岡山 NJKF2019 west 2nd  メインイベントで国崇が判定勝ち!

 4月21日(日)、岡山コンベンションセンター・コンベンションホールにて、NJKF拳之会主催興行「NJKF 2019 west 2nd」が開催された。同ジム主催興行は14回目を数えるが、過去13回中11回の舞台となった倉敷山陽ハイツ体育館が昨年閉鎖されたため、2007年以来の岡山市での開催となった。
 大会の大トリを飾るダブルメイン第2試合は拳之会のエース、国崇の国際戦。イタリアからWFC世界フェザー級王者&元イタリアムエタイ協会フェザー級王者のロベルト・パレスティーニを迎え、ISKAルール3分5R戦に臨んだ。
 これがプロ93戦目となる国崇は1R序盤から積極的に前に出て、得意の左ボディを叩き込んでいく。アマ戦歴も豊富でパンチを得意とするパレスティーニは国崇の前進にパンチを返す場面も。しかし国崇はローからボディを入れ、終盤になるとパレスティーニはローが効いている様子も見せる。
 2Rには試合が大きく動いた。国崇はローから左ボディのコンビネーションでパレスティーニの足元がぐらつかせ、敵陣の青コーナーに詰めるとローと左右ボディで畳みかけ、ダウンを奪う。再開されると、国崇はすぐにまたニュートラルコーナーに追い込み、連打で2度目のダウンを奪取。場内は「早期KO決着か」と大歓声に包まれるが、残り時間が少なくこのラウンドは終了。
 3R開始の時点でパレスティーニは大きく息をつき、余力わずかな様子。国崇はとどめを刺すべく前進し、またも青コーナーに詰めてラッシュ。ローから左右ボディ、ヒジなども交えて攻め。後半にはハイキックもヒットするが、パレスティーニは倒れず、やや回復してきた様子すら見える。
 4Rも、パレスティーニがほとんど自陣コーナーを背負った状態で展開。しかしそれまでとは違い、国崇の攻めにパンチを返す場面が増えてくる。中盤には何発かのヒットも。だが国崇は前蹴り、左ボディで主導権を渡さず、右ストレートもヒット。
 最終5R、KOで決めたい国崇はローから左右ボディ、ハイ、飛び込んでのヒジなどで攻め込む。パレスティーニは左目の下をカットし、終盤には国崇が飛びヒザ蹴りを繰り出すと客席は大きく沸く。が、最後までパレスティーニが倒れることはなく、終了のゴング。
 ISKAルールでラウンドマストの判定は、50-43、50-43、49-44と、2回のダウンを奪った国崇の勝利に。これで国崇は2004年の真二戦以来、地元・岡山県では全勝となる11勝目を挙げたが、追い込みながらも倒しきれなかった試合展開には苦い表情。試合後の控室では「攻め疲れもありましたが、途中から足があまり動かなくなって……ダメですね」と反省しきり。だが、プロ100戦目が見えるところまで来ており、今年2月にKO勝利を果たしたタイの「MAXムエタイ」ではタイトルマッチの話も来ているということで、「まだまだやりますんで」と、最後には笑顔を見せた。

 また試合に先立って、前ISKAムエタイ世界フェザー級王者・国崇がISKAの殿堂入りすることが発表され、ISKAより表彰状が授与された。ISKAの殿堂入りを認定されたのはジョルジオ・ペトロシアンに次いで2人目で、もちろん日本人では初。表彰セレモニーではピーター・アーツとボブ・サップのお祝いコメントも読み上げられた。同時にISKAのスーパー王者として認定された国崇には後日、記念ベルトも贈られるという。

 ダブルメインイベント第1試合では、前WPMF女子世界フライ級&元NJKFミネルヴァ・ライトフライ級王者の白築杏奈が、2大会連続のメインイベント登場。スペインの“Sniper”ブランカ・ヘルナンデスとISKAムエタイ女子世界アトム級王座決定戦を戦った。
 お隣の広島県を拠点とする白築は応援団の声援を背に、日本人初のISKA女子世界王者を目指してリングイン。アマチュアでIAMTF世界47kg級王座を獲得し、その後タイに渡ってWMF世界47kg級王座も手にしているヘルナンデスと対峙すると、体格では白築が有利なことが分かる。
 1R、ミドルを出してくるヘルナンデスに対し、白築は前に出てミドルやパンチを繰り出す。ヘルナンデスも中盤にはスピードの乗ったミドルなどで攻めるが、白築はロー、ミドルからパンチ。
 2Rに入ると白築のローにヘルナンデスは体勢を崩す。勝機と見た白築はヘルナンデスを青コーナーに詰めて連打で追い込み、ボディがヒットするとヘルナンデスはしゃがみ込むようにダウン。何とか立ち上がったが、ローを受けると崩れ落ち、すぐにレフェリーが試合をストップ。白築は拳之会興行3戦全勝とともに、2本目の世界王座を獲得した。
 勝った直後は弾けるような笑顔を見せていた白築だったが、腰にベルトを巻かれ、マイクでジム会長や関係者への感謝を述べていると感極まり、涙に言葉を詰まらせた。

 セミファイナルでは元WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者・白神武央が登場。NJKF同級2位のこうたを迎え撃った。こうたは184cmの長身と長いリーチを武器に大阪大会を沸かせているランカーで、180cmの白神は「自分より背の高い相手とはあまりやっていなかったので」とやりづらさを覗かせたが、前蹴りやテンカオ、ハイで有利に試合を進め、1Rには右フック、2Rにはヒジをヒット。NJKF王座を見据えるこうたも、上位食いを狙って食い下がったものの及ばず、白神が判定勝利。勝った白神はこれで連敗を6で止めて脱出し、安堵の表情を見せつつ、「WBC王座も獲って海外でのタイトルマッチも経験して、次の目標をどこに置いたらいいか、探しているところですね」と語った。

