“修斗の暴れん坊”新井丈激勝!K-1レジェンド瀧川リョウ敗れる~KROSS×OVER埼玉、長丁場も盛況に

■ KROSS×OVER 5
日時:2月24日
会場:埼玉県県民活動総合センター

<第7試合 PRO-MMA -52.2kgFIGHT 5分2R ※ヒジ有り>
●サイモン・シェ(アカデミア・アーザ)
 1R 4分57秒 チョークスリーパー
○新井 丈(キングダム立川コロッセオ)

 総合格闘技界の老舗“修斗”から、新井丈が初参戦。迎え討つサイモン・シェは、MMA戦績4勝1敗の戦績を持つストライカー。埼玉県本庄市にあるアカデミア・アーザ本庄支部でキックボクシングの指導も受け持つ。師匠の吉澤昌氏は日本コンバットレスリング協会の理事長も兼任していて、新井の師匠、入江秀忠を育てた木口(宣昭)氏が創始したコンバットレスリングにも繋がるという縁を持つ。新井のセコンドにはその入江と、キングダムネットワークジムでヘッドコーチを務める瓜田幸造がつく万全の布陣。
 入場時、埼玉県民活動総合センターに新井の入場曲であるマイケル・ジャクソンの『Beat It』が流れると、アゥエーながら、会場は新井に対する大きな期待感からか声援に包まれた。これは昨年年間通して参戦し、AbemaTVでも放送された修斗インフィ二ティリーグの影響とも言える。新井は格上ランカー達に結果こそ出せなかったが、ダウンも奪うなどの活躍を見せて名を上げた。

 試合開始早々、オーソドックス同士の打撃戦から新井のシャープなパンチでサイモンを攻め立てる。左フックがサイモンにヒット。サイモンは打撃戦では不利と感じたのかテイクダウン狙いに切り替える。パンチからのタックルを数回、新井に仕掛けるがテイクダウンを許さず新井は進化を見せる。ブレイク後、雄たけびを上げながら前に出るサイモンに、それをかわしながらも的確に新井の打撃がクリーンヒット! 焦るサイモンとの組み付き間際、なんと新井が今度はテイクダウン。サイドからのパウンドを嫌がったサイモンの背後の回った新井がまさかのスリーパー葬でサイモンを締め落とした。

 試合後、マイクを持った新井は、「修斗という団体から来ました。坂本(光弘)さんとは御縁があって呼んで頂き感謝しています!」と述べ、試合後のインタビューでは「俺は修斗ではまだまだの選手。だけど、修斗のレベルの高さ、凄みを見せることが出来てホッとしています」と修斗愛を語っていた。

<セミファイナル KROSS×OVER認定 初代 HEAVY WEIGHT KICK Championship Tournament一回戦 3分3R(延長1R)>
●瀧川リョウ(RKS 顕修塾/MA日本クルーザー級王者、99年K-1 JAPAN3位)
 3R TKO
○功成(FREEDOM@OZ)

 ついに、KROSS×OVERの初代ベルトのかかったトーナメントが開幕。MAキック現王者の瀧川リョウが本トーナメントに参戦。元K-1ファイター内田ノボルと好勝負を展開した功成を迎え討つ。入場時、巨漢の功成がロープにまたがりパフォーマンス。地元応援団に盛り上げれアピール。セコンドにはジムの代表小塚(誠司)がつく。1R、序盤はやや静かな立ち上がりから功成の豪快な左フックが炸裂。場内が沸く。その後の攻撃を嫌った瀧川が組みつくとすぐにホールディングの注意が。功成優勢のままラウンド終了。
 2R、滝川は左右のフックで攻め立てるも、体重差のある功成の圧力に負け、どうしても組み付いてしまう。蹴り足を取って倒したところでまた瀧川に注意が入る。噛み合わない。再開後、功成の左フックがドンピシャはまり瀧川ダウン。立ち上がり際にゴングに救われる。
 3R、功成の猛攻に瀧川スタンディングダウンを取られる。再開、瀧川は得意に左右のフックで前に出ていくも、決めてにかける。そして、功成の渾身の左が瀧川をついに取らえて瀧川ダウン。レフリーが試合を止めた。マイクを持った功成を大応援に感謝を述べ、「決勝、まだ誰か(次に試合の勝者)分からないんですが誰でもいいんでかかってきて下さい、俺の夢のベルトなんで絶対勝ちます!」と叫んだ。
 試合後、瀧川が功成側のセコンドに“強くなる”と呟いていたように見えた、その言葉どおりに彼が成長するかは今後を見て行きたいと思った。

