29日、新日本プロレス『WORLD TAG LEAGUE 2018』後楽園ホール大会は「札止め」。ちなみに、以前にみられた「超満員札止め」という記載は「満員を超える観客を入れているのはおかしい」ということでNG表現となった。実数発表のみならず、社会通念上改めるべきところに手を入れてきているわけで、ビッグカンパニーを目指している新日本らしいエピソードである。
NHKドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』に内藤哲也が出演したのが19日のこと。同番組後初の後楽園ホール大会に内藤が不参加となった。一方で、棚橋弘至&オカダ・カズチカのタッグ実現は動員へのテコ入れにも思える。選手の定期的な休養、ユニット再編成というように主旨は異なるが、これらは新日本によるトライアルなのだろう。
2019年にケニー・オメガやヤングバックスがオール・エリート・レスリング(AEW)を立ち上げるならば、来日頻度が現状よりもビッグマッチ限定になることが見込まれる。その際に、棚橋&オカダが同じコーナーに立っていること、レギュラー視点での外国人エースがジェイ・ホワイトになっていることは未来像の候補に違いない。
WWEでさえスター養成を新日本に頼っているとも言える状態だ。プロレスファンにとって、何を新日本がしようとしているかをウォッチすることは、とても興味深いこととなる。
大会に話を戻すと、棚橋&オカダ夢タッグのメインは乱闘でスタートし、ジェイ勝利のバッドエンド。“揃い踏みシャッターチャンス”を期待したファンには肩透かしとなった。
とはいえセミまでのリーグ戦は好勝負連発で、リーグ戦参加チームが意地を見せたとの総括となる。天山広吉によるムーンサルト炸裂で、テンコジがK.E.S.を破る痛快さ。鈴木軍対決では久々に飯塚高史が魔性のスリーパーを繰り出した。
どこまでを計算しているかはわからないが、盛り上げるための引き出しが実に多彩で、どう揺さぶりをかけにいくかをファンに読ませないのが新日本となっている。10月末には過去最高業績である最新年商(7月決算)金額を49億円と発表した(前年度は38億円台)。木谷高明オーナーが130%の売れ行きとコメントを出しているが、1・4ドーム大会への道のりは盤石だ。
■新日本プロレス『WORLD TAG LEAGUE 2018』
日時:11月29日(木)18:30
会場:東京・後楽園ホール 1,723人(札止め=主催者発表)
<第1試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
海野翔太 ●吉田綾斗
7分59秒 ツアー・オブ・ジ・アイランド⇒片エビ固め
〇ジェフ・コブ マイケル・エルガン
<第2試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
デビッド・フィンレー 〇ジュース・ロビンソン
9分14秒 パルプフリクション⇒片エビ固め
●中西学 永田裕志
<第3試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
●デイビーボーイ・スミスJr. ランス・アーチャー
10分55秒 ムーンサルトプレス⇒体固め
小島聡 〇天山広吉
<第4試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
●チャッキーT バレッタ
11分16秒 反則勝ち
〇トーア・ヘナーレ 真壁刀義
※椅子攻撃
<第5試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
〇タンガ・ロア タマ・トンガ
10分57秒 マジックキラー⇒片エビ固め
高橋裕二郎 ●ハングマン・ペイジ
<第6試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
タイチ 〇ザック・セイバーJr.
14分18秒 ヨーロピアン・クラッチ
●飯塚高史 鈴木みのる
<第7試合 「WORLD TAG LEAGUE 2018」公式戦>
〇SANADA EVIL
14分20秒 回転足折り固め
●矢野通 石井智宏
<第8試合>
〇石森太二 バッドラック・ファレ ジェイ・ホワイト
12分44秒 ブラディークロス⇒片エビ固め
●KUSHIDA オカダ・カズチカ 棚橋弘至
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’18年12月06日号新日タッグ NXT英国 イケメンW1 覆面マニア ドリー T戸口 谷川貞治