 今回、キックボクシング初開催となった岡山コンベンションセンター・コンベンションホールは岡山駅から直結している比較的新しい会場で、豪華な演出も好評。そんな中、前半戦8試合中5試合がKO&TKO、うち3試合が1R決着と激闘が続き、ソールドアウトの観客が大いに沸く大会となった。(レポート&写真:高崎計三)

〈試合結果〉

<ダブルメインイベントⅡ 日本イタリア ISKAムエタイ国際戦 58kg契約 3分5R ※ヒジあり>
 ○ 国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
   判定3-0(50-43、50-43、49-44)※全ラウンドマストシステム
 ● “Artigiano”ロベルト・パレスティーニ(イタリア/WFC世界フェザー級王者)

<ダブルメインイベントⅠ ISKAムエタイ女子アトム級(48㎏)世界王座決定戦 3分5R ※ヒジあり>
 ○ 白築杏奈(138KICKBOXING CLUB/WPMF女子世界フライ級&NJKFミネルヴァライトフライ級王者)
   TKO 2R 1分42秒(右ローキック・レフェリーストップ)
 ● “Sniper”ブランカ・ヘルナンデス(スペイン/ISKAスペイン アトム級2位)
 ※白築がISKAムエタイ女子アトム級新王者に

<セミファイナル NJKF 70kg契約アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり>
 ○ 白神武央(NJKF拳之会/元WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者)
   判定3-0(三者とも30-28)
 ● こうた(NJKF TEAM武心會/NJKFスーパーウェルター級2位)

<第8試合 交流戦 バンタム級アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり>
 ○ 池上侑李(NJKF岩崎道場/NJKFフライ級4位)
   TKO 1R 1分44秒(※レフェリーストップ)
 ● 福島達人(リアルディール)
 ※池上の肘打ちにより福島が左目上部をカット

<第7試合 交流戦 65kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり>
 ○ 佐野克海(NJKF拳之会/NJKFウェルター級7位)
   TKO 2R 1分45秒(※レフェリーストップ)
 ● MA-SHI(NJKF新日本拳法同志会/NJKF Sライト級8位)
 ※佐野の肘打ちによりMA-SHIが左目上部をカット

<第6試合 交流戦 68kg契約 アグレッシブマッチ 3分3R+ex1 ※ヒジあり>
 ○ 龍威地(NJKF ARENA/NJKFウェルター級8位)
   TKO 2R 1分28秒(パンチ・レフェリーストップ)
 ● ☆HIRO☆(VERSUS/JKIウェルター級10位)

<第5試合 交流戦 フライ級 3分3R>
 ● 則武知宏(テツジム)
   TKO 1R 1分49秒(右ハイキック・レフェリーストップ)
 ○ 清志(NJKF KTF)

<第4試合 交流戦 70kg契約 3分3R>
 ● RYOYA(NJKF 勇健塾)
   TKO 1R 1分15秒(右ストレート・レフェリーストップ)
 ○ 慎太郎(team Bonds)

<第3試合 交流戦 55kg契約 3分3R>
 ○ 湧也(BOSS GYM)
   判定2-0(30-29、29-29、29-28)
 ● 優貴(OU-BU GYM)

<第2試合 NJKF 51.5kg契約 3分3R>
 ○ PRINCE博(NJKF ARENA)
   判定2-0(30-28、30-27、29-29)
 ● 小林広幸(NJKF 立真ジム)

<第1試合 NJKFミネルヴァ ライトフライ級 2分3R>
 ○ 鍵山奈穂(NJKF 岩崎道場)
   判定2-0(30-29、29-29、29-28)
 ● 亜美(NJKF OGUNI-GYM)

〈オープニングファイト NEXT☆LEVEL〉

<第3試合 ジュニア-45kg 2分2R+ex1>
 ○ 末國龍汰(空修会館)
   判定3-0(三者とも20-17)
 ● 岡崎聖矢(team Will)

<第2試合 NJKFミネルヴァアマチュア 2分2R+ex1>
 ○ 乾 幸歩(team Bonds)
   判定3-0(20-19、20-18、20-18)
 ● 三宅美優(NJKF拳之会)

<第1試合 ジュニア-30kg 2分2R+ex1
 ● 髙山翔星(武魂會)
   判定0-3(19-20、19-20、18-20)
 ○ 稲田晃大(NJKF拳之会)

〈大会概要〉

『NJKF拳之会主催興行 ~ NJKF2019 west 2nd ~』

2019年4月21日(日)
岡山市・岡山コンベンションセンター
岡山県岡山市北区駅元町14 TEL (086)214-1000
OPEN 12:30 / START 13:00

〈チケット料金〉
特別リングサイド席 10,000円
リングサイド席 8,000円
指定S席 7,000円
指定A席6,000円
指定B席5,000円
※当日券は全席5000円UP

〈チケット販売〉
NJKF拳之会 TEL 086-426-5560
出場選手または所属ジム

〈主催〉
NJKF拳之会ファイトプランニング

〈認定〉
ニュージャパンキックボクシング連盟

〈協賛〉
ファイティングロード

〈問い合わせ〉
NJKF拳之会 TEL 086-426-5560


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