DポワリエMホロウェイ、IアデサニヤKガステラムともに5Rフルの大激闘!UFC236アトランタ

(c)Josh Hedges/Zuffa LLC/UFC

 日本ではWOWOWが中継だが、米国では今回からまずESPN+の月額サービスに入り、その上で有料課金のPPVを注文する方法になり、これまでの地域ごとのケーブル会社に注文する恰好でのテレビで見るPPVがなくなった変革でも注目されたナンバーシリーズの『UFC 236』が、メジャーリーグのアトランタ・ホークスの本拠地、ステートファーム・アリーナで開催された。


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 最後の2カードはともに5Rフル、一進一退の攻防が続く大激闘に。フェザー級王者から階級を上げてライト級暫定王座に挑んだハワイの星マックス・ホロウェイだが、ルイジアナ州ラファイエット出身、直近では6戦無敗になるダスティン・ポワリエに粘りに粘られ、2012年2月にも戦っている両者だが、返り討ちに遭ってしまった。
 ミドル級暫定王座戦は、絵的にもわかりやすいというか、細身で長身のイズラエル・アデサニヤに、豆タンク型のケルヴィン・ガステラムの死闘である。ガステラムは本年2月『UFC 234』にて王者・ロバート・ウィテカーに挑戦だったが、ウィテカーが前日計量後にヘルニアを発症してカード消滅に。これが暫定王座決定戦となった。ガステラムは4R以上戦ったことがなく、体形からもスタミナ持続が懸念されたのだが、何度もストップ寸前まで追い込まれながら、最後まで闘ったのだから凄かった。米国の初回のESPN+でのネット配信PPVのみという新たな時代の幕開けだったが、内容面で十分に近年まれにみる、手に汗握る大会になっている。

 また、UFCとライバルであるONE Championshipに現在役職を与えられている元UFC世界ミドル級王者リッチ・フランクリンの殿堂入りも発表された。思い起こせば、日本でのデビューは2003年大晦日の『INOKI BOM-BA-YE 2003 馬鹿になれ夢を持て』にてリョート・マチダにKOされた試合だった。

■ UFC 236 :Holloway vs Poirier 2
日時:4月13日(現地時間)
会場:ジョージア州アトランタ インサイド・ステートファーム・アリーナ

【メインカード ESPN+ PPV 日本ではWOWOW】
<第13試合 メインイベント UFCライト級暫定王座決定戦 5分5R>
●マックス・ホロウェイ(ハワイ/フェザー級王者)
 判定0-3 (46-49/46-49/46-49)
○ダスティン・ポワリエ(3位)
※ポワリエが暫定王者に

ダスティン・ポワリエ

「この気持ちを言葉では表せられない。ベルトを取ったんだ。娘のために家に持ち帰って、月曜日には娘を動物園に連れて行くんだ。タフな試合だった。最初のラウンドで勝てていたかもしれない。でも、彼が攻めてきて、で、また俺が攻める。俺も血が流れたし、彼も血を流していた。ハイレベルな戦いだったし、これぞ激闘ってやつだな。やられたし、痛いよ。逃げ出したいと思うようなときもあるけど、未知の中でも落ち着けることを学ぶ。オクタゴンは未知の恐怖がある。負ける可能性だってあった。ノックアウトされるか、チョークで落とされるか、なんであろうとね。だからこそ、みんなが試合を見に来るんだ。予想不可能な生き残りをかけた戦いさ。マックスがもっと速いかと思っていたんだけど、なめらかだった。彼のジャブはリズムが違う。逆境もあるだろうと思っていたしね。前にも言ったけど、みんなの前でそれを証明できれば最高だけど、自分自身に示す必要もあった。俺にとっては本当にすべてだ」

マックス・ホロウェイ

「人生はスベリ台とハシゴなんだ。次の大きなハシゴに上るためには、滑り降りないといけないこともある。それが現実なんだよ。我々はこれからも遊び、これからも戦う。ダスティン、ジョリー、おめでとう。とっくの昔にベルトを巻いているべき人だ。ダイアモンドは永遠に!だな」

<第12試合 CO-メインイベント UFCミドル級暫定王座決定戦 5分5R>
●ケルヴィン・ガステラム(UF優勝/4位)
 判定0-3 (46-48/46-48/46-48)
○イズラエル・アデサニヤ(ニュージーランド/5位)
※アデサニヤが暫定王者に

イズラエル・アデサニヤ

「5ラウンドの戦争を覚悟してやってきたけど、予想していたのとは違った。いろいろと考えをまとめるためにはシャワーを浴びて試合を見直さないと。試合について何か話すならその後だ。でも、ジャブを当ててきたケルヴィンがすごかったことは言える。これは予想外だったし、ジャブを当てさせてしまったことに驚いた。こっちは思ったタイミングで相手に触れられたけどね。こういう試合をやらないとな。でも、いつも言っているように、運命ってなかなかのもんだ。次の試合・・・忘れられない試合にしてみせる」

<第11試合 ライトヘビー級 5分3R>
●エリク・アンダース
 判定0-3 (26-30/26-30/26-30)
○カリル・ラウントリーJr.

