シッティチャイ・シッソンピーノン王座防衛!GLORY 61

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 11月2日(現地時間)にアメリカ・ニューヨークで『GLORY 61:New York』が開催された。
 グローリーは、ヨーロッパのキックボクシング団体。2011年のFEGの経営悪化によるK-1の活動休止に伴い、世界的に大規模なキックボクシング団体がなくなったため、ピーター・アーツやクリス・ナギンビ、ムラット・ディレッキーらは引退、タイロン・スポーンやグーカン・サキらは総合格闘技またはプロボクシングへの転向を表明するなど、キックボクシング界の人材流出が顕著になっていった。そこで、K-1を買収するつもりだったバス・ブーンと、ブーンに協力していた大手独立系スポーツ・マーケティング広告代理店トータル・スポーツ・アジア(TSA)、石油系ヘッジファンド『BlueGold』の運営で財を成した投資家のピエール・アンデュランド(Pierre Andurand)らが改めて結託し、ピエールとTSAが合わせて総額3000万ドル(約23億円)以上の出資をして、ゴールデン・グローリージムとは独立した興行の運営母体としてグローリー・スポーツ・インターナショナル(Glory Sports International Pte LTD.)を設立(略称はGSI)。2012年3月23日のモスクワ大会で事実上旗揚げした。但し、巨額の損失からバス・ブーンらは追われてしまう。何度かの組織変更の末、北米を照準にして2016年2月、UFCファイトパスでの配信を開始した。
 今大会では、ライト級王座戦が組まれ、王者シッティチャイ・シッソンピーノンがジョシュ・ジョンシーの挑戦を受けた。ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者王者としてグローリーに乗り込んできてライト級王座を奪い、絶対王者として君臨しているシッソンピーノンの強さは知れ渡っており、下馬評も圧倒的に王者であったが、試合も下馬評通りの展開となった。2Rには膝蹴りでダウンも奪い、ポイントを稼ぎまくる王者がいつも通り大差の判定で勝利し、ムエタイの強さをまざまざと見せつけた。
 セミファイナルでは疑惑の判定と言われたジャジー・メネゼスとアニッサ・メクセンの再戦にして女子スーパーバンタム級王座戦が行われた。メクセンは前回、判定負けとなっているが納得しておらず、今回は判定ではなくKOする事を宣言。試合も有言実行でパンチで王者メネゼスをKOして勝利。見事に新王者となった。

■ GLORY 61:New York
日時:2018年11月2日(現地時間)
会場:アメリカ・ニューヨーク

<ライト級王座タイトルマッチ>
○シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/王者)
 判定 3-0
●ジョシュ・ジョンシー(カナダ/挑戦者)

<女子スーパーバンタム級王座タイトルマッチ>
○アニッサ・メクセン(フランス/挑戦者)
 2R 0分39秒 TKO
●ジャジー・メネゼス(ブラジル/王者)

<フェザー級>
○ケビン・ヴァン・ノーストランド(米国)
 判定 3-0
●マサロ・グランダー(オランダ)

<女子スーパーバンタム級>
○チョンマニー・ソー・テヒラン(タイ)
 判定1 2-1
●アシュリー・ニコルス(カナダ)

<ライトヘビー級>
○クリス・カモージ(米国)
 判定 3-0
●マイロン・デニス(米国)

<ウェルター級>
○オマリー・ボイド(米国)
 判定 3-0
●アラン・シェインソン(アルゼンチン)

<フェザー級>
○エイサー・テン・パウ(米国)
 判定 3-0
●ニコ・ツィガラス(ギリシャ)

<ウェルター級>
○チャールズ・ロドリゲス(米国)
 判定 3-0
●マリク・ワトソン・スミス(米国)

<ライト級>
○ジャスティン・ホートン(米国)
 判定 3-0
●ヴィンス・マックギネス(米国)