“平成後半の主役”棚橋が平成最後の東京ドーム大会でIWGPヘビー4年ぶり8度目戴冠! ケニーはじめエリート新団体勢は全敗

 4日、新日本プロレス東京ドーム大会が行われ、満員マークがつく盛況で賑わった。

 3年ぶりドームメイン登場となった棚橋弘至。受けに回る王者ケニー・オメガの力量ももちろんあったが、場外長机へのハイフライ弾自爆、2度の「片翼の天使」破り(リバースフランケン、スリングブレイド)に代表される棚橋の躍動は“全盛期”を想起させた。39分13秒の長期戦を制した棚橋は、IWGPヘビーを4年ぶり8度目戴冠。マイクでは「正直言うと、もうこの舞台には帰って来れないかと思ってました」とも漏らしたが、まさにビッグカンバックを遂げた格好となった。

 クリス・ジェリコvs.内藤哲也は6・9大阪城ホールでの同カードよりも格段の内容。ノーDQマッチとしての展開に両者のプロレス脳が冴えわたり、随所での動きに裏付けされるジェリコのコンディションも良好だった。ハイフライヤー対決として期待された飯伏幸太vs.ウィル・オスプレイは、アクロバティックな攻防に沸いたもののフィニッシュへの流れはやや唐突で、大会ベストバウトとはならなかった。

 大会で行われたタイトル戦では、実に全王座が移動。ケニー、Cody、ヤングバックスはじめエリート新団体参加が噂される顔ぶれは全員が王座陥落もしくは敗退となったことも興味深い。しばらくはAEW(All Elite Wrestling)専念という意図でのインターバルか、新日本との交流が未定ということなのか。ROHを含めた新日プロと新団体の会合が近く行われる情報があるが、いずれにせよいったんの区切りをつけたようにも思える結果となった。加えてWWEへの転出の噂もあるKUSHIDAが敗退。マット界再編がどうなっていくのかの続報が待たれる。

 前年と比べると3,000人余りの観客数が上乗せされ、1Fスタンドの内野エリア観客がついにポール間際のブロックまで到達。外野エリア再進出の可能性を感じさせたが、なんと2020年での1・4&5東京ドーム2連戦が発表に! 今夏のG1クライマックスは海外での開幕(テキサス州ダラスのアメリカン・エアラインズ・センター)となることも明かされ、団体としての勢いを感じさせたドーム大会となった。

 

■ 新日本プロレス バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム
日時:1月4日(金)17:00 ※第0試合は16:00開始
会場:東京・東京ドーム 観衆38,162人(満員=主催者発表)

<第0試合 NEVER無差別級6人タッグ王座 ナンバーワン・コンテンダー・ガントレットマッチ>
田口隆祐 〇矢野通 真壁刀義
 8分09秒 横入り式エビ固め
●デイビーボーイ・スミスJr. ランス・アーチャー 鈴木みのる
※真壁組が1・5後楽園大会での同王座挑戦権獲得
※他のチームは「デビッド・フィンレー ジェフ・コブ 永田裕志」「チャッキーT バレッタ 後藤洋央紀」「マーティー・スカル 高橋裕二郎 ハングマン・ペイジ」
※経過
1.
〇フィンレー
 4分39秒 横入り式エビ固め
●高橋裕二郎

2.
〇フィンレー
 7分30秒 横入り式エビ固め
●チャッキーT

3.
〇ランス
 2分44秒 キラーボム⇒片エビ固め
●フィンレー

<第1試合 60分1本勝負 NEVER無差別級選手権試合>
[王者]●飯伏幸太
 18分13秒 ストームブレイカー⇒片エビ固め
[挑戦者]〇ウィル・オスプレイ
※飯伏が初防衛に失敗、オスプレイが第23代王者となる

<第2試合 60分1本勝負 IWGPジュニアタッグ選手権試合 3WAYマッチ>
[挑戦者組/SJTL2018優勝]SHO ●YOH
 6分50秒 ラスト・オブ・ザ・ドラゴン⇒片エビ固め
[挑戦者組]〇鷹木信悟 BUSHI
※もう1組は「[王者組]金丸義信 エル・デスペラード」
※デスペラード組が5度目の防衛に失敗、BUSHI組が新王者となる

<第3試合 60分1本勝負 ブリティッシュヘビー級選手権試合>
[王者]●石井智宏
 11分35秒 変型卍固め
[挑戦者]〇ザック・セイバーJr.
※石井が防衛に失敗、ザックが新王者となる

<第4試合 60分1本勝負 IWGPタッグ選手権試合 3WAYマッチ>
[挑戦者組/WORLD TAG LEAGUE2018優勝]〇SANADA “キング・オブ・ダークネス”EVIL
 10分15秒  ラウンディング・ボディプレス⇒体固め
[挑戦者組]ニック・ジャクソン ●マット・ジャクソン
※もう1組は「[王者組]タンガ・ロア タマ・トンガ」
※王者組が初防衛戦に失敗、EVIL組が第82代王者となる

<第5試合 60分1本勝負 IWGP USヘビー級選手権試合>
[王者]●Cody
 9分02秒 パルプフリクション⇒体固め
[挑戦者]〇ジュース・ロビンソン
※Codyが初防衛に失敗、ジュースが第5代王者となる

<第6試合 60分1本勝負 IWGPジュニアヘビー級選手権試合>
[王者]●KUSHIDA
 11分17秒 ブラディークロス⇒片エビ固め
[挑戦者]〇石森太二
※KUSHIDAが初防衛に失敗。石森が第83代王者となる

<第7試合 60分1本勝負 スペシャルシングルマッチ>
●オカダ・カズチカ
 14分18秒 ブレードランナー⇒片エビ固め
〇ジェイ・ホワイト

<第8試合 60分1本勝負 ダブルメインイベントⅠ IWGPインターコンチネンタル選手権試合 ノーDQマッチ>
[王者]●クリス・ジェリコ
 22分35秒 デスティーノ⇒片エビ固め
[挑戦者]〇内藤哲也
※ジェリコが2度目の防衛に失敗、内藤が第20代新王者となる

<第9試合 60分1本勝負 ダブルメインイベントⅡ IWGPヘビー級選手権試合>
[王者]●ケニー・オメガ
 39分13秒 ハイフライフロー⇒片エビ固め
[挑戦者/G1 CLIMAX 28覇者]〇棚橋弘至
※ケニーが4度目の防衛に失敗、棚橋が第67代王者となる