[ファイトクラブ]記者座談会:誰よりもレスラーの引退後を考えたジャイアント馬場・三沢光晴両社長

[週刊ファイト5月2日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼記者座談会
 誰よりもレスラーの引退後を考えたジャイアント馬場・三沢光晴両社長
・猪木さんはトータルで30億以上、プロレス以外の事業につぎ込んでいるはず
・松永光弘はセカンドキャリアを決めて30代でプロレスに見切りをつけたのが良かった
・小橋建太は手堅いやり方をしてます
・国民年金すら掛けていないインディー系選手の引退後はもっと暗い


 正社員として企業に35~40年務めた人なら定年退職後も年金と退職金で悠々自適に暮らしていける。だが、レスラーにはこうした保障がほとんどない。このため、そこそこ知名度の高い元メジャー系選手でも路頭に迷うケースが出てくるのだが、唯一、旧・全日本プロレスとノアに長年に渡って所属した者は厚生年金に救われる。レスラーの引退後について話し合ってみた。


故・三沢光晴

(*編注 A=『マット界舞台裏』特約記者、B=スポーツ紙記者 C=フリーのべテラン記者)

A レスラー廃業後に起業して年商数10億円の会社の社長にのし上がった人は過去にいますか?

B 残念ながら1人もいません。逆に事業で数10億円の損失を出した元レスラーはいますけど。


アントニオ猪木

A 燃える闘魂ですね。

B 猪木さんはトータルで30億以上、プロレス以外の事業につぎ込んでいるはず。それにしても、よく借金を返済できたなと思います。

C タバスコとブラジル・レストラン経営は利益が出てましたけど、儲けがしれているので猪木さんとしては面白くないというか、夢がなさ過ぎる。そこで軌道に乗ったら何百億、何千億の売り上げが見込めるリサイクル事業や永久電気に手を出して失敗した。でもまァ、芸能人とか元プロ野球選手とか、ほとんどの人が事業で多額の借金を作っているじゃないですか。

A 小さな成功を収めた元レスラーもいないですか?

C これはインディー関係者ならみんな知ってる話ですが、松永光弘はステーキ・ハウス、三宅綾は犬のブリーダーを完全に軌道に乗せています。「これしかない!」と自分のセカンドキャリアを決めて30代でプロレスに見切りをつけたのが良かった。

B ところが、次の仕事を極めても会社や飲食店の経営に失敗してマット界に戻ってくる元レスラーの方が圧倒的に多いじゃないですか。長与、大仁田、谷津・・・他にも何人かいるでしょ? 大仁田は母親にレストランをやらせていただけですが、選挙にもだいぶ金を使っている。


松永光弘

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