<メインイベント KROSS×OVER認定 初代 HEAVY WEIGHT KICK Championship Tournament一回戦 3分3R(延長1R)>
●中平 卓見(北眞館/J-NETWORKライトヘビー級6位)
 判定 0-3
○坂本 英則(修実館/J-NETWORKヘビー級2位)

 KROSS×OVER 5もついにメインイベントに突入。J-NETWORKのランカー同士の対戦となる。先に入場の坂本は120キロを超える巨漢。マイティー・モーをほうふっとさせる風貌だ。対する中本は筋骨隆々。試合開始前、坂本はコーナーで思いっ切り飛び、リングを踏みつけ大きな音を出して気合いを入れる。
 開始早々、坂本はロ-が得意なのか攻め立てる。スーパーマンパンチなども見せ、体格のわりに器用な一面も。中平はインロ-主体の攻め。1R中盤からヘビー級の乱打戦。場内を盛り上げる。しかし、中平のインロ-がローブローとなり、1回目の中断。
 2Rにも、またローブローで悶絶する坂本。しばし中断のあと再開。しかし、またも中平のローブローが入ってしまう。記者も立てないのでは?と、思われたが応援に支えられ根性を見せる。
 3R 序盤からド派手な乱打戦。巨漢坂本、胴回し回転蹴り。再開後、坂本の右ハイが中平を捕えダウン。なんとか立ち上がる。中平、必死に逆転を試みるも決め手にかけ終了のゴング。大声援の中、両者健闘を讃え合い激闘は幕を下ろした。先に勝利していた功成がリングサイドを訪れ、「なんで俺の試合より盛り上げってんだ! 俺は倒してんのに!」と、自分の応援団に叫んでいたのが個人的には笑えた。

 これにより、次回7月7日に開催予定の『KROSS×OVER 6』での両者の対戦が実現することが濃厚。アンコ型同士の完全決着に期待したい。

【その他の試合結果】
<第6試合 PRO-KICK -63kg FIGHT 3分3R>
〇我謝 真人(Y&K MMA ACADEMY)
 2R2分54秒 TKO
●山口 勇(ストライフ)
※1R両者1ダウン

<第5試合 PRO-KICK -65kg FIGHT 3分3R>
〇松岡 翔大(ISHITSUNA MMA)
 1R1分4秒 TKO
●菊地 陽太(極真拳武会さいたま浦和支部)

<第4試合 KICK -73kg FIGHT 3分2R>
〇倉岡 海斗(北眞舘)
 1R1分36秒 TKO
●大谷 真弘(クールチャンプ)

<第3試合 MMA -61.2kg FIGHT 3分2R>
〇根本 和季(フリー)
 1R2分8秒 TKO
●栗原 秀和(クールチャンプ)

<第2試合 MMA -73kg FIGHT 3分2R>
△中野 謙(リバーサルジム東京スタンドアウト)
 判定0-1(19-19 18-20 19-19)
△藤本 新(MOB BuRGLAR)

<第1試合 MMA -61.2kg FIGHT 3分2R>
●山崎 宏(リバーサルジム東京スタンドアウト)
 判定0-3(17-20 18-20 18-20)
〇新井 拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)

<オープニングファイト>
いじめ撲滅~KROSS×OVER選抜vs“ハマの最強ムエタイ軍団”エイワスポーツジム対抗戦~

エイワ対クロスオーバー選抜はクロスオーバーの3勝で勝利!会場内にあるコバトン食堂の唐揚げ定食は650円の格安ながら油淋鶏風の味付けでボリュームあり絶品。これだけを食べに訪れたいと思えたほどだった。


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’19年03月07日号全日横浜 新日ROH迎撃WWE マーベラス ボリショイ引退 KrossOver WLC