ドス・サントスがトゥイバサを、”ショーグン”はペドロをノックアウト!「勝利で終われて本当に最高」と中村、岡見と廣田は判定負け!UFCファイトナイト・アデレード


Jeff Bottari/Zuffa LLC/UFC

 総合格闘技団体UFC(Ultimate Fighting Championship)は2018年12月2日(日)にオーストラリア・アデレードにあるアデレード・エンターテインメント・センターにて”UFCファイトナイト・アデレード”を開催した事を発表し。

 元ヘビー級チャンピオンにして現在ランキング7位につけるジュニオール・ドス・サントス(ブラジル 19勝5敗)に、無敗のままUFCトップ15入りした地元ファイターのタイ・トゥイバサ(オーストラリア 10勝0敗)が挑んだメインイベントのヘビー級マッチはドス・サントスのTKO勝利で幕を閉じた。互いに威力ある打撃を持つ2人の試合が動いたのは2ラウンド中盤、トゥイバサが打撃を打ち終えてガードが緩んだところに、ドス・サントスの右が顔面をクリーンヒットしてダウンを奪い、そのままパウンドの嵐を浴びせてレフェリーストップ、ドス・サントスが圧巻のパフォーマンスで勝利を飾った。

 3人が出場した日本人ファイターの試合結果は、プレリムでサリム・トゥアリ(ポーランド 10勝2敗)と対戦した中村K太郎(33勝8敗2分1ノーコンテスト)が接戦を制してスプリット判定勝ちを収めましたが、中村以外の2人はいずれも敗戦を味わっている。

 アーリープレリム2試合目に日本人ファイターの先陣を切ってオクタゴンに上がった廣田瑞人(19勝9敗2分)は、「打撃にこだわる」姿勢を崩さず、果敢にクリストス・ジアゴス(アメリカ 15勝7敗)に挑んでいくも、フルラウンドの末、ユナニマス判定で黒星を喫しました。また、プレリムのトリを飾った岡見勇信(34勝12敗)はアレクセイ・クンチェンコ(ロシア 19勝0敗)に初土をつけるべく、その冷静でスマートな戦い方を披露したものの、終盤にかけて押し込まれる場面が増えてしまい、思っていたようなゲームプランを通せずに判定負けとなった。

 メインカードに登場したマーク・ハント(ニュージーランド 13勝13敗1分1ノーコンテスト)は先住民マオリの伝統的な舞である『ハカ』のパフォーマンスで入場し、大観衆が詰めかけた会場を一気に盛り上げましたが、ジャスティン・ウィリス(アメリカ 6勝1敗)を攻略しきれず、3ラウンドを戦い抜くも3名のジャッジはいずれもウィリスの勝利を指示しています。勝ったウィリスはオクタゴンインタビューをハントに譲り、対戦相手ながらレジェンドファイターであるハントに敬意を表した。

 セミメインイベントではマウリシオ・ショーグン・フア(ブラジル 25勝11敗)がタイソン・ペドロ(オーストラリア 7勝1敗)を対戦し、序盤には強打を食らって足元がふらつく場面があったにもかかわらず、強靭なパワーで巻き返してTKO勝利を挙げた。

 次回、UFCはカナダ・トロントを訪れ、日本時間12月9日(日)にスコシアバンク・アリーナでUFC 231を開催いたします。メインイベントに組まれたのはファン待望のフェザー級タイトルマッチです。王者マックス・ホロウェイが挑戦者ブライアン・オルテガを迎えて防衛戦に挑む。また、セミメインイベントでは空席の女子フライ級王座をめぐって同級ランキング1位につけるワレンチナ・シェフチェンコと、元女子ストロー級王者にしてランキング1位のヨアンナ・イェンドジェイチェクが拳を合わせることになっており、寒さ厳しい街で熱いダブルタイトルマッチが実現する。

 また、日本時間正午開始予定のUFC 231メインカードはチュートリアル福田充徳と西山茉希ほか、『UFCってなんだ?』出演者が豪華ゲストを迎えてUFC Japan公式YouTubeチャンネルにて裏実況(ライブ配信)することになっている。

■ UFCファイトナイト・アデレード
日時:現地時間および日本時間2018年12月2日(日)
会場:アデレード・エンターテインメント・センター(オーストラリア・アデレード)

