[ファイトクラブ]世界中が注目するONE Championshipは神興行だった

[週刊ファイト4月11日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼世界中が注目するONE Championshipは神興行だった
 photo & text byシン上田、タダシ☆タナカ、こもとめいこ♂ +公式写真
・さほど長さを感じず楽しめた!休憩もなく疲れがなかった7時間興行
・青木真也が王座奪回で締め!RIZINとの二極図式化とアジアでのUFC
・ビジネスとしてのONE日本初上陸大会と青木の家庭崩壊マイク自虐癖
・中国のシィォン・ヂィンナンが目玉アンジェラ・リー二階級制覇野望砕く
・アウンラ・ンサン防衛!長谷川賢手術「肺から2リットル血が出て輸血」
・ケビン・ベリンゴン押していたが反則でビビアーノ・フェルナンデス王者
・負けて新たなスター誕生・若松佑弥!デメトリウス・ジョンソン日本初試合
・1試合100万ドル契約のエディ・アルバレスがロシア人選手に初戦敗退
・ヨーセングライがRIZINに出なかったアンディ・サワーにリベンジ完勝
・那須川天心苦しめたロッタンだが~噂のLion Killerゲイリー・トノ強し
・国内は久々V.V Meiが母国でロシア強豪美女に価値ある一本勝ち大役
・10月日本大会ブランドン・ベラxアウンラ・ンサン3階級制覇なるか?


 3月31日に日本初上陸を果たしたONE Championship。
 会場の両国国技館はインターナショナルな独特のムードに包まれていた。日本人の格闘技マスコミ陣は、いろいろな場面で驚いたに違いない。まずは国技館内に入る時、観客やマスコミ陣に対して荷物とボディチェックが行われたのである。不良たちによる格闘技イベント『OUTSIDER』以外では見たことのない光景だ。

 1階席には屈強な黒人を中心としたセキュリティが、リングに背を向けて立っていたことも日本人の目には異例と映ったであろう。ただ、このセキュリティがとにかく邪魔。選手の入場ステージ脇に設けられた記者席から試合を撮影するときに本当に邪魔だった。世界にはテロや暴動が溢れているのだから当然かもしれないけれど。

 日本人セキュリティは英語が話せず、東南アジア系の人たちがVIPエリアに入る際にあたふたした対応だったのはマヌケな光景だった。マスコミ陣も半数以上が東南アジアを中心とした海外メディア。日本でありながら、聞こえてくるのは英語やその他の外国語。国際的な注目度はRIZINの比でないことは明らかだ。まして米国はターナー・スポーツのネット配信BR(Bleacher Report)が今大会から無料生中継である。

 4月1日には入管庁が発足。外国人労働者の受け入れ拡大に国が全力で取り組む姿勢である。特に都内はこれまで以上に外国人労働者が増えるのは確実だ。ベトナム、ネパール、ミャンマーといったアジア圏から大量に押し寄せるであろう。ONE Championshipの世界が数年後の日本の風景と重なって見えた。と同時に、言葉の壁を乗り越える総合格闘技の醍醐味を改めて思い知った。

 大勢のマスメディアが国技館を出たのは午後11時頃。午後3時30分から試合が始まり、タイトルマッチに出場した選手たちによる記者会見が終わるまで7時間を優に超える長い興行である。にもかかわらず、さほど長さを感じず楽しめた。無駄な煽りビデオ、長い入場シーン、強引に取らされる休憩時間などがなかったのがその理由だろう。RIZINとは異なり、テンポのいい進行だったので観客も退屈せずに済んだはずだ。

 ONE Championship独特のストライカー寄り(ややタイ人びいき?)の判定基準に、日本の観客がどのような反応を見せるのか興味があったが不可解な判定はなく、メインで青木真也が一本勝ちで締めたのだから誰もが満足したに違いない。つまり、神興行だったのである。

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