[ファイトクラブ]グルクンマスクが関西の人気番組『探偵! ナイトスクープ』で正体を暴かれる!?

[週刊ファイト11月15日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼グルクンマスクが関西の人気番組『探偵! ナイトスクープ』で正体を暴かれる!?
 by 安威川敏樹
・探偵局に届いた一通の依頼『グルクンマスクは、僕の同級生ではないのか?』
・愛媛で復興支援イベントを行った琉球ドラゴンプロレスリング
・グルクンマスクは同級生なのか!? カンニング竹山が真相に迫る
・『グルクンマスクの正体はグルクンマスク』本人はキッパリと否定
・グルクンマスクの正体を探るべく、高校時代以来(?)の柔道対決!
・47歳のオッサン同士の乱取りは、まるで青春の1ページ
・遂にグルクンマスクが正体を明かす!? 果たして同級生なのか?


 琉球ドラゴンプロレスリングのグルクンマスクが11月2日(金)、ABC(朝日放送)の深夜番組『探偵! ナイトスクープ』に出演した。『ナイトスクープ』と言えば、関西では絶大な人気を誇るテレビ番組だ。23時~24時台の深夜帯ながら、全盛期には視聴率30%超えを記録したこともある。
 番組の内容は、視聴者から寄せられた様々な謎や疑問を探偵たちが徹底的に調査し、解決に導くという趣旨である。番組の司会である西田敏行が探偵局長となって、視聴者からの依頼に応えるよう探偵たちに命じる。ちなみに探偵は、全員がお笑い芸人だ。

 今回、グルクンマスクが出演したのは、ゲストや顧問(この番組は探偵局なので毎回、顧問を迎える)としてではない。もちろん、依頼者になったわけでもない。
 それでは、グルクンマスクはどういう形で、あの人気番組に出演したのだろうか。

愛媛で復興支援イベントを行った琉球ドラゴンプロレスリング

 西田探偵局に一通の手紙が届いた。と言っても、これが毎回の『ナイトスクープ』のスタイルである。もちろん、視聴者が依頼者となって手紙を番組に送ったのは言うまでもない(メールかも知れないが)。
 今回の依頼者は、愛媛県にお住いの団体職員、尾崎主幸さん(47歳)。尾崎さんは高校まで大阪で過ごし、その後は愛媛へ引っ越しした。それでは、どんな依頼内容なのだろうか。

 今年7月の西日本災害により、愛媛は大きな被害を受けたが、様々な人が復興支援のボランティアをしている。そんな中、琉球ドラゴンプロレスリングが復興支援のイベントを行った。イベントは大盛況で、レスラーたちと話をする機会もあって、尾崎さんは大興奮だったそうだ。
 その中に、グルクンマスクがいた。尾崎さんはグルクンマスクのことを知らなかったが、話をしていると、初めて会った気がしない、何とも言えない気持ちが湧いてきたという。
 そこで尾崎さんは帰宅後、インターネットで琉球ドラゴンプロレスリングのサイトを見てみると、グルクンマスクは尾崎さんと同い年だった。
 そして、思い付くことがあった。グルクンマスクとは、尾崎さんが高校時代に柔道部で一緒に厳しい練習に耐えた、石倉くんではないのだろうか? と。
 尾崎さんは高校を卒業してすぐ、大阪から愛媛へ渡ったので、今でも交流のある同級生が1人もいない。しかし、もしグルクンマスクが石倉くんならば、消息がわかる唯一の同級生となるのだ。
 そこで、グルクンマスクが石倉くんなのかどうか、確かめて欲しいというのが尾崎さんの依頼である。

 調査を担当した探偵はカンニング竹山(竹山隆範)。竹山探偵は、覆面レスラーの正体を明かすのは無理なのでは? と思いながら依頼者の尾崎さんに会った。
 尾崎さんは、グルクンマスクが石倉くんである手掛かりとして、グルクンマスクのアゴの左側にホクロがあるという。写真で確かめると、たしかにグルクンマスクにはホクロがあったが、こんなホクロは珍しくもない。
 そこで、卒業アルバムで石倉くんの写真を見ると、間違いなくグルクンマスクと同じ場所にホクロがあった! でも、竹山探偵は「こんな人間、ゴマンといるからなあ」と言って取り合おうとしない。

 そもそも尾崎さん自身、高校の頃の写真を見ると、現在では変わり果てている。カンニング竹山の高校時代の写真を見れば、嶋大輔みたいな風貌だった。「俺だって30年経つとこういうことが起こるんだから、ホクロだけで断定するのは無理だと思うよ」と渋々な感じの竹山探偵。