【メインイベント】
<ヘビー級マッチ 5分5ラウンド>
○ジュニオール・ドス・サントス
 2ラウンド(2分30秒)TKO
●タイ・トゥイバサ
勝者ジュニオール・ドス・サントスのコメント
「すごいね、とっても満足だ。わお。彼がタフなのは分かっていたけど、それほどではなかった。今回の勝利を手にできて神に感謝している。これが俺のボクシング。ノックアウトパワーはあるし、誰だろうとノックアウトできる。誰でもいい。アリスター・オーフレイムとのリマッチがいい」

【セミメインイベント】
<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○マウリシオ・フア
 3ラウンド(0分45秒)TKO
●タイソン・ペドロ
勝者マウリシオ・フアのコメント
「オーストラリアに戻ってこられて本当にうれしい。私はここが大好きだ。ここで試合をするのもお気に入りになるね。来年、次の試合は地元で戦いたい。タイソン・ペドロのことは知っているし、レッグキックが素晴らしいこともトップファイターであることも分かっている。今回の試合のために必死にトレーニングを積んできた。今日は本当にうれしい。自分の為もそうだが、チームのため、ファンのためにうれしい。今回の試合に向けてチームがしっかりとトレーニングしてくれたんだ」

【メインカード】
<ヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジャスティン・ウィリス
 判定3-0(28-29、28-29、28-29)
●マーク・ハント
勝者ジャスティン・ウィリスのコメント
「みんな、俺がマークをダウンさせに行こうとしていると思っていただろうけど、俺の戦略は決してそうじゃなかった。作戦は打撃で彼を上回って圧倒すること。マークは間違いなくレジェンドだ。それ以外に言うことはないだろ。次はトップ5の誰かとやりたい」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○トニー・マーティン
 3ラウンド(1分19秒)サブミッション(アナコンダチョーク)
●ジェイク・マシューズ
勝者トニー・マーティン(アンソニー・ロッコ・マーティン)のコメント
「勝つのはいつだって気分がいいし、ジェイクは思っていたよりもかなりタフな人だった。タフなことは分かっていたし、強いだろうとも思っていたけど、自分の方がもっとはっきり、相手に楽に打っていって自分は打たれないと思っていたんだ。向こうが打ってきた時はちょっとすごかったし、あんな風に打ち込んできたら相手に食らわせるのも難しい。何度か強打を浴びてしまったし、自分の波に乗るのに少し時間がかかったけど、レッグキックがダメージを与えていると分かった。向こうはアメリカン・トップ・チームの精鋭だからね。インターバル中に向こうが足をアイシングしているのが分かって、ダメージを与えられていると思ったから、さらに攻めていこうとして、向こうが雑なショットを放ってきたから、こっちはそれを最大に生かした。アナコンダは特異な技のひとつ。決め技ってやつだ。相手がそこに落ちてきた感じで、コーチたちが向こうは影響を受けているぞと叫んでいたから、すぐにサブミッションを仕掛けにいった。彼が落ち着いていたから入っていたのかどうか分からなかったんだ。ほとんどの人はもっともがき始めるから。そうなったら、きっちり決まったなと思う」

<フェザー級マッチ 5分3ラウンド>
○ソディック・ユサフ
 1ラウンド(2分14秒)TKO
●スーマン・モクタリアン
勝者ソディック・ユサフのコメント
「今回の試合にはすべてをシャットアウトして全集中をかけてきたから、涙を隠せているのはそれが理由。健全じゃないのは分かっているけどね。ポジティブなメンタルを保ったのは今回の試合がUFCデビュー戦だったから、やるしかなかったんだ。とても大きな価値があることだし、きっとブラザーも全集中を試合にぶつけてもらいたかったはずだから。家に帰ったら、少し一息つく時間もあるだろう。クリーンなノックアウトをイメージしていたけど、レフェリーの制止だから受け入れる。俺の打撃はハードだったし、強烈な打撃を見舞ってやった」

<ライトヘビー級マッチ 5分3ラウンド>
○ジム・クルート
 3ラウンド(4分51秒)サブミッション(キムラロック)
●ポール・クレイグ
勝者ジム・クルートのコメント
「試合は思っていたようにいかず、もっと強く打っていくつもりだった。全然ベストなパフォーマンスじゃない。緊張にかなりやられた。バックステージでは問題なかったのに、出ていったら緊張してしまったんだ。次に出ていく時は慣れていると思う。今回はベストなパフォーマンスじゃなかったけど、それでも良いパフォーマンスだったし、何より勝てた。メルボルンのイベントで戦いたい。誰が相手でも構わない」

