[ファイトクラブ]井上記者が語るハーリー・レイスさん 米マットでの評価は日本の100倍以上!?

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[週刊ファイト8月15日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼井上記者が語るハーリー・レイスさん 米マットでの評価は日本の100倍以上!?
 井上譲二氏と一問一答
・米マットの大物の中で彼ほど評価が真っ二つにわかれたレスラーはいない
・口数は少なく、陽気なタイプじゃなかった
・日本のファンが求めている試合も分かっていなかったんじゃないかな
・レイスさんは後に馬場さんと断絶状態になった


 8月1日に肺ガンのため死去したハーリー・レイスさん(享年76)。米マットの大物の中で彼ほど評価が真っ二つにわかれたレスラーはいない。しかし、日米の会場でNWA世界王者時代のレイスさんの試合を取材した井上譲二記者は「対戦相手を光らせる天才だった」とホメ称えた。以下、井上氏との一問一答。

―― H・レイスさんへの取材で最も印象に残っていることは?

井上 ヒューストン・コロシアムの控室でキラー・カール・クラップに腰のあたりをマッサージさせたんですよ。で、その写真と記事を『ファイト』に掲載したところ日本の団体関係者や他紙(誌)の記者たちが大笑いしたという・・・。

―― その光景が面白かったわけですね。

井上 性格が良くないクラップは日本に来たとき、格下の外国人選手や若手に威張り散らしていた。そんな嫌なヤツがレイスさんの前では借りてきたネコのように大人しく、しかもパシリみたいに扱われている。そのギャップが面白かったのでしょう。

―― NWA王者時代のレイスさんは全米のどこへ行ってもボス格?

井上 当然。もの凄い威圧感を醸し出して格下のレスラーは腫れ物に触るようにレイスさんに接していました。まさに怖い者なしといった感じで、当時のH・レイスさんと対等にしゃべっていたのはトップランクでキャリアも変わらないドリー、テリー、D・マードック、D・ローデスくらい。S・ハンセンやR・フレアーでさえレイスさんにはかなり気を遣っている様子でした。

―― 日本のマスコミへの対応はどうでした?

井上 やはり我々に対しても近寄り難いオーラを発していましたが、取材には協力的で、あるとき、シスコからロスまでの密着取材をお願いすると二つ返事。食事と酒をおごってくれました。ただ、口数は少なく、陽気なタイプじゃなかった。

―― 日本マットでは名勝負がなく、NWA世界ヘビー級のベルトを巻いていなければ並みの外国人レスラーという評価もあったが。

井上 スピード感のないプロレスをやっていたので名勝負と言える試合はほとんどなかった。日本のファンが求めている試合も分かっていなかったんじゃないかな。その象徴がわざとらしいダイビング・ヘッドバットの自爆とコーナー最上段からのデッドリードライブで投げられるシーン。

―― レイスさん自身、ファン受けしてると勘違いしていたのでしょう。

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