SmackDownコフィ-KO実現!マンディ・ローズ表紙!Rトゥルース24/7再戴冠

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 せっかく「WWEのSNSは1ビリオンに浸透している」というデータを番組中でも宣伝しているが、米国時間火曜の朝に「今宵のSmackDownはKO(ケビン・オーエンズ)ショーでドルフ・ジグラーがゲスト」と予告しておいて、例によって直前の変更なのかジグラーはオクラホマには現れず。

 結局、番組はKOショーから始まるのだが、変わって出て来て最初の試合となるのはWWE王者コフィ・キングストンである。週刊ファイト定期購読者には詳細してきた通り、そもそもこのカードが元の『レッスルマニア』予定だったのだが、なにしろ女人禁制サウジアラビア『スーパーショーダウン』遠征には拒否のダニエル・ブライアンに続いて、KOも行きたくないなら行かなくてイイと外されていたから、サウジのカードはコフィvs.ドルフ・ジグラーになった経緯である。まぁKOとコフィなら、試合の質はいいのを提供してくれるから、RAWよりは番組構成が練られているSD LIVEなのであるが・・・

「へぇ~」というところでは、マンディ・ローズがフィットネス雑誌のカバーガールに抜擢されて、それが大きく取り上げられたことか。最初に売り出された頃は、「またブロンドの女神様かよ」と先入観もあったものだが、ナオミにいじめられてNXTから上がってきただけあって、試合運びも急激に上達している。なにしろ、アシュリー・マッサーロの首吊り自殺が、DIVA時代の終焉を公式に告げたばかりというのもあろう。相棒のソニア・デヴィルが上手いこともあるが、雑誌を同僚たちに配るスキッドが(ジギルとハイドを読書中の)ナオミ相手というのが、過去を知っているマニア向けのインサイド・ジョークになるのか。今宵はカーメラとの試合であった。

 逆に、売り出されたものの化けの皮が剥げつつあるRAW所属のレイシー・エバンスは、ベイリーのSD女子王座に挑戦と。実況席のシャーロットに気を取られてベイリーに丸め込み返しされるというフィニッシュだったが、王者ベイリーはみんな喜んでいるようで安心した。

 本日の番組趣向としては、The Best in The Woooorldの「シェイン・マクマホン・アプリシエーションディ」というお膳立てなんだが、24/7のベルトを持って迷路のような会場舞台裏を逃げ回るR-Truthを追いかける二軍選手たちという、映画『スパイナル・タップ』にすらなってないスキッド挿入と合わせて、これじゃまた会場でAEWコールが出るんじゃないかと、意地悪にテレビの音量を大きくして耳をそばだてたユニバースは少なくなかったんじゃないか。プロレスは演劇ではない。客の方が偉いのだ。

 SmackDown所属なのに、そんなにまともな試合してない印象のローマン・レインズが、番組途中で24/7のベルトをアライアス奪われたR-Truthと組んで、そのアライアス、ドリュー・マッキンタイアのシェイン軍と戦うカードが番組のトリ。もうこの時点で、ケツの絵がなにかを100%読めたユニバースは少なくないと思われるが、ローマンがアライアスからフォールを奪ったあと、R-Truthが弱ったアライアスをピンして、24/7に王者に返り咲きである。しかし、こんなんでは視聴率は取れない。ライト層にはチャンネルを変えられたであろう。

 笑えたのはタッグ王者ダニエル・ブライアンとローワン組の番組顔見世か。本誌が指摘している通り、ヤギ頭怪奇軍団から抜けて自己主張を始めたローワンのメタルTシャツシリーズは、ついにスウェーデンの新鋭サバトンの(西郷隆盛、城山最後の聖戦を世界のメタルヘッドに布教した)LAST STANDが登場。「僕も同じの着ている!」とニンマリだったユニバースは世界中に多いんじゃなかろうか。道理でWWEショップのグッズ部門が商売不振で、ダンピング販売ばかりになっているのも無理ない。ちなみにスウェーデン・ロックの歴史を叙事詩にした先行シングル曲を含む、HammerFallの新作名は『DOMINION』である。知ってるメタルヘッドには説明不要だが、これは偶然ではないのだ。
アスカは先日の北欧遠征をイングヴェイ・マルムスティーンにオマージュしていた!本人SNS画像より