【プレリム】
<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○アレクセイ・クンチェンコ
 判定3-0(27-30、26-30、26-30)
●岡見勇信
勝者アレクセイ・クンチェンコのコメント
「勝てて本当にうれしいし、とても良い気分だ・・・。試合中にケガはなかったし、今回の試合に向けての準備でも負傷していない。今日は勝ったけど、本当はフィニッシュしたかった。序盤は打撃を打ち込んでいけたし、フィニッシュしようと狙ったけど、難しかった。次はUFCが俺に戦ってほしいという相手なら誰とでも戦うつもりだ」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○ウィルソン・ヘイス
 判定3-0(30-27、30-27、30-27)
●ベン・グエン
勝者ウィルソン・ヘイスのコメント
「自分の方が毎ラウンド上回っていたのは分かっていたし、最後のラウンドは接戦だと思ったけど、すべてのラウンドは俺が取ったと思っていた。前回の試合は自分が勝ったはずだったのに、対戦相手(ジョン・モラガ)に勝ちが与えられたから、今は常に緊張感を持っている。ベンはしっかりと準備していたし、いつも通り、ゲームプランに沿って攻めてきた。次はジョセフ・ベナビデスと戦いたい」

<ウェルター級マッチ 5分3ラウンド>
○中村K太郎
 判定2-1(30-27、28-29、29-28)
●サリム・トゥアリ
勝者中村K太郎のコメント

「勝利で終われて本当に最高です。ただ、次の試合はフィニッシュしたいですね。次はアンソニー・ロッコ・マーティン(トニー・マーティン)とやりたいです」

<フライ級マッチ 5分3ラウンド>
○カイ・カラ・フランス
 判定3-0(25-30、26-30、25-30)
●イライアス・ガルシア
勝者カイ・カラ・フランスのコメント
「言葉がないよ。デビュー戦を思い描いてファイトウイークに臨んで、これ以上はないと思う。少し逆境になっていたのは分かっていたけど、このために12週間もファイトキャンプに取り組んできたし、今回の試合以上に準備した試合はない。声援に圧倒された。地元、ニュージーランドのオークランドからだけじゃなく、オーストリアからも声援があったからね。彼らの存在が本当に大きかったし、彼らは僕らをひとつに見ている。だから、来年のメルボルンのカードにぜひ入りたいと思うよね。ガルシアはタフなヤツだったし、まだプロで7試合しかしていないのに、もう熟練のベテランみたいに見える。ずっとプッシュしてきたし、1週間前のオファーだったのに受けてくれて、自分の試合の実現を助けてくれたから本当に感謝している。対戦相手が変わるとこっちにはプレッシャーがかかるけど、相手が計量に成功してうれしかったし、ショーを見せられてうれしかった。敢闘試合賞(ファイト・オブ・ザ・ナイト)の候補になれるといいな」

【アーリープレリム】
<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○クリストス・ジアゴス
 判定3-0(27-29、28-29、28-30)
●廣田瑞人
勝者クリストス・ジアゴスのコメント
「家族が試合を見るためにわざわざ来てくれていたからうれしい。序盤に相手にダメージを与えて、そこからフィニッシュしようとエネルギーを使いすぎてしまった。それが体にとっては影響したから、仕事を終わらせるためにレスリングに頼るしかなかったんだ。パフォーマンスに完全には満足できていない。少なくとも自分の実感としては。ただ、仕事は果たせたから、それについては満足している。彼は37歳なのに、あんなに忍耐力があるなんてびっくりした。でも、この階級で彼が最もタフな1人だってことは分かっていた。勝利を手に入れられてとにかくうれしい。この後はゆっくりしてオーストラリアを楽しむよ。それからすぐにトレーニングに戻る。まだやらなきゃいけないことがたくさんある」

<ライト級マッチ 5分3ラウンド>
○アレックス・ジョージース
 判定3-0(25-30、26-30、26-30)
●ダミル・イスマグロフ
勝者アレックス・ジョージースのコメント
「UFCで初めてのパフォーマンスにはとても満足している。試合中、一度も危険だと感じなかったから、全体的にも本当にハッピーだ。UFCが用意してくれる相手なら誰とでもやる」