ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』55[ファイトクラブ]怒濤のメジャーリーグ観戦

[週刊ファイト10月25日号]収録 [ファイトクラブ]公開中

▼ケン・片谷『メシとワセダと時々プロレス』55
 怒濤のメジャーリーグ観戦
・ロスもニューヨーク同様、2つのメジャー球団ドジャースとエンゼルス
・サンディエゴ行きのアムトラックに乗りアナハイム駅で下車
・注目の大谷翔平は、4番指名打者でスタメン出場:日本人客が『17』観戦
・ユニオン駅から『DODGERS EXPRESS』無料
・ついに奇跡が起きた!
・マエケン前田健太がロッキーズ打線を三者三振のミラクルピッチング
・日本人観光客が根こそぎ買い占めるユニフォーム
・見事な“プチオーダーメイド”ユニフォームが完成
・ご用命は『片谷トラベル』までお願いします


 長い長い夏休み。最後の思い出はメジャー観戦。ロサンゼルスの人気球団、エンゼルスとドジャースを観戦。日本人メジャーリーガー、大谷翔平を生観戦!
 奇跡! マエケンがマウンドへ!! オーダーメイドのユニフォーム

秋学期が始まり、二週目に突入しました。
いつからか、ほとんどの大学は二期制になっていました。世界的視野で考えた場合、通年で授業を行うよりも、前期・後期の二期に分けたほうが、よりグローバルに就職や留学に有利に働くという理由からなのでしょう。

半期は、正味4ヶ月という短さなので、夏休み気分に浮かれていると、あっという間に中間テスト期間がやってきてしまいます。
頭では分かっていても、体はなかなか反応してくれません。だって、丸々二ヶ月も夏休みがあったんですよ! 卒論の資料集めをしたり、構想を練ったりしてはいたものの、ちゃんと頭を使うのは二ヵ月ぶりなのですから無理もありません。

夏休み最後の思い出にと、今年もアメリカへメジャーリーグ観戦に行ってきました。
と言っても、行き先は通いなれたるニューヨークではなく、ロサンゼルスです。
ロスへ行くのは7年ぶり。メジャー観戦となると、実に23年ぶりです!

ロスもニューヨーク同様、2つのメジャー球団を持っています。
ロサンゼルス・ドジャースとアナハイム・エンゼルスです。
ドジャースは、言わずと知れた老舗球団。エンゼルスは、古くは長谷川滋利の活躍で知られ、松井秀喜もここでプレイしました。今年は大谷翔平の加入により、日本でも超有名な球団となりました。

サンフランシスコ経由で、ロサンゼルス国際空港(LAX)に到着するなり、その足でアナハイム・エンゼルスのホームグラウンド、『エンゼルスタジアム・オブ・アナハイム』を目指しました!

エンゼルスタジアム・オブ・アナハイムは、ロサンゼルス郊外に位置します。
LAXから、ロサンゼルスのダウンタウンにあるユニオン駅に移動し、そこからアムトラックに乗り換えます。
アムトラックは、日本で例えるなら“JR”でしょうか(笑)? 全米を網羅する、長距離移動の列車です。つまり、ユニオン駅は“上野駅”のような存在と言えますね。

サンディエゴ行きのアムトラックに乗り、アナハイム駅で下車します。所要時間は約40分です。
アムトラックの客車内は、ちょっとした高級感があります。座席は広々としていて、もちろんリクライニングもできます。また、古い車両にも関わらず、後付けで充電用のコンセントの差し込み口までありました。
今回は、乗車時間が短いので利用しませんでしたが、食堂車だってあるんです。
淹れたてのコーヒーやソフトドリンクはもちろん、サンドイッチや温かいビザをテーブルでいただくことができます。

アナハイム駅に着いて、まず驚いたことがあります。駅舎がとても立派になっていたのです!
7年前、アイスホッケー観戦で訪れたときは、全然しょっぱい田舎駅で、「これが天下のディズニーランドの最寄り駅かよ!」と思ったほどです。
後で調べたのですが、新駅舎は2014年に完成し、旧駅舎は2015年に取り壊されたのだそうです。

アナハイム駅を降りると、すぐ目の前に巨大な球場が姿を現します。これが、エンゼルスタジアム・オブ・アナハイムです。
野球場に向かう時、ついつい早足になってしまいます。これは子どもの頃から変わりません。

