TBS系テレビ番組『爆報! THEフライデー』で故・馬場元子さん特集

 2018年、プロレス界で勃発した大きな事件の一つに、故・ジャイアント馬場夫人である馬場元子さんの死が挙げられるだろう。4月14日、元子さんが78歳でこの世を去ったことは、平成の終わりに起きた昭和プロレスの終焉として象徴的な出来事だった。

 2018年の暮れ、12月28日(金)にTBS系列で『爆報! THE フライデー~昭和の大スター!禁断の2時間SP~』が放送され、元子さんのことが大きく取り上げられていた。

『ジャイアント馬場 遺体隠蔽計画』
『プロレス界の女帝』
『儲け独り占め』

 など、元子さんのコーナー冒頭からセンセーショナルな文言が並ぶ。そして、元子さんと馬場さんに関するVTRが始まった。


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▼[ファイトクラブ]井上譲二氏が語った馬場元子さんの素顔

[ファイトクラブ]井上譲二氏が語った馬場元子さんの素顔

元子さんの姪・緒方理咲子さんが元子さんについて赤裸々に語る

 VTRで登場したのは、馬場夫妻のことをよく知るという緒方理咲子さん(61歳)。緒方理咲子さんは元子さんの姉の娘であり、元子さんから見ると姪にあたる。子供がいない馬場夫妻にとって、緒方理咲子さんは我が子も同然だったという。

 緒方理咲子さん曰く、馬場夫妻は『変わった夫婦』。元子さんは怒るととてつもなく怖く、物が飛び交い、敵も多かった。
 緒方理咲子さんが初めて、馬場さんと元子さんが住むマンションへ行き、部屋に入ると散らかり放題。お嬢様育ちの元子さんは、片付けなど全くしなかった。部屋を片付けていたのは、たまにしか家に帰って来ない馬場さんだったという。

 緒方理咲子さんは大学を卒業すると、元子さんが社長を務めるジャイアント・サービスに入社。そこで緒方理咲子さんが目にしたのは、社員やレスラーを怒鳴りまくる元子さんの姿だった。しかも、素人の元子さんが対戦カードにまで口を出している。当然、レスラーからは嫌われていた。

 川田利明もVTRに登場し「キッチンで洗い物をした時に、水がたらっと床に落ちただけで、(元子さんに)もの凄く怒られた」と証言していた。

▼VTRで馬場元子さんについて語った川田利明
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 さらに番組では、週刊誌に出ていた『(元子さんが)ジャイアント・サービスの儲けを独り占め、私腹を肥やす』という記事まで紹介していた。

元子さんによる、ジャイアント馬場の遺体隠蔽計画

 元子さんが全日本プロレスの女帝として辣腕を振るっていた頃、馬場さんの病状が悪化した。結腸癌が肝臓に転移、もう命は長くないという。
 しかし元子さんは、親族など極一部の人以外にはこのことは伝えず、全日本プロレスのレスラーすら病状を知らなかった。見舞いに来たレスラーたちを、理由を付けて追い返していたという。
 馬場さんの病状は回復せず、医者が行ってきた延命措置も、これ以上馬場さんを苦しませたくない、と元子さんは断り、馬場さんは1999年1月31日、61歳の若さで帰らぬ人となった。

 元子さんは緒方理咲子さんに、馬場さんの死を隠蔽するように指示。病院から極秘裏で馬場さんの遺体をストレッチャーで運び出し、車で自宅マンションへ向かった。そこに何も知らない若手レスラーたちを呼び出しておき、馬場さんの遺体を自室のある高層階(筆者注:8階)まで階段で運ばせたのだった。当然、若手レスラーたちには箝口令を敷いたのである。

 もちろん、こんな隠蔽計画をいつまでも秘密にしておけるわけもなく、2日目にはマスコミにバレてしまった。馬場さんの自宅マンションにはマスコミが押し掛け、とうとう元子さんも隠し続けることを諦めたのである。

▼ジャイアント馬場さんの死を徹底的に秘匿しようとした馬場元子さん

2019年2月19日、両国でジャイアント馬場没20年追善興行を開催

 その後、番組では、元子さんが馬場さん遺体の隠蔽工作をした理由が語られていた。馬場さんの葬式を大々的にやって、弱った馬場さんの姿を大勢の人たちに見せたくない、というのがその思いだった。ひっそりと密葬しよう、と。
 見舞いに来たレスラーを、病床にいる馬場さんに会わせようとしなかったのも、やせ細った馬場さんを弟子たちに見せられないと思ったからだという。
 緒方理咲子さんは元子さんに関して『常に馬場さんファースト』と表現した。元子さんが『女帝』と呼ばれるような振る舞いをしたのも、温厚な馬場さんの代わりに、自分が鬼になる必要があったからだ。そして元子さんは、自らが悪者になって馬場さんを守り続けた。

 さらに元子さんは、ジャイアント・サービスの利益を独り占めしたのではなく、レスラーたちの福利厚生に充てていたという。そのため、ケガで欠場中のレスラーにも、ギャラが支払われた。
 川田利明は「売り上げの10%は頂いてました。入院費も出してもらいました」と証言した。

 そして番組では、馬場さんと元子さんとの間で、結婚前にやり取りされたラブレターまで紹介されていた。その手紙を緒方理咲子さんは、元子さんから預かっていたという。
 その数は、約8千通。名家のお嬢様である元子さんは、母親からプロレスラーとの結婚を反対されていたのだ。そのため、二人が愛を確かめ合う手段は、手紙しかなかったのである。

 というのが番組の内容だったが、テレビ番組の着地点としては妥当なものだったのだろう。プロレス関係者にとっては既に知っているような内容だったが、地上波ゴールデンタイムでの全国放送、しかも年末特番でプロレスラーではなく、その妻が取り上げられたということは、プロレス界にとって認知度を上げる効果があったに違いない。

 緒方理咲子さんがVTR出演したのも、そのことが理由として大きかったように思える。そして、番組の最後には、元子さんが計画していた『ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~』を緒方理咲子さんが引き継ぎ、2019年2月19日に東京・両国国技館で行われると告知された。


▼2・19ジャイアント馬場没20年追善興行 [王者の魂] アブドーラ・ザ・ブッチャー引退記念 ~さらば呪術師~ 心を一つにしたレスラーたちが集まってくる!

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’18年05月03日号馬場元子 ブルーノ バックランド藤波 TeamDATE 新日どんたく 全日

’19年01月03-10合併号Deep 昭和プロレス仙台 立川格闘技祭り 鷹の爪大賞年間回顧