カリル・ラウントリーJr.

「今日はセコンドの声が聞こえた。今日の試合は最大のゲームプランがあったから。いろいろと新しいツールがあるんだけど、でも、セコンドの助けがないとそれが使えない。フィニッシュのチャンスは何度もあったけど、あまり激しく感情的になりたくなかったし、それに時間を費やしたくもない。自分がどれだけ長く持つのか、感情を抑えられるのかを確認したかった。一発のノックアウトパワーは持っているつもりだし、何度かダウンもさせたんだけどね。それを試したくて、フィニッシュを急ぎたくなかったんだ。俺をカリル2.0に仕上げてくれたペッチインディとタイガー・ムエタイに感謝したい」

<第10試合 ウェルター級 5分3R>
●アラン・ジョバーン
 判定1-2 (30-27/28-29/28-29)
○ドワイト・グラント

ドワイト・グラント

「試合が始まってすぐにケガをしてしまって、二頭筋がどうにかなってしまったみたいな感じだった。だから、そのケガのせいでカウンターを仕掛けられなかったんだ。カウンターもコンビネーションもずっと完璧にやってきたから、今日もそれを見せたかったのにできなかった。でも、動き続けないといけなくて、ジャブとレッグキックで押していった。相手が俺の口を殴ってきたから、もしかしてハードにパンチできないのかもしれないと思ったし、そこからはケガしてもこの試合に勝てると思っていた。向こうが勝ったなんて思うべきじゃない。勝てたかもしれないけどね。危ない瞬間があったんだけど、プレッシャーをかけてこなくて、むしろ下がっていったんだ」

アラン・ジョバーン

「最悪の判定だ。心が打ち砕かれる。相手のことを見下すつもりはない。ただ、彼はニューカマーで、俺はファイトボーナスも獲得したことのあるウイナーだ。ずっと下がり続けていたし、こっちが攻めていたのに。理解できない。心が打ち砕かれた気分だし、ファンもそんな風に感じたみたいだったから余計にそう思う。こんな風な判定はダメだ。これで僕と家族が必要とする金が半分になるんだから」

<第9試合 ライトヘビー級 5分3R>
●オヴィンス・サン・プルー(12位)
 2R 2分30秒 裸絞め
○ニキータ・クリロフ

ニキータ・クリロフ

「今回の試合は本気でフィニッシュしたかった。前回、自分が負けたときと同じだから、UFCにいい形で復活できるように一本勝ちしたかったんだ。眠らせてやりたかったからタップされたのはかなり最悪だったけどね。一本勝ちだから今回の試合はいつもよりうれしい。戦ってきたすべてのファイターから学んでいるし、今回の試合も、彼がヴォンフルーチョークを仕掛けようとしたのが分かったけど、守れたし、やらせなかった。前回の敗戦を晴らすキャリアの中でも一番満足のいく勝利のひとつだ。新しい契約を結んでからまだ2試合目だし、次はできるだけベストな相手と戦いたい」

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<第8試合 ライト級 5分3R>
●ジェイリン・ターナー
 判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
○マット・フレボラ

マット・フレボラ

「向こうが強いストライカーなのは分かっていたから、汚くても食らいついていくドッグファイトがプランだった。このスタイルで10戦やって10勝しているし、今日もその結果になった。向こうは背も高くてリーチもある。スタンスを切り替えてきたし、膝のタイミングもずらしてきた。捕まえたときは必死にいった。でも、テイクダウンはうまくかわされてしまったし、ケージをアドバンテージにするよりも生かすしかなかったんだ。関節技がもう少しで決まりそうだったし、向こうがゴホゴホ言っているのも聞こえた。第1ラウンドは俺が相手の背中を取っていたから、フィニッシュできるようにもっとプッシュすべきだった。今回の勝利は喜んでいただくし、この試合でいい経験になった」

<第7試合 フライ級 5分3R>
●ウィルソン・ヘイス(4位)
 1R 2分58秒 TKO
○アレクサンドル・パントーハ(5位)

