[週刊ファイト9月12日号･19日号]収録 [ファイトクラブ]公開中
▼DEEP連戦で読み解く格闘技の現状と未来
Photo & Text by こもとめいこ♂
･『あしたのジョー』から『はじめの一歩』への20年間
･オイルショック〜バブル、不良と格闘技の浸透と拡散
･“ゴンタ”前田日明とアウトサイダーの相違点
･川村虹花、トークショー画像
9月はDEEPが年末に向けての攻勢をかけた。9月1日はアマチュアJEWELS 7カードを含む『TOKYO IMPACT』と『JEWELS 25』をダブルヘッダーで、翌9月8日は竹芝ニューピアホールで『IMPACT.91』である。
9･1新宿DEEP JEWELS25前日公開計量全選手1発クリア！ メインはバチバチの予感漂う杉山しずかvs.赤林檎!!
9･8DEEP竹芝血戦 唯一のJEWELSは古瀬美月快勝! メインはアウトサイダーの暴風を大塚隆史がタックルで止めた!!
8月31日（土）13:00〜中野サンプラザ11 階アネモルームで、『DEEPJEWELS 25』の前日公開計量が行われた。筆者が最初に前日計量を取材に行った時は新大久保のダンススタジオで、結婚式を開く様なパーティ会場となると隔世の感がある。
当初予定されていた最強地下アイドル仮面女子川村虹花が負傷欠場ながら、会場には一般のファンも数十人詰め掛ける大盛況。既に前売りも完売とあって司会進行を勤めたDEEP佐伯繁代表も弁舌滑らか。因縁浅からぬキングダムエルガイツのイリエマンこと入江秀忠代表の、YouTubeファイトチャンネルでの一連の動画を「笑った」「負けたな」と、持ち上げ、余裕の笑み。
若干時間が押して始まったが、当日計量の3名を除いて、参加全選手が無事1発クリアとなった。
今回計量終了後、全員で記念撮影となったのだが、選手同士でわちゃわちゃやっているので、
「お願いします」
と何度か呼びかけたにも関わらず、全員の目線が来てる写真が1枚も無かった。
計量時に選手同士が和気あいあいとしてるのはどうなんだと目を吊り上げる向きもあるかもしれないが、試合で本気でやり合えば良い事で、この、普段は仲良く交流する様な女子同士の空気感こそが、JEWELS人気の大きな要因なのだ。
さて、直前になってDEEP JEWELS25 欠場の川村虹花と朝倉未来の対談が行われる事となった。
これに関して佐伯代表の
「何を喋るのか」「噛み合わなそうだけど」
との発言から、どうもRIZIN の榊原信行実行委員長の仕掛けではないかと予想する。佐伯代表は女子同士の空気感こそが人気の要因と解っている筈だが、榊原委員長にその辺りのファンの微妙な機微が共有されていないと、今後祖語が生じる可能性がありますよと、一応釘を刺しておきたい。
明けて翌9月1日、川村虹花と朝倉未来のトークショーは、懸念通りやはり微妙だったか?と思われる。司会を勤めたのは佐伯代表。
川村の
「どうすれば勝てますか」
に朝倉未来の解答は
「力が入り過ぎてる」。
「なるほど」とも思うが、リバーサルジムとしては
「それは解ってるんですが…」
という事にはなるか。
トークショーを行った川村虹花は、10･22 後楽園参戦を発表。トークショーで推しの恋愛話を聴きたいおたくはあんまり居ないはず…DEEP といえば佐伯さんではあるが、JEWELSといえばいつもチェキを撮ってくれるお姉さん、輝美さんの話を聴いてみたいファンも居るように思う。
DEEPJEWELSが躍進した要因のひとつとして、輝美さんの手腕によるものが大きいと感じる。元々輝美さんは、音楽業界に携わっていた方なので格闘技界の人達とは違う。発想が斬新だ。ハッキリとモノを言う方なんで、好き嫌いはあるようだが、オレは輝美さんのことは好きだね。 #DEEPJEWELS #DEEPJEWELS24 pic.twitter.com/5ijqKdbLzU
— チケット＆トラベルT-1 (@Ticket_T1) June 10, 2019
ここ最近の格闘技界の台風の目と言えば、やや我田引水めくがイリエマンと言っていいだろう。
RZIN への出場直訴は総合格闘技の業界内トピックスだったが、N国･立花孝志の会見への乱入は一般誌紙にも扱われる社会ニュースとなった。
無論、好意的な視線ばかりではないが、国会議員という公職に就きながら有権者に託された民意を踏みにじってウケ狙いの言動を繰り返す立花のお株を奪うような炎上商法は見事であった。
会見で名前をあげて面白がったDEEP佐伯繁代表はじめ、強烈なバイタリティに舌を巻く興行関係者は少なくないだろう。
そのイリエマンことI記者のコラムでの『THE OUTSIDER』に対する言及にも賛否両論が寄せられた。
『RIZIN 朝倉兄弟の活躍は素晴らしいが番組煽り映像や謳われ方に物申す』
前田日明／リングス主催によるアウトサイダー出身の朝倉兄弟が高田延彦のRIZINに殴り込んできたというアングルを造りたい榊原代表の発想は良く解るし、イリエマンでなく、キングダムエルガイツの入江代表としては当然の発想と思う部分もあろう。
それがあってなお異を唱えずにいられないのは、アウトサイダーの持つ“不良”“ワル”の印象に対する嫌悪感があるからではないかと思う。