 ところでAEWのTシャツで会場に入ろうとすると、脱げと強制されるものの、替わりにWWEのTシャツが貰えるらしい。そういう情報もSNS時代に駆け巡っているということだ。重ねて客が一番偉いのである。

■ WWE SmackDown LIVE
日時:5月28日(現地時間)
会場:オクラホマ州タルサ BOK・センター

◆キングストンがオーエンズを撃破して敵討ち

 オープニングに登場したケビン・オーエンズとコフィ・キングストンはビックE襲撃に関して舌戦を展開。「俺とビックE襲撃の件は無関係だ」と主張するオーエンズに対して、キングストンは「嘘はやめろ! 今日は代償を払うことになる」と言って口論しながら2人は試合に移行した。試合ではキングストンがSOSを決めれば、オーエンズもフロッグスプラッシュ2連発を繰り出して激しい攻防を展開。しかし、オーエンズがダイビング・セントーンからポップアップ・パワーボムを狙うと、かわしたキングストンがトラブル・イン・パラダイスを後頭部に炸裂。キングストンが因縁のオーエンズを撃破してビックEの敵討ちを果たした。これが幻の『レッスルマニア』カードである、

◆ベイリーの勝利でシャーロットとレイシーが仲間割れ

 SmackDown女子王者ベイリーがレイシー・エバンスとシングル戦で激突した。試合前に女子王座を狙うレイシーとシャーロット・フレアーは英国式ティータイムを共にすると、そのシャーロットはゲスト解説として会場に登場。ベイリーとレイシーは両者激しい攻防を展開し、ベイリーが場外でドロップキックやクローズラインで攻め込むと、挑発するシャーロットの顔面にも強烈なエルボーを見舞った。これに怒ったシャーロットがベイリーを追いかけてリングに上がろうとするも、レフェリーが制止。その間にレイシーがベイリーを丸め込んだが、レフェリーのカウントが遅れてカウント2。最後は続けざまにベイリーが丸め込んでレイシーから勝利をもぎ取った。試合後、この結果にレイシーがシャーロットに殴りかかると、2人は乱闘となって仲間割れを起こした。

◆レインズのスピアー2発でRトゥルースが24/7王座返り咲き

 シェイン・マクマホンがアライアス&ドリュー・マッキンタイアを引き連れてリングに登場すると、「レインズにはうんざりしている。よく聞け! スーパー・ショーダウンではお前を倒して“敬意”というものを教えてやる」とPPVで対戦するローマン・レインズを挑発。続けてアライアスがシェインを称賛する曲を披露していると、そこへ突然24/7王者のRトゥルースがドレイク・マーヴェリック(TNAのロックスター・スパッド)に追われて乱入。邪魔されたシェインらがトゥルースに襲い掛かり、マッキンタイアのクレイモアで沈んだトゥルースをアライアスが3カウントを奪い、なんとアライアスが新24/7王者となってしまう。
 さらにスマックダウンのメイン戦ではレインズがトゥルースとタッグを組んでアライアス&マッキンタイアと激突。ダメージが残るトゥルースが捕まって劣勢となるも、レインズがシェインの妨害やマッキンタイアのクレイモアをかわしてアライアスにスピアーを直撃。アライアスを沈めて勝利をもぎ取ったレインズはさらにもう1発ダメ押しのスピアーを決めると、今度はトゥルースがアライアスからピンフォールを奪って24/7王座返り咲きを果たした。
 レインズ対シェインの一戦が行なわれるPPV「スーパー・ショーダウン」は日本時間6月8日にWWEネットワークでライブ配信される。


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