アレクサンドル・パントーハ

「ずっとケージの中でウィルソンと戦いたかっただけに、でかい瞬間だったけど、あまり興奮しすぎたくなかった。熱くならないように。戦略にこだわって、ゲームプランにこだわって、たくさん動かないといけなかったしね。向こうは優れたグラップリングがあるし、柔術もすごいから、スタンディングをキープして打撃でいきながら距離を取りたかった。プランは相手を疲れさせること。あのテイクダウンは予想していたし、対応も準備していた。ディフェンスしたかったけど、疲れさせて打撃で行く予定だった。これで自分にとっては最大の勝利を手に入れたし、彼はランキング4位だったから、ベルトに一歩近づけたと思う。ヘンリーはいい友達なんだ。彼とはトレーニングもたくさんしているし、6カ月間、一緒に過ごした。俺の地元、ブラジルの小さな町にも来てくれたし、お正月のパーティーも一緒に楽しんだんだ。ヘンリーと戦うつもりだけど、テイクダウンなしだったらね!」

<第6試合 ウェルター級 5分3R>
○マックス・グリフィン
 判定2-0 (29-27/29-27/28-28)
●ゼリム・イマダエフ

マックス・グリフィン

「昨日、朝飯のビュッフェで狙ってきやがったんだ。バスのときもそう。俺が打ち負かしたいと思って戦った相手にこんなことをされたのは初めてだ。あいつは最悪、最低なヤローだ。結局、MMAがあいつをこらしめたのさ。レスリングは俺の方が上。あいつにポイントがついていないことを願うよ。あれでアクションが止まったし、俺のポジションを台無しにしやがった。最低最悪なファイターだし、イカサマ野郎だ。俺が仕掛けていったらケージをつかみやがったし、クリンチのときはグローブをギュッと握っていやがった。前回の試合ではチアゴに勝ったと思ったのに、勝利が奪われた気がしている。2連敗していたし、最後の試合になるかもしれなかった。今回の相手は勢いがあって、俺が負けて向こうの勝利のために用意された舞台のようにも感じていた。UFCではこれが最後の試合になるかもしれなかったから、今回の勝利が少し満足させてくれている」

<第5試合 バンタム級 5分3R>
●ボストン・サーモン
 1R 0分25秒 TKO
○カリッド・タハ

カリッド・タハ

「これ以上ないよね。1ラウンド開始早々にノックアウトなんて。試合が長くなれば経験は積めるけど、今日のためにしっかり準備してきていたからな。25秒殺だったけど、俺は15分間、激しく戦い切るつもりで準備していた。この3カ月、本当にうまく調整できたし、ドイツ、モロッコ、カナダ、ラスベガスでのトレーニングもうまくいった。あのコンビネーションも練習していたし、カウンター狙いのストライカーを相手にしてもフィニッシュできるようにってね。来月はラマダンの月だから、その後にまた試合がしたい」

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<第4試合 ウェルター級 5分3R>
●カーティス・ミレンダー
 判定0-3 (27-29/27-29/26-30)
○ベラル・ムハマッド

ベラル・ムハマッド

「今回の試合は自分にとっての試練だった。激しく急いだ前回の負けから学んだんだ。今日のプランは冷静かつ落ち着いていくこと、相手を打ち負かすゲームプランにしっかり沿って戦うことだった。距離を縮める必要があったけど、レンジに関しては向こうがベストを尽くしてきたから、相手が嫌がるようにやっていかないといけなかったし、押していく必要があった。次は7月にニコ・プライスとやりたい。俺と同じように彼も常に戦いを望んでいるから、やろうぜ」

<第3試合 バンタム級 5分3R>
○モンテル・ジャクソン
 判定3-0 (30-26/30-27/29-27)
●アンドレ・スーカムタス

モンテル・ジャクソン

「予想していた試合になったし、自分が圧倒して勝利した。もうちょっと攻めていけると思っていた。特にスタンディングではね。相手に驚かされたようなことは何もなかった。ものすごい頑丈で度胸試しを仕掛けてきた。フィニッシュできなかったことには不満があるけど、それだけかな」

<第2試合 女子フライ級 5分3R>
●ローレン・ミューラー
 判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
○ポリアナ・ボテーリョ

<第1試合 バンタム級 5分3R>
○ブランドン・デイビス
 2R 1分12秒 裸絞め
●ランディ・コスタ

ブランドン・デイビス

「最初のラウンドは相手の手数の方が自分よりも少し多かったけど、別にどれもどうってことはなかった。2ラウンド目は最初のラウンドよりも手数を増やしていく必要があった。ジャブはうまく決まっていたし、いい感じだったと思う。相手を痛めつけるならあのジャブだって思っていたからね。もっと打ち込むようにしていったら、膝に食らったけど別に大したことはなかったし、ジャブのワンツーでダメージを食らわせてやった。グラウンドでは向こうが休んでいるのを感じたから、背中を取ってフィニッシュしてやったんだ。次は、ゲーム・オブ・スローンズを見て、それから次の試合だな。できるなら来週にも戦うぜ」


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▼現地発レッスルマニア週間総括~志田光AEWテレビ~新日ROH功罪

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