 果たして、グルクンマスクは本当に石倉くんなのだろうか? その謎を探るべく、尾崎さんと竹山探偵は、琉球ドラゴンプロレスリングへ向かった。

▼2016年のSUPER J-CUP参戦をアピールするグルクンマスク

グルクンマスクは同級生なのか!? カンニング竹山が真相に迫る

 沖縄入りした尾崎さんと竹山探偵。嘉手納町にある琉球ドラゴンプロレスリングの本拠地・カデナアリーナへ行った。入口にはいきなり、グルクンマスクの巨大なパネルがある。マスクから覗く目は、高校時代の石倉くんの目よりもかなり大きかった。「整形したのかなあ?」と、尾崎さんは諦め切れない様子。

 中に入った。竹山探偵は受付の女性に「石倉さんはいますか?」とド直球な質問をする。女性は「石倉はいないですね」と、突然の質問に驚いたようだ。「グルクンマスクさんは?」と尋ねると「グルクンマスクはウチの社長です」と答えた。
 驚く尾崎さんと竹山探偵。グルクンマスクが社長とは夢にも思わなかったようだ。

「え? グルクンマスクが何かしたんですか?」
 驚いているのは女性も同じ。
「いやいや、我々は警察ではありませんから」
 と慌てて答える竹山探偵。どう見ても警察には見えないだろう。まあ、一応は探偵なのだが。

 グルクンマスクに会わせてくれた。グルクンマスクと尾崎さん、愛媛の復興イベント以来の顔合わせである。しかし、当然のことながらグルクンマスクは一般人の尾崎さんのことなど憶えていない。
 そこで、尾崎さんがお礼を言いたいというから沖縄まで来た、と竹山探偵が説明すると「ええー!? わざわざ、ありがとうございます!」とグルクンマスクは感激した。もちろん、お礼を言いに来たのも事実だが、本来の目的はそれではない。
 そして、尾崎さんは思い切ってグルクンマスクに質問をぶつけた。

「(愛媛で会ったとき)初めて会った気がしなかったんですよ。高校時代に柔道をしていたんですけど、グルクンマスクさんは同級生の石倉ではないのかな、と」
「はあ~、なるほど」

 困った様子を見せるグルクンマスク。そこで、竹山探偵はまたド直球の質問をした。
「グルクンマスクさんは、石倉さんですか?」
「グルクンマスクです。グルクンマスクは、グルクンマスクです」
 グルクンマスクは即答した。そりゃあ、そう答えるしかない。

「僕は、グルクンマスクという生き物なんですよ」
 そう言うグルクンマスク。それが覆面レスラーとしての正しい在り方だ。

 しかし、生年月日は公表しているグルクンマスク。さらに、高校時代は柔道部だったことも認めた。しかも、出身は大阪だという。初代タイガーマスク(佐山聡)なんか、国籍すら不明だったのに……。

「もしグルクンマスクさんが石倉さんだったとすれば、尾崎さんにとって高校卒業以来、初めて会った同級生なんですよ」
 と食い下がる竹山探偵。
「あー、そうなんですか!」
 と少し驚いた様子のグルクンマスク。

 思い余って、尾崎さんは問い掛ける。
「ホントに、石倉じゃない?」
「……、グルクンマスクですね」
 何度訊いても答えは一緒だった。

▼8月31日『TAKAYAMANIA EMPIRE』のバトルロイヤルに出場したグルクンマスク

グルクンマスクの正体を探るべく、高校時代以来(?)の柔道対決!

 竹山探偵は最後の手段に出た。高校時代を思い出し、2人で柔道の乱取りをやれば、当時の感覚が甦るかも知れない、と。組んでみれば、尾崎さんもグルクンマスクが石倉くんかどうか、わかるはずだ。
 竹山探偵の申し出に、グルクンマスクは快く応じた。2人は柔道着に着替え、リングに上がる。
 もし、グルクンマスクが石倉くんだとすれば、高校時代以来の柔道対決だ。

 乱取りが始まった。完全な真剣勝負である。尾崎さんが投げを打とうとしても、グルクンマスクの体勢は崩れない。さすがに実力差がありすぎ、グルクンマスクは腕ひしぎ十字固めで尾崎さんからタップを奪った。
 二度目の乱取りもグルクンマスクの圧勝。当然の話だが、尾崎さんは全く歯が立たない。思わず「あ~、胸いてえ」と弱音を吐く尾崎さん。

「昔、同級生でもいましたね。痛い痛い、痛いから休憩、て言うヤツ」
 と、思わず昔話を語るグルクンマスク。
「それ、俺じゃないの!?」
 尾崎さんは言った。

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