大会を終えての現状の様だ。
 試合内容に関しては、小野寺プロデューサー時代同様の激闘だったのは確かで、ここは木谷オーナーとしても安心した面ではあろう。
 ただ、やはり1DayトーナメントはKNOCK OUTとは相容れないものを感じさせた。

 流血も怪我も辞さずの本物の迫力を、1日2試合はやはり無理がある。
 山口プロデューサーは
「ヒジ無し、REBELS ルールが解りやすいんじゃないかと」
と語っていたが、『解りやすいREBELS ルール』が、木谷オーナーが新しく開拓しようという
ライトユーザーに伝わりやすいか?という懸念は拭えない。
 やはり
「倒し倒され」
ほど解りやすい闘いはないし、であれば肘あり、首相撲あり、投げありで、より禁忌は少なくあるべきだし、K-1、RISE との差別化でも譲れない部分ではあろう。


 RISEの規模拡大とKNOCK OUTの方針転換と時を同じくして新団体が旗揚げしたり、何故か活発な、「ぺっちゃんこ(木谷オーナー談)」の筈のキックボクシング市場だが、そんな風に方向性が不透明なのは那須川天心の大ブレークという要因も見逃せない。
「第2の神童を」
という事ではあると思うのだが、あれほどの逸材がそうそう出てくる保証はない。
 そもそもREBELSにしてもパンクラスと共にONEのパートナーとして規模拡大を図っていたはずで、キックボクシングの市場拡大は激闘をみせる地道な努力でなんとかなっていくものとは思えず、数年後、神童コケたら皆コケた、となる可能性も否定できない。
 木谷オーナーが本腰を入れて資本を投下し、REBELS、日本キックボクシング協会などの興行を束ねていくだけの勝算があるかどうか、ここ半年はその瀬戸際だとも言える。
 なんと言っても、ブシロードは株式公開企業であり、投下した資本に見合った黒字か、もしくは成長が期待できる赤字でなければ事業の存続は厳しい。(筆者は株式公開が無ければ恐らくは小野寺プロデューサーの解任も無かったと思っている)


 
 来年の大田区満員という様な目に見えた成果が上がらなければ、キックスロードはONEへ譲渡…といった事は充分ありうる。
山口プロデューサーは公開会見終了後、囲み会見が始まる前に
「良いですか」
と断ってからネクタイを外して話し始めた。クールビズ推奨下の8月の東京であるから、当然と筆者は思ったが、ネクタイ一本でも見解の相違は出てくるものだ。
 果たして来年2月の大田区大会が終わってから、山口プロデューサーがネクタイをどうしているか、注目していきたいポイントではある。

※ちなみにKNOCK OUTから一夜明けた8月19日、ブシロードの株価は前週末からの上昇気配を引き継いで上場来高値を更新、その後も地合の悪い株式市場で上昇を続け3000円を突破、本稿執筆時点の8月27日にはやや戻して2855円となっている。

◎日菜太の新日参戦問題と今後への提言

「この日の試合で勝ったらドームで試合させてください」
と、5月20日の新戦略発表記者会見でぶち上げた日菜太は、残念ながらこの日一敗地に塗れた。

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