メジャーリーグ(野球)は、他のスポーツに比べて入場料が安いのも魅力の一つです。もちろん、上を見たらキリがありませんが、内野の最上段や外野席でしたら10ドル程度で購入することができます。理由は、どこの球場も5万人規模のキャパシティがあること、試合数が豊富で連日行われていることなどが考えられます。お客さんの中に、子どもの姿が多いのもうなずけますね。

注目の大谷は、4番指名打者でスタメン出場。二刀流、つまり投手と打者の両方で活躍中の大谷ですが、怪我のため今シーズンの残り試合は打者に専念するというニュースを日本で聞いていました。
実は、観戦にはこちらの方が好都合なのです。なぜなら、ピッチャーだとローテーションがあり、ロサンゼルス滞在中に大谷の登板日に当たらない可能性が出てきます。それに対し、バッターの場合よほど調子を落とさない限り、スタメン出場は間違いありません。
せっかく遠路はるばる観に行くのですから、生で大谷を観たいですものね。

スタンドを見渡すと、多くの日本人が観戦に訪れていることに気付きます。よく見ると、みんな背中に大谷の背番号である『17』を付けています。これだけでも、大谷の活躍と現地での人気ぶりが分かりますね。
ちなみに、この日の大谷は、ホームランを含む2安打。相変わらず好調が続いているようです。

一夜明け、エンゼルス戦観戦2戦目。この日の試合はデーゲームで行われました。
青空の下に映える緑の芝生。デーゲームでは、さらにメジャー球場の醍醐味を味わうことができます。

7回を迎えると、メジャー球場では全球場共通で必ず行われる“儀式”があります。それは、ジェット風船を飛ばしたり、ビニール傘を振ったりするものではありません(笑)。
『Take Me Out To The Ball Game』の歌が球場全体に流れ、観客全員でこれを唄うのです。
歌詞の内容は、『ねぇ、私を野球場に連れてってよ。球場に行ったら、クラッカージャックを買ってね。大好きなチームを応援するわ。絶対勝ってね!』と、大体こんな感じ(かなり適当・笑)です。
野球を観に行く日を心待ちにする子どもたちの笑顔が浮かんでくるような歌ですね!

野球観戦三日目
この日から、場所をドジャースタジアムに移します。
ドジャースには、“マエケン”こと前田健太投手がいます。
しかし、ニュースによれば、マエケンは登板したばかり。どうやら、今回の滞在ではマエケンのピッチングを観るのは難しいようです。

ドジャースタジアムは、ダウンタウンに程近いエリアに位置しているので、エンゼルスタジアムに比べると、かなりアクセスが良いです。
ただ、ロサンゼルスは面積がとても広い上に、ニューヨークのように地下鉄の路線がたくさんあるわけではありません。
そこで、野球の試合がある日に限り、ユニオン駅から『DODGERS EXPRESS』という野球観戦専用の球場直通バスが出るのです。しかもこのバス、野球観戦者は無料で利用できるのです!

ダウンタウンの外れ、山あいの中にドジャースタジアムはあります。訪れるのは、やはり20数年ぶりです。
当時は、まだ日本人メジャーリーガーの先駆者、野茂英雄も入団する前で、現在のように日本人選手がメジャーリーグで活躍するなど夢にも思わなかった時代です。

伝統のユニフォームは、マイナーチェンジはあれど、基本的なデザインは何一つ変わっていません。
最近の日本のプロ野球チームは、頻繁にユニフォームのデザインを変えすぎです。老舗球団であればあるほど、伝統は大切にしてほしいものです。

『TOP DECK』という、バックネット裏最上段の席を取りました。足のすくむような高さですが、球場全体を見渡すことができる、野球通にはたまらない席です。お値段は26ドルとちょっと高めですが、日本の某人気球団のホームゲームも何かと物価が高いことを考えれば納得です。それでも、日本円で3000円もしないのですから、十分許容範囲と言えるでしょう。

野球好きのオイラでも、さすがに今のドジャースにマエケン以外に知っている選手はいませんでした。それでも、十分にメジャーリーグのプレイを楽しむことができました。

翌日も、ドジャースタジアムに行きました。この日が野球観戦最終日となりましたが、エンゼルスタジアム2試合、ドジャースタジアム2試合とバランス良く観戦することができました。

そしてこの日、日本からやってきたオイラを歓迎するかのように(大げさ・笑!)、ついに奇跡が起きたのです!

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