紅絹、ド根性の新RISE QUEEN戴冠! 那須川梨々神童超えの野望を号泣粉砕!!

ー神童を兄に持つのはどんな気持ちですか?ー
 神童超え、4戦での王者戴冠との期待を報じられていた那須川梨々に対して用意していた質問を訊く事はできなかった。
「泣いていて出来る状態じゃないので…」
 RISEの淵脇氏にそう告げられ、会見場がお開きとなったからである。

 泣かせた紅絹は、6年越し悲願の女王戴冠となった。

 
 センスは神童以上。そんな那須川梨々と対する紅絹に、セコンドから
「オマエには根性しかないんだ! 」
と、叱咤激励が飛んだという。ド根性が神童を凌ぐ天才に勝った、親子鷹の浪花節、TEAM TEPPENのお株を奪う様な粘勝だったと言える。

 
 試合が終わって早々、セコンドに着いていた神童が会見場で我々に気を遣ってコメントを出してくれた。
 曰く敗因は
「センスだけで勝ってきたから…舐めてたから」
だという。
「ベルトを賭ける勝負に対して練習量が足りない。女の子だから無理矢理練習させる訳にもいかないし…高校生っていうのもある」
 兄とジムのトレーナーの顔が混じったコメントを発する神童からは、
「センスはあるのに…」 
というもどかしさが伝わってきた。

 神童は、言われた練習は必ずやってきたという。
 無論、選手が指導を仰ぐ立場であれば当然ではあるが、那須川家の場合、かつ、親子であるという別の要因が加わる。
 一般論で言えば、親の言う事に素直に従う高校生の方が珍しいだろう。
 いつも、永ちゃんをバックに登場する神童の真っ直ぐな父への愛情に、眩しさを感じている人は少なくない様に思う。あんな風に親の忠告に耳を傾けたら今とは違う人生もあったかもしれないと…
 
 神童の、練習が足りない発言と、インタビューに応えられない程の那須川梨々の涙が今ひとつ結びつかなかった。
 練習しなくて負けたなら、それは当然であって泣くほどの悔しさの要因となるだろうか。
 
 努力、友情、勝利。  
 お馴染み、少年ジャンプのマンガに通底する編集理念である。
 だが裏返せば、それは3つ共ほとんどの少年(あるいは少女)に欠けている事象である。努力しないで自分だけ成功したい、あるいは努力するのはかっこ悪いという中二病的見栄もある。
 神童の評と涙から想像できるのは、あんまり練習をしないで勝つのが那須川梨々流の美学なのだろうという事だ。
 無論、人知れずの努力は人一倍しているのかも知れない。
 神童は多忙だ。全てを見通せず、こんな那須川梨々が居たのか…という面が必ずあるはずだ。

 ある意味で、“根性”などという前近代性は、女子高校生が最も忌み嫌う概念だ。
 ムダを省いて科学的にトレーニングするクールさこそが、イケてるスマホ世代に相応しい。
 だが、そのダサい前近代性に、より所だったセンスが負けた。
 悔い改めて練習の虫となるのか、否、センスの磨き方が足りなかったのだと思うのか。もしかしたらTEPPEN GYMでない場所にいけば、素直に練習出来るのかもしれない。
 神童の妹という呪縛とどう向き合い、今後どんな選手になるのか、本人はあるいは不愉快かもしれないが、見守っていきたい。
 
 
■ Extreme Fight Game RISE 133
日時:7月5日(金) 開始18:00 
会場:東京水道橋・後楽園ホール
観衆:1650人(主催者発表)

<メインイベント RISE QUEENアトム級(-46kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R>
元J-GIRLSミニフライ級王者
〇紅絹(NEXT LEVEL渋谷)
 判定 3-0 (50-48 1名 49-48 2名)
●那須川梨々(TEAM TEPPEN)
2017年KAMINARIMON全日本女子-45kg級優勝
紅絹がアトム級女王になる

<セミファイナル JISAKU presents 第4代RISEミドル級(-70kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R>
〇イ・ソンヒョン(韓国/RAON/同級1位、第2代RISEライト級王者)
 判定 3-0 (50-46 2名 50-47 1名)
●松倉信太郎(日本/TRY HARD GYM/同級2位)

<SuperFight! -67.5kg契約 3分3R延長1R>
第2代RISEウェルター級王者
〇“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)
 判定 3-0 (3名共、29-27)
●喜入衆(NEXT LEVEL渋谷)
ルンピニージャパンウェルター級王者

<第7試合 第4代RISEスーパーライト級(-65㎏)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R>
元Innovationライト級王者、第4代DEEP☆KICK 60kg級王者
〇山口侑馬(山口道場)
 2R 0分22秒 TKO ※右フック
●森香津眞(チームドラゴン)
同級6位 2018年RISING ROOKIES CUPスーパーライト級優勝

舞台を移しても、山口侑馬のKOスピリッツは変わらず

<第6試合 RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R>
●小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/初代ムエタイオープン女子フライ級王者)
 不戦勝 
〇佐藤レイナ (team AKATSUKI/NJKFミネルヴァ アトム級1位)
※小林愛三体重超過で失格 佐藤レイナがトーナメント決勝進出
 自分で髪をトラ刈りにしてまで計量に挑んだ小林愛三だが、2kg以上のウェートオーバーで不戦敗となった。そもそも体格的にミニフライ級は無理があったとの同情の声もあり、今後は階級をあげての参戦となりそうだ。

<第5試合 RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R>
〇寺山日葵(TEAM TEPPEN/J-GIRLSミニフライ級王者)
 判定 3-0 (30-28 2名 30-27 1名)
●後藤まき (RIKIX/NJKFミネルヴァ ライトフライ級5位)
※寺山日葵が決勝進出

那須川梨々と明暗が分かれた、TEAM TEPPEN寺山日葵(左)

<第5試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
同級1位
〇結城将人(TEAM TEPPEN)
 判定 3-0 (3名共29-28)
●拓也(蹴空ジム)
同級6位 

<バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R>
同級2位
〇良星(平井道場)
 1R 2分05秒 KO ※右ストレート
●有松朝(リアルディール)
同級7位
 
<第2試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R>
●伊仙町典久(BLA‐FREY/J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
 判定 0-3 (28-30 2名 27-30 1名)
〇宮崎就斗(TARGET/同級4位)

<第1試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R>
〇直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/同級4位)
 1R 2分56秒 TKO 右ストレート ※3ノックダウン 
●前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者)

<OPF.2 -58kg契約 3分3R>
●カン・イェジン(韓国/MAXFC/Masan Team Star)
 判定 3R 0-3 (3名共 27-30)
〇村上悠佳(TEAM TEPPEN)

RISING ROOKIES CUPスーパーフライ級(-53㎏)一回戦 3分3R延長1R>
K-2 GRAND PRIX 2018軽量級3位
〇匠朗(KSS健成館)
 判定 3-o (29-28 2名 30-28 1名)  
●吉村凌仁郎BLA-FREY) ※石本磨生が負傷欠場の為、緊急